万里の長城でマラソンしてきたらめちゃくちゃ楽しかった
tmhです。中国に留学しています。
先週末、北京で万里の長城マラソンというものに参加してきました。
文字通り万里の長城の上を走るマラソンなのですが、これがめちゃくちゃ楽しかったので、勝手にレポート記事を書いていきたいと思います。
なお、公式のレポートはこちらから読めます。
参加を決めるまで
万里の長城マラソンなるものの存在を知ったのは、SNSで見かけた他の中国留学中の方の春大会に参加したという投稿でした。
万里の長城を走るというだけで面白そうなのに、開催地は観光地としてはマイナーで人のいない長城、フルマラソンだけでなく5kmや10kmの参加でもOK、さらに日本事務局がサポートしてくれるとなれば、マラソンなんてやったことないのに行ってみたい気持ちがむくむくと湧き上がってきました。
そして、万里の長城を走るなんて一生に一度の経験、しかもたまたま中国にいるんだし行くっきゃない!ということでその場で秋大会への参加を決定。5kmと10kmで迷ったのですが、せっかくだから少しはマラソンっぽいことをしてみるかくらいの気持ちで10kmに申し込みました。
なお、私はドのつく文化系でマラソンなんて走ったことがないどころか日常生活での運動習慣は皆無。人生で一番長く走ったのはおそらく高校のときのロードレース大会(4km)です。
普通ならマラソンなんて絶対やらないのですが、この大会は距離にかかわらず制限時間は10時間。私が見た投稿をされていた方はたっぷり写真を撮りながら5時間かけて5kmを走った(歩いた?)と書かれていたので、時速1kmでもいいならまぁいけるっしょ!ぐらいのテンションで申し込みました。
当時同じ大学に留学していた日本人の知人にも秋に万里の長城にマラソンしに行くんすよ~~と話していたらなんと二人が一緒に来てくれることに。ワクワクしながら当日を待ちました。
マラソン当日
マラソン当日の二日前には北京入りし、二日かけて天安門や故宮や盧溝橋など観光を楽しみました。前日の夜には日本人参加者での交流会があり、北京ダックをはじめとする中華料理を楽しみました。日本人参加者は20人程度とのことで、海外マラソンを何度も経験しておりフルマラソンを走るという猛者から私たちのようなエンジョイ勢まで幅広くいます。マラソン初めて!といったらびっくりされたのでマラソンってほんとはこんなに軽率に参加するものではないのかもしれません。

当日は朝5:15集合。会場まで移動するバスは5:30に出発し遅刻者はおいて行かれるとのことで早く寝なければいけなかったのに、おしゃべりに興じてしまい結局寝たのは日付が変わるころでした。
幸い目覚ましのおかげで4:30には目覚めたので、ゆっくり準備をして集合場所に向かいました。秋の夜空にオリオン座が美しかったです。
集合場所で友人1人と合流し、もう一人がいつまでたってもこないな~と心配していたら案の定二度寝していました。バスも少し待ってくれてギリギリで間に合ったので本当によかったです。
スタート地点まではうつらうつらしながらバスに揺られて一時間半程度。着いたのは北京市と隣の張家口市の境界あたりのエリアで、天気はよかったものの標高が高いこともあり気温は一桁でした。
寒い寒いと連呼しながら荷物を置いてスタートを待ちます。私たちエンジョイ勢が配られたナップザックを背負っているのに対し、ガチ勢の人は走る専用のウエストポーチとかバッグとか背負っていて、服装からでも気合の差が明らかで面白かったです。
みんなでウォーミングアップのダンス?体操?をしたり、きれいなお姉さんによるダンスパフォーマンスがあったりして、既定の時間より15分以上は遅れてスタートしました。

万里の長城マラソンとはいえスタートした瞬間からいきなり長城の上を走るわけではなく、まず万里の長城に登る山道の入り口まで舗装路を走り、そこから山道を登り(トレイルランニングというらしいです)、やっと万里の長城にたどり着く、という流れになります。
(※これは10kmの話であり、5kmだと舗装路フェーズがなくなり、ハーフマラソン・フルマラソンだとさらにコースは複雑になります)
つまり片道2.5kmくらいは舗装路を走ることになるわけですが、普段運動をしないことに定評のある私はここを走っている時点できつくなり「あれ……?なんで金払ってこんなとこまで苦しい思いしにきてるんだ……?」と虚無に囚われかけていました。一緒に走っていた友人は私よりは体力があるので私が疲れているのを見かねてスピードを落としてくれるなど配慮してくれてありがたかったです。
そんなこんなでもなんとか山道の入り口までたどり着き、いざ万里の長城を目指して山を登り始めました。
登り始めたのはいいのですが、この山道がマジの山道でした。勝手に高尾山くらいのものを想像していたのですが、実際は人一人しか通れない曲がりくねった獣道かつ両脇には木々が生い茂っていて視界は阻まれ、前にも後ろにも人の気配が感じられません。一人だったら泣いてたと思います。
普通に登山の気持ちでえっちらおっちら上を目指しながら「これを……走る……とは??」などと思っていたら、上から欧米系の彫りの深いお兄さんが猛スピードで駆けおりてきました。地上の私の全力疾走よりも早いんじゃないかくらいのスピードに、これがトレイルランニングかと深く納得しました。

そんなこんなでなんとか山を登りきると、目の前にははるか上に見えていた万里の長城の壁が!ちょっと耐久性が心配になる梯子を使って城壁の上に上がれば、そこはもう絶景と呼ぶしかない景色が広がっていました。
真っ青な空、どこまでも続くかにみえる長城、眼下には先ほど登ってきた山。舗装路の時点で参加を後悔しかけていた私ですが、これが見れた時点で走った疲れも山道の苦労も吹っ飛びました(実際にはここまで4kmも走っていないのですが)

もっと北京に近い、観光地化されている長城には以前行ったことがあるのですが、そこと比べると人の数がまったく違います。観光客が「万里の長城」として訪れるのは一般的に八達嶺長城か慕田峪長城のどちらかなのですが、そもそも長城というのは中原を異民族の侵攻から守るために当時の国境に作られた長い長い城壁なので、観光地として知られている部分以外にも長城はたくさんあり、今回走るのもその知られていない長城なのです。
ということで、長城の上を折り返し地点まで走り(歩き)始めたわけですが、ランナーと多少の中国人トレッキング客以外ほぼ人のいない長城です。つまり写真が撮り放題!360度どちらを向いても絶景なので、長い階段(かなり急で怖い)を登りきるたびに友達と撮影大会をやっていました。

歩いたり走ったり歩いたり歩いたり歩いたりしながら折り返し地点までたどり着き、到着の証の輪ゴムを手に入れます。実は長城の上は風もかなり強く、手袋をしていなかった手は冷え切っておまけにお腹も空いていたのですが、途中他のランナーの方とすれ違うたびに手を振ったり加油!と励まし合ったりするのも楽しく、このときには完全にマラソンって楽しいな~~~!のテンションになっていました(ほぼ走っていないというのはさておき)
多くの場合帰りは行きより早く感じられるもので、楽しく歩いていたらあっという間に長城の入り口まで戻ってきてしまいました。この時点で予定よりだいぶ時間に余裕があったこともあり、自分のコースとは逆側のフルマラソンの人だけが走る長城を覗きにいったあと、再び山道を下り始めました。ほぼ人と会わなかった行きとは打って変わって帰りはフルマラソンの人が下からどんどん登ってきました。フルマラソンのコースは複雑すぎてよくわかりませんが、おそらく私たちの3倍くらいのスピードで走っているのでしょう。もう少しでご飯が食べられる~~とうきうきで山を下って、とうとう山道の入り口まで戻ってきました。

あまりに走っている気配がなかったせいか下で待っていた運営の人にもう車乗って戻るか?と二回くらい確認されましたが、ここまで来たんだから最後まで走りきったる!という謎のやる気(三回目ですがこいつはルートのほとんどを歩いています)が出てきて、自分の足でゴール地点を目指します。
もとより記録など目指していないので歩いても走っても一緒なのですが、最後くらいマラソン気分を味わうか!ということになり、最後の1kmくらいだけ真剣にマラソンをやりました。心なしか歩いているときに比べてすれ違う人からもおおこいつら頑張ってんな~みたいなリアクションをもらうようになり、ゴール前ではすでにゴールしたと思しき欧米系男性二人が拍手とともにcongratulations!と言ってくれました。嬉しい。
結果、約4時間でゴール。スピードはともかく、10kmを最初から最後まで自分の足で走り(歩き)抜きました。想定では5時間でゴールできれば御の字くらいに思っていたので、思っていたよりだいぶ良い結果です。
そしてこのマラソン、1~3位の表彰とは別に、走り終わった人全員に記念メダルをくれるんです!ゴールしてはぁはぁ言っていた私たちのところにも係のお姉さんがやってきてメダルをかけてくれて、ステージの上で写真を撮ってくれました。写真の通りかなり重厚でかっこいいメダルで、気分は優勝者です(?)

ゴール地点にはパンや果物もたくさん用意されていて、疲れた体に染みました。ゴール後は各距離ごとに表彰式がありつつ、まとまった人数が集まったらバスで逐次北京市内に戻れます。私たちも午後4時ごろに市内に戻り、ホテルで北京名物炸酱麵をデリバリーして食べました。
私は翌日に授業があったのでその日の夜には戻らなければならなかったのですが、夜には日本人参加者での打ち上げ、翌日は無料での北京観光もあるとのことでした。

ということで、軽いノリで参加した万里の長城マラソンが楽しすぎたので勝手にレポート記事を書いてきました。
完全に私の所感ですが、万里の長城走るとか面白そう!くらいのエンジョイ勢からフルマラソン何回も走ってますみたいな強者までそれぞれ楽しめる大会なのではないかと思います。参加者がトータルでも200人いないこともあり、手作り感のある雰囲気も楽しかったです。マラソンは初めてでしたが、名前も知らない人にも、出身国も言語も関係なく一緒にマラソンを走る仲間として手を振り合い励まし合うあったかい雰囲気もマラソンの魅力なのかなと思いました。
さすがにこれでマラソンに目覚めた!とまではいきませんが、観光マラソンの楽しさは知れたので、これからも機会があればビギナー向けコースなど参加してみたいなと思います。もちろん万里の長城マラソンにもまた参加したいです!とりあえずはあまりに体力がなさすぎるのでもう少し普段から運動するところからですが……
来年春の募集も早速始まっているようです。かけがえのない経験になること間違いなしなのでぜひ!
