[エッセイ]池袋に現れた、心のケンシロウとボウケンレッド
待ちに待ったガンダムカードゲームの新弾の発売日。
世はまさに、大カードゲーム時代。
新弾の発売日は、カードゲーマーたちを海へと駆り立てる。
カードゲームの腕前は「北斗の拳に出てくるヒャッハー海賊団」でしかない自分でも、やっぱり新弾の発売日は心躍るもの。
荷物を積み別れを告げ、朝焼けの海に帆を張った♪とBUMP OF CHICKENの「グングニル」をかけながら家を出た。
気分はもう、いざゆかんグランドラインである。
プラモを買ってカレーを食べるために。
だって欲しいプラモの発売日だし、美味しいカレー屋さん紹介している記事見ちゃったんだもん。
今回はもともと「13時から友人とガンダムカードゲームの対戦会をする」という約束があった。
それが、せっかくお出かけするなら他の用事もこなしてしまおう、という貧乏性的目論見と重なった結果、
皮膚科に行く
新発売のプラモを買う
マウスを新調する
次のボードゲーム会に持ち込むゲームを見繕う
ガンダムカードゲームの新弾のシングルカードの値段を確認する
美味しいと紹介されたカレーを食べる
これを13時までにこなそうという、窒息限界ギリギリのぷよぷよみたいなスケジュールになっていた。
一手誤れば、即ばたんきゅーである。
とはいえ、そこはリソース管理ゲーム大好きマンのワタクシ。
移動時間を目算し、各タスクの所要時間を設定し、待ち時間を想定した結果、皮膚科の開業時間ピッタリに着くように家を出ればイケる、という結論を得た。
こうして「北斗の拳に出てくるヒャッハー海賊団」は朝8時半に船出する運びとなったのだ。
遊ぶためなら緻密な計画性を発揮し、朝5時起きも厭わないのが「ヒャッハー」たちの生態である。
5時起きなのは出かける前にFF14のデイリーをある程度こなすためである。
朝5時からルーレットに参加しているヒカセンたちには敬愛の念を抱く。
そのエネルギーをもう少し世のため人のために使えないのか、などと言われようが知ったことではない。
こちとら「北斗の拳に出てくるヒャッハー海賊団」である。
「ヒャッハー! 休日だー!!」
「今日1日タップリ遊びたい放題だぜー!!」
くらいのことしか考えられないのだ。
しかして、出掛けに流した「グングニル」にはこんなひとふしがある。
「誰もが遠ざかる船を呪い出した『願わくば高波よ悪魔になれ』」
往々にして、万全の計画は、万全には進まない。
連鎖を起爆する色のぷよはなかなか落ちてこないし、ヒャッハー!と調子に乗っているとケンシロウがやってくる。
欲しかったプラモは、店に着いた時には売り切れの張り紙がしてあるし。
カレー屋さんに着いてみたら「本日まことに勝手ながら昼の部を休業とさせて頂きます」って張り紙がしてあるし。
っていうか今日むちゃくちゃ蒸し暑くて汗だくだし。
スケジュールの消化率はこの時点で3割以下(皮膚科には行った)。
欲しいプラモが売り切れてるのは、正直よくある話だから「ああ、はいはい」で済ます事が出来たが、カレー屋さんお昼休みはダメージが大きかった。
張り紙を見た瞬間フリーズした我が脳内には、ヒャッハーたちがケンシロウに「あたたたたた!」とブッ飛ばされていく光景が、テーレッテー♪という軽快なBGMと共に映し出されていた。
こんなことなら、午前中は冷房の効いた家でペルソナ3(エピソードアイギス)の続きをやってた方が良かったのでは、と絶望に打ちひしがれる。
しかして、一方で。
「こいつは、ちょっとした冒険ってやつだな」
死屍累々の光景を背に、心のボウケンレッドが決め台詞を放つ。
その言葉に、よろめきながら立ち上がる脳内のヒャッハーたち。
その表情はつらそうだが、笑顔でもある。
そう、これもちょっとした冒険だ。
思う通りにいかないことなんて世の中にはいくらでもあるし、むしろ思う通りにいかない事の方が多いかもしれない。
だけど、どんなことも「ちょっとした冒険だ」と思えば、そして冒険を楽しむ心があれば、そのただならない状況も心が踊りうきうき嬉しくなってくる。
道がなくなってしまったなら別の道を探そう。
お宝が見つからなかったら別のお宝を探そう。
ケンシロウにブッ飛ばされるならそれ以上に強く……なるのは無理だから、あいつが現れないことを祈ろう。
さて落ち着いた所で、今の状況、今ある手札で、新しい冒険のプランを考える。
幸いにも、状況が不本意なのも、手札がイマイチ過ぎるのも、カードゲームやローグライクのゲームで慣れっこだ。
というわけで。

もう忘れている
プラモはずっと買おうか悩んでた「アリス・ギア・アイギス」のSOLを買ってしまうことにした。
今日欲しかった30MMの新作は1体3000円程度のところ、このシリーズは7000〜8000円とお高い。
だけど、黒星紅白さんの描くキャラクターは全てを解決する。
そのままお買い物をサクサクと進めていく。

マウスは無線ではなく有線の方が安かったので、有線マウスにしてコストダウン。

ボードゲームは当初の予定通り、タイムラインを購入。
ボードゲーム会の幹事をやる利点の1つは、自分が勝ちに行けるゲームを合法的にねじ込めることにあると思っている。
子供の頃から「学習マンガ 世界の歴史シリーズ」を読み込んできた自分に死角はない。
それにしても、相変わらず池袋のイエサブはボドゲの品揃えが潤沢でステキ。
ついでに、同じお店でガンダムカードゲームの欲しかったカードの価格を確認。
サザビーが1000円、キャリバーンが800円。
思ったほど高くなくて、デッキが組める見込みが湧いてきた。
そして、待ち合わせ場所である高田馬場に。
ここに、もう一つの候補だったカレー屋さんがある。
この時点で12時20分。
前に3組ほど並んでたけど、場所は駅から徒歩1分、カレーなら作るのも食べるのもさほど時間はかかるまい、と踏んで列に並ぶことに。
実際、10分ほどでお店にイン、ほどなくカレーが目の前にドン。

うまそー!!
そしてウマーイ!!
食の語彙をもっと増やしておくべきだったと後悔した。
サバのカレー、ウマウマだよぉ! くらいしか言えない。
サバのカレーが非常に美味しいのに加えて、パクチーがモリモリなのが良きだし、付け合わせのキャベツとテーブルに置いてあるしば漬けが、また良い味変になってる。
また来ようっと。
そんなこんなで12時50分には待ち合わせ場所に到着。
プラモも買ったし、マウスも買った、ボドゲも仕入れて、カードの値段もチェックしたし、カレーはウマウマだった。
今回の冒険は、まあ成功だったと言っていい。
ありがとう、心のボウケンレッド。
エンディングには是非「グングニル」を流して欲しい。
「夢の終わりは彼が拳を下げたときだけ
死に際の騎士、その手にグングニル
狙ったモノは必ず貫く」
次に池袋に行くときは、お目当てのカレー屋さんが営業していることを祈ろう。
ちなみにこのあと、カードショップでガンダムカードゲームやる予定だったところが、お店の大会で席を使うということで空いているカラオケ屋さん探す、という冒険が始まるのだが、それはまた別の話。
