見出し画像

7/8奥村よしひろ議員質疑:実質賃金は3年連続マイナス、税収は5年連続過去最高

2026.7.8 国民民主党奥村よしひろ議員 本会議(令和6年度決算案についての討論)全文文字起こし

▼本記事は下記動画のうち、奥村よしひろ議員の質問部分について文字起こしをしたものです。

国民民主党・新緑風会の奥村よしひろです。私は会派を代表し、ただいま議題となりました内閣に対する警告決議に賛成、令和六年度一般会計歳入歳出決議ほか二案に反対の立場から討論いたします。

討論に先立ち、昨今の国会情勢について一言申し上げます。 昨日まで各種報道では、野党の「審議拒否」の文字が踊っていました。果たして事実なのでしょうか。これまで野党は、継続して集中審議と党首討論を求めてきました。これは国対間の協議で合意されたものであり、野党側が唐突に言い出したものでもなければ、無理難題を要求しているものでもありません。我々野党は、ルールを守る国会を取り戻したいのです。与野党の合意を反故にするのはなぜでしょうか。答弁拒否の説明責任は総理にあります。

先般の決算委員会でも、総理は「国会からの要請があれば誠実に対応する」旨、ご答弁がありました。我々野党は何十回も要請してきました。仮に総理の耳に届いていなかったとすれば、誰かが情報を伝えていなかったのではないでしょうか。与党の中で情報の目詰まりが起きていたのでしょうか。

国民が求めているのは、数の力で押し切る与党でも、審議拒否する野党でも、ましてや答弁拒否する総理でもありません。ただ一つ、熟議を尽くす国会です。対話を諦めた瞬間に、民主主義は音を立てて崩れ落ちるのではないのでしょうか。

国民民主党はルールを守り、必要な議論を重ねる国会を取り戻すために、力を尽くすことを申し上げ、討論に入ります。

まず、我が会派は令和六年度政府予算案に対し、賃上げの気運を中小企業や非正規雇用労働者、地方に波及させる内容になっていないこと、子ども・子育て支援金制度の導入によって現役世代の負担が増えること、能登半島地震の復旧・復興支援に必要な予算が盛り込まれていないことから反対をいたしました。では実際、令和6年度に何が生じ、決算から見て何が問題だったのか、以下指摘します。

令和6年、2024年は、いわゆる自民党の裏金問題への対応から始まった1年でした。進めるべき審議が進まず、予算委員会においても、失われた政治への信頼回復のために、多くの時間を費やす必要がありました。そのような環境下で成立した令和六年度当初予算は、112兆円を超える大規模なものでした。このお金は適切に使われたのでしょうか。

第一に、手取りを増やすという観点から申し上げます。
連合の発表によれば、2024年の春季労使交渉における平均賃上げ率は5.1%と、33年ぶりに5%を上回り、賃上げの気運は確かに高まりました。しかし、組合員数300人未満の中小組合では4.45%と5%を下回り、我が党が再三指摘してきました中小企業の価格転嫁への働きかけも不十分なままでした。

当時の岸田内閣は、2024年中に物価上昇を上回る所得を実現すると約束しました。結果はどうであったか。実質賃金は前年比0.2%の減少、3年連続のマイナスでした。その一方で、歳入決算額は135.9兆円、うち税収は75.2兆円と5年連続で過去最高を更新し、補正後予算からもなお1兆8,000億円上振れました。その少なからぬ部分は、物価上昇に伴う消費税収の増加と、名目賃金の上昇で所得税の負担が実質的に重くなる、いわばインフレによる自動増税によるものです。実質賃金が目減りし、人々の生活が苦しくなる中で、国だけが一人勝ちの状況でした。税収増の果実は、納税者である国民に還元されるべきではなかったのでしょうか。

政府も還元を口にしました。それが定額減税です。当時の岸田内閣は、デフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンスとして、定額減税で可処分所得を増やすと説明しました。しかし、定額減税と関連給付で総額5兆円を超える財源を投じながらも、政府からは未だその効果検証が聞こえてきません。専門家による試算では、GDPの押し上げ効果は0.2兆円から0.5兆円程度とされるものもあり、投じた金額に対して効果は限定的でした。

何より、あれから2年が経った今なお、政府はデフレ脱却を宣言できておりません。物価が上がり続けている中でデフレ脱却を宣言できていないのは、持続的な賃上げと消費の好循環が実現していない証左であります。当時から我々国民民主党が求めていたトリガー条項の凍結解除や年収の壁対策は先送りにされ続け、その結果、消費は喚起されず、景気が上向くこともありませんでした。必要であったのは、1年限りの刹那的な減税という「点」の施策ではなく、基礎控除の引き上げをはじめとする恒久的な減税という「線」の施策ではなかったのでしょうか。

第二に、人づくりこそ国づくりの観点から申し上げます。
政府は異次元の少子化対策と銘打ち、こども未来戦略を策定しました。しかし、2023年に72万7,000人余りであった出生数は、2024年には68万6,000人余りと過去最小をさらに更新しました。政策効果の発現に時間を要することは百も承知ですが、問題は結果ではなく制度設計そのものにあります。少子化の根本原因は、手取りが増えず、将来が不安で、結婚や子育てに踏み切れないという、若い世代の経済的基盤の脆弱さにあります。にもかかわらず、子ども・子育て支援金制度は、子育て支援の名のもとに、その現役世代の手取りをさらに削るものです。これが本当に異次元だったと言えるのでしょうか。仮に異次元だったとするならば、出生数が減り続ける今、現体制下ではもはやこれ以上の打つ手がないことを、政府自らが証明することになりはしないでしょうか。私たちがかねてから訴えてきた教育国債の発行による教育・科学技術予算の倍増をはじめ、真に必要な「人への投資」が行われるべきではなかったのでしょうか。

第三に、自分の国は自分で守るという観点から申し上げます。
厳しさを増す安全保障環境において、防衛費の一定の増大は必要であると認識しています。だからこそ、その執行の質が厳しく問われなければなりません。会計検査院の報告によれば、周辺海域で外国の潜水艦や不審船を監視する海上自衛隊のP-1哨戒機は、エンジンや電子機器の不具合、交換部品の調達遅延により、稼働が低調であり、他の機体から部品を取り外して修理に充てる、いわゆる共食い整備まで行われていました。1兆7,000億円を超える国費が投じられてきたP-1の稼働が低調であったということは、そもそも必要以上に調達されていたのか、あるいは我が国の警戒監視体制に穴が空いていたのか、そのどちらかであります。陸上自衛隊が調達した災害用ドローンが、5年間一度も使われないままであった事態も同様です。

防衛分野に限らず、令和六年度決算検査報告全体で掲記された指摘は319件、金額にして540億円を超えました。復旧・復興が今だ道半ばの能登の被災地を思うとき、1円の無駄も許されるものではありません。果たして、その税金はどこから来たのか。紛れもなくそれは国民の負担であることを、政府は強く認識する必要があるのではないでしょうか。

現役世代の暮らしは日々追い詰められています。税金と社会保険料に手取りを削られ、働けど働けど貯蓄に回すお金が残らない。貯蓄がないから今が不安、将来はもっと不安。そうした不安を打ち消すために政治がなすべきは、さらなる賃上げの促進、そして手取りを増やす政策ではないでしょうか。今こそ現役世代、生活者、納税者、働くもののための政治を行い、将来不安を一つでも減らしていこうではありませんか。

令和六年度は、新しい資本主義、異次元の少子化対策と銘打って掲げられた目標の崇高さに比べて、実際の効果はあまりに限定的であり、現役世代の不安に向き合うものには到底なっていませんでした。以上から、令和六年度決算を是認することはできません。

我々国民民主党は、決算の参議院としての役割を果たすべく、これからも対決より解決の姿勢で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私からの反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。


奥村よしひろ(奥村祥大)議員紹介

ビジネスとAIの知見を持つデジタル世代の旗手

東京都選挙区選出の奥村議員は、早稲田大学卒業後、KDDIやAI系スタートアップでキャリアを積み、スペインのビジネススクールでMBAも取得した「デジタル・ビジネスの専門家」です。政治の道を志した原点は、頑張る若者や現役世代が報われない現状への強い危機感。自身も奨学金を利用して進学した経験から、教育負担の軽減や現役世代の「手取りを増やす」政策に並々ならぬ情熱を注いでいます。確かなビジネス感覚を武器に、今の時代に合った新しい経済・社会システムの構築に挑む、爽やかな情熱家です。

いいなと思ったら応援しよう!

国民民主党の文字起こしをする鶴亀(非公式) できることなら毎日1つ大福を食べながら、文字起こしをしたいなぁ。