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古い組織でAI導入の稟議をどう通すか。57歳非エンジニアSVが現場で戦う「2つの実物提案書」

4月7日、ちょっとしたことが起きた。

paiza会長の片山良平さんがnoteに書かれた「売って稼ぐAIエージェントの到来:Sierraの歩合報酬モデル」という記事。AIエージェントが顧客対応を完遂し、成果報酬で課金される時代が来ている、という内容だ。僕はこの記事のリファラル記事を書いた。「成果報酬で動くAIエージェントと、稟議が止まる日本の現場──57歳SVの最前線」というタイトルで。

ありがたいことに、筆者の片山さんご本人からスキとフォローをいただいた。自分が書いた「現場視点の補助線」が、原著者の方に届いた。それは素直に嬉しかった。

ただ、現実はそこで終わらない。

翌朝、出社した僕が最初にやったことは何か。

スマートフォンのアラームを手で止めることだった。


スマホが1日10回鳴る職場

僕は業務委託のコールセンターでSV(スーパーバイザー)をやっている。57歳。約30名のオペレーターと約60のクライアント案件を抱えている。365日24時間稼働だ。

数十あるクライアントにはそれぞれ〆時間がある。8時45分、9時、10時、11時30分……。その都度、会社支給のスマホにセットしたアラームがジリジリと鳴る。平日は1日10回。土日祝は2回。気づいた人間がアラームを止めて、〆作業に取りかかる。

2026年4月のことである。

AIエージェントが電話対応を70%代替する世界と、スマホのアラームを手動で止める世界。この2つは同じ時間軸の上にある。片方がネットの中の現実で、もう片方が僕の足元の現実だ。


切られた有料ID

もうひとつ、泥臭い話がある。

昨年度、僕は自腹で検証を重ねたうえで、Microsoft 365 Copilotの有料IDを会社に申請して導入した。研修用のQAデータ作成において、手作業で数十時間かかる工程をCopilotで約71%削減した。ROIは800%を超えた。

ところが、そのIDが3月31日をもって切れた。

マイクロソフト社との契約期間が年度末で終了する予定だったのだ。事前に延長を申し入れたが、「延長」はできず「再申請」という扱いになった。

どれだけ成果を出しても、年度が変われば権限はゼロに戻る。日本の大企業で働いたことがある人なら、この感覚はわかると思う。成果は成果。でも予算は予算。手続きは手続き。それぞれが別のレールの上を走っている。


今日、GMに提出した2つの武器

ここからが本題だ。

僕はこの2つの問題に対して、それぞれ「提案書」と「再申請レポート」を書いて、上司であるGMに提出した。

1つ目は、スマホのアラーム運用をTeamsの自動通知に置き換える「Teams移行提案書」。

2つ目は、切られたCopilotのIDを4月以降も使い続けるための「再申請レポート」。

どちらも、技術力で突破したわけじゃない。僕はエンジニアではない。コードも書けない。

じゃあ何で突破したのか。

「上司がハンコを押しやすい言い訳を、あらかじめ用意した」のだ。

この2つの資料には、ITスキルではなく、日本の大企業で稟議を通すための泥臭いハック──僕は冗談で「黒魔術」と呼んでいる──が詰まっている。

有料エリアでは、この2つの実物資料と、そこに仕込んだ「意図」の解説を公開する。

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