災害医療の切り札「病院船」について 大規模災害とデジタル防災の最前線 2025.12.4 国民民主党 いしいともえ議員 衆議院 災害対策特別委員会 一般質疑(全文文字起こし)
▼本記事は下記動画のうち、いしいともえ議員の一般質疑について文字起こししたものです。
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質疑
病院船と防災デジタル化
いしいともえ議員
国民民主党・無所属クラブのいしいともえでございます。愛媛県松山市の出身でございます。私、医療の現場で働いておりましたので、この委員会では災害医療について取り上げさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。それではいきます。まずは大規模災害における病院船についてお伺いいたします。
先日高市総理が、就任後初めてとなります、政府による原子力総合防災訓練が愛媛県で行われました。訓練では震度7の地震が発生、そして伊方原子力発電所内で原子炉を冷却する機能が喪失し、そして総理が緊急事態宣言を発令したと想定をして、全閣僚が参加され、愛媛県やその周辺自治体、住民2万人の参加による大規模訓練が行われました。
この政府による原子力総合防災訓練が愛媛県で行われたのは10年ぶりであります。現場は日本一細長い佐田岬半島がありまして、訓練では道路が寸断された際の避難について検証がされました。特に道路が寸断された時には、陸からの救援が非常に難しく、災害時の医療確保は最重要課題となっております。
その中で、令和3年の議員立法によって生まれた船で医療を提供する仕組みは、まさに海に浮かぶ病院でありまして、病院船に大きな期待が寄せられています。まず資料1をご覧ください。写真にあります船はアメリカ海軍の保有する病院船マーシー号でありまして、日本に寄港した時のものでありますが、病床数は1,000床、そして手術もでき、80床の集中治療室、20床の術後回復室を持って、大学病院並の高度医療を備えています。日本でも阪神淡路大震災の教訓から病院船については検討され始め、沿岸部が壊滅的な被害を受けた東日本大震災後にも必要性が叫ばれておりまして、南海トラフ大地震や首都直下型地震に備えて、内閣府が主導で検討されておりました。
能登半島地震の際にはNPO法人による災害医療支援船が活躍している様子、私もインターネットで拝見しておりまして、海に囲まれているこの日本で病院船、必ず必要だという風に思っておりました。いよいよこの病院船が令和8年の1月から運用開始をされるということでありまして、大変期待をしているところであります。

そこで赤間大臣にお伺いいたします。病院船運用開始における現在の準備、そして整備状況について、どこまで進んでいるのか教えていただけますでしょうか。
赤間国務大臣
お答えいたします。船舶活用医療、いわゆる病院船の話でございますけれども、この運用が令和8年1月からということで、その進捗。この船舶を活用した医療提供体制の整備については、まず整備推進計画が本年3月に閣議決定をされたというところ。現在は、今申し上げた令和8年1月からの運用開始に向け、関係省庁と連携をして集中的に準備を進めているところでございます。
より具体的に申し上げれば、まず医療従事者の確保、また船舶の確保、また医療関係団体や民間船舶事業者との協力の協定、これを年内に締結すべく、まさに今協議を行っているところでございます。
加えて、まさに大学病院と同じぐらいのということでありますが、いわゆる資機材の方、これもございますので、こういった備品についても今必要な調達を行っているところでございます。また、いわゆる実効性、病院船のこの向上のため、先月の16日には実際に船舶を使用した実動訓練を実施するなど、関係者のいわゆる連携だとか、またその練度の向上に向けて今取り組んでいるところでございます。
いずれにせよ、令和8年1月の運用ということでございますので、その体制整備には万全を期してまいりたいという風に思っております。以上です。

船舶医療運用の主な課題点は
いしいともえ議員
はい、ありがとうございます。運用に向けてもいよいよ大詰めということでありますので、是非、万全な準備よろしくお願いいたします。
私、愛媛から大阪に行く時はよく大型フェリーを利用しておりまして、夜出て船の中で一泊して朝着くという経験を何度もしております。今の大型フェリーは特に個室も完備されておりまして、特に揺れることもありませんし、かなり快適に過ごせるようになっております。この大型フェリーの病院船への活用は非常に可能だと思っておりましたので、運用には大変期待をしているんですけれども、災害時には今定期的に運航している大型やまた中型のフェリーを一時借りて運用するということでありまして、様々な課題があるという風に思います。
災害発生後、被災地への派遣調整、そして停泊する港の状況、そして人材確保などあらゆる想定をした上で、準備をしていかなければならないという風に思います。これまで実証実験やまた訓練などを行ってきた際の船舶医療運用の主な課題点は何か、また現時点での検討状況についてお伺いしたいと思います。
鎌原内閣官房内閣審議官
お答え申し上げます。大規模災害時における船舶活用医療は、災害対応、医療、船舶等の様々な専門分野により実施をされる複合的な活動であります。このため、まずはこれら多様な関係者間の連携協力体制を確保し、円滑かつ効果的な船舶活用医療を実施することが重要だと考えております。
また、被災地に船舶を派遣するためには、航路が啓開され、港の係留施設が使用可能な状態にあることが前提となりますため、これらの情報を迅速に把握し、船舶の安全を確保した上で、速やかに船舶の派遣ができるよう、訓練等を通じて手順などを確認しておくことが必要だと考えております。

加えまして、海上及び船内という特殊な環境の中での活動となりますことから、訓練などを通じた習熟と合わせて、今後医療関係団体等と連携をしまして、船舶活用医療に精通した人材の育成確保をしていくことも必要と認識をしております。
これらの課題を踏まえながら、引き続き船舶活用医療提供体制の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
いしいともえ議員
ありがとうございました。大規模災害時はやはり余震とかまた津波がまた起きるかもしれないということで、安全な場所にまた移動をすることも想定をしないといけないという風に思います。被災地以外で受け入れの自治体をどのように確保するのかといったこと、そことの連携についても検討していく必要があるという風に思います。
また医薬品とかは、現段階では医療チームが用意するという他に、被災自治体が手配するという風になっておりまして、ただでさえこの陸の災害救援で大変な中でその負担も大きくなるという風に思っております。
被災していない自治体からの応援も必ず必要だと思いますので、その連携についてはやはり国が主導していく必要があると思いますので、国としての支援を是非よろしくお願いしたいと思います。

民間船舶を病院船として活用する場合の課題は
いしいともえ議員
資料1にあります通り、現在、日本の病院船については法律では国が独自で医療船を保有するという風に書かれておりますけれども、当面は今使っている民間の船舶、大型フェリーを借りて対応することになっております。果たして災害時にそれが迅速に使えるかということが重要な課題になってくると思います。
当面の間は民間船舶を活用していく上で、協定を結ぶことになると思いますが、やはり使用する機材の運搬、そして船内で使用可能なエリアをどうするのかなど、現在どのような課題、そして想定をして活用していくのか教えていただけますでしょうか。
鎌原内閣官房内閣審議官
お答え申し上げます。船舶の確保につきましては、今委員ご指摘の通り、本年3月に閣議決定をされました整備推進計画におきまして、船舶を保有するまでの当面の間は民間の船舶事業者の協力に基づき、民間の既存船舶を活用するという風にされてございます。
現在、複数の民間カーフェリーと協定締結に向けて協議を行っているところでありますが、発災時に円滑に使えるよう、日頃から船舶活用医療への理解を深めていただくとともに、使用する可能性のある船舶を活用した訓練などを通じまして、医療従事者が船舶の構造や特徴に慣れておくことが必要と考えております。
また、発災時には航路や港湾の安全性の確認など、十分な調整を行った上で派遣要請を行う必要があると考えてございます。引き続き民間カーフェリー事業者と十分に協議調整を行いまして、より実効性の高い船舶活用医療活動となるよう体制整備を進めて参りたいと考えております。以上です。
いしいともえ議員
ありがとうございます。お借りするにあたっては協定を結んでいくことになると思いますけども、やはり大規模災害は長期になることを予想して、民間事業者との契約、あらゆる想定をしていかなければならないという風に思います。
アメリカのマーシー号のように国の保有の病院船があれば、やはり設備も充実してより高度な医療ができるという風に思います。予算かかると思いますが、人の命がかかっている問題でありますので、この国の保有の病院船についての導入も同時進行で是非進めていただきますように、よろしくお願いいたします。

流域治水対策、防災のデジタル化への国の後押しは
いしいともえ議員
続いて、豪雨災害などからの流域治水対策のデジタル活用についてお伺いをいたします。愛媛県では西日本豪雨災害によって川が氾濫して、町全体が浸水して大きな被害に遭いました。今治市では県内で初めて、企業と共同でAIによる監視システムを開発して、AIが24時間365日対象地域の水位を監視して、深夜帯やまた天候の急変時においても1時間後の水位を予測して、システムから関係者に通知できるようにしております。
それによって治水対策の負担が軽減でき、さらに初動への準備期間を確保することができるようになったということであります。まさにこの予測の精度、そしてまたスピードは命を守る鍵となるという風に思っております。
デジタルを活用した防災対策については、どの自治体も凌ぎを削って、独自で開発をして、また導入に向けて取り組んでいるところでありますので、さらに国の後押しを期待しているところであります。
国土強靭化に向けて防災のデジタル化、牧野大臣のご見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
牧野国務大臣
いしい議員にお答えをいたします。今ご指摘のように、インフラ整備、また管理のための担い手不足に対応するためには、デジタルとAIといった技術の活用は重要であると考えております。
本年6月に策定した第1次国土強靭化実施中期計画におきましても、デジタル等の新技術の活用による国土強靭化政策の高度化を施策の柱に位置づけるとともに、最先端のデジタル等の新技術を活用した線状降水帯、台風などの予測精度のさらなる向上、また河川情報の充実、さらには一元的な情報収集提供の整備といった施策を位置づけております。
引き続き最先端のデジタル、またAIの技術を活用して、国土強靭化の取り組みを着実に推進してまいります。以上です。
いしいともえ議員
ありがとうございます。防災におけるAIの活用、国民の命を守ることになると思いますので、是非また進めていただきたいと、よろしくお願いいたします。

流域治水における省人化への取り組みは
いしいともえ議員
次に、流域治水におけるデジタル化についてまたお伺いいたします。資料2をご覧ください。島根県美郷町ではAIを活用して堤防の水門を遠隔で操作させて、自動で開閉する実証実験が行われております。
大雨の時には川の増水を防ぐために水門の開閉を行っていきますけれども、これまで人が手動で行っていたために危険を伴いました。東日本大震災の時には水門を閉める作業で多くの消防団員が犠牲になってしまいました。
今は自動で開閉できるオートゲートも普及をしてきております。資料3をご覧ください。こちらに国交省のデジタル化に向けた取り組みが示されております。災害の時には避難を呼びかけるために危険箇所に行って命を落としてしまっていた方もいらっしゃいました。
また、人口減少が著しく、高齢化が進んでいる地方においては、大規模災害から住民を守るためには人の力をできるだけ最小限にして効率良い対策を行っていかなければなりません。
そこで、国交省にお伺いいたします。流域治水におけるこの省人化、人がいなくてもできる防災対策、現在の取り組み、どのように実現していくのか教えていただけますでしょうか。

林国土交通省水管理・国土保全局長
お答えいたします。気候変動による水災害リスクが高まる中、人口減少や少子高齢化のさらなる進展など社会情勢が大きく変化しており、デジタルをはじめとする様々な技術を活用した流域治水の推進、省人化、高度化を進めることが重要であると考えてございます。
このため、例えば小規模な樋管・樋門について、省人化、高度化の観点から水位差を活用して自動的にゲートが開閉するフラップゲートへの切り替えを進めています。さらに、委員ご指摘のように、デジタル技術を活用した樋管の開閉操作の自動化について、AIの活用含め、検討を進めているところでございます。
この他、樋管・樋門以外についての取り組みも進めてございます。例えば流域の様々なデータを日常業務や災害業務において、効果的に利活用できるよう、データを一元的に管理共有化する情報基盤、プラットフォームの構築を進めてございます。
また、データや情報の取得を自動化、効率化するため、衛星(聞き取れず)などを活用した災害情報の把握、このような取り組みを進めてございます。国民の安全安心を確保するため、引き続き積極的にデジタル技術を活用し、流域治水を推進してまいります。
いしいともえ議員
ありがとうございました。以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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