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#54【老けた後ろ姿】に絶望した日の処方箋|肩甲骨を本来の場所へ引き戻す 前編

【第54回】8月12日(水)配信分:学習回

今まさに前のめりで必死に頑張りすぎているあなたへ。

10年先、20年先も若々しく動ける体を作るための、簡単な運動を「科学の裏付け(エビデンス)」と共にお届けします!

「あれ、このおばさん、誰?……」

仕事の帰り道、ふと街のショーウィンドウに映った自分の姿に、心臓がドクンと跳ねた。

首は前に突き出て、肩は内側に丸まり、背中はまるで重い荷物を背負っているかのように丸い。何より、後ろ姿から漂う「圧倒的なお疲れ感」と「老け見え」。

……私だ。

慌てて背筋を伸ばしてみるけれど、なんだか不自然で、3秒後にはまた元の丸い背中に戻ってしまう。

「今日もあれやって、これやって、明日の準備もして……」

毎日、頭の中のタスクリストを消化するために、文字通り「前のめり」に生きてきた。家族のため、仕事のため、周囲のために120%の力で駆け抜けてきたはずなのに。

その頑張りの代償が、この「老けた後ろ姿」なのだとしたら、あまりにも悲しすぎる。「もう年だから仕方ないのかな……」と、あきらめていませんか。あなたが猫背になってしまうのは、美意識が低いからでも、サボっているからでもありません。むしろ逆で、日々を全力でがんばりすぎてきた証拠なのです。

猫背が気になっている方に、ぜひお勧めしたいのが今回の運動です。

今日のフォーカスは「肩甲骨」です。

猫背のとき、あなたの肩甲骨は外側に開きっぱなしになり、周囲の筋肉が「伸びきった輪ゴム」のようにフニャフニャになっています。土台である肩甲骨が正しい位置からズレているため、いくら意識だけで姿勢を良くしようとしても、脳と筋肉が拒絶して長続きしないのです。

キーワードは「肩甲骨を本来の場所へ引き戻す」です。

なぜ、全力で毎日を駆け抜ける世代ほど、背中が丸くなりやすいのでしょうか。原因は大きく分けて2つあります。1つは更年期による女性ホルモン低下と筋肉の連動。もう1つはストレス。

① 更年期による女性ホルモン低下と筋肉の連動

日本の研究では、40代・50代の閉経前後にかけて女性ホルモン(エストロゲン=肌や骨、筋肉のハリを保ってくれるホルモン)が急激に減少することが報告されています。エストロゲンには骨や筋肉の質を保つ働きがあるため、これが減ると背筋や体幹のインナーマッスルが自然と弱化し、重力に抗えなくなります。骨盤が後ろに倒れ(骨盤後傾)、それに連動して背骨全体がC字型に曲がっていくのが、この年代特有のメカニズムです。

② ストレスによる自律神経の乱れと「戦闘モードの巻き肩」

日々多くのタスクに追われて緊張状態が続くと、自律神経は「交感神経」が優位になります。人間はストレスを感じると、無意識に心臓を守ろうとする防御本能が働き、肩が内側に入り込む「巻き肩」の姿勢をとることが分かっています。胸の筋肉(大胸筋)がガチガチに縮こまるため、結果として背中側の筋肉が常に引っ張られ、慢性的な猫背が完成してしまうのです。

【1秒図解:全力世代の猫背ループ】

明日は、日常のあらゆる場面で一石三鳥の効果が期待できる具体的な運動をお届けします。

5分健康室
10年前の自分を思い出しながら、今日の自分をそっとアップデート。

忙しくて今日は無理、という日は、この記事を読み返すだけでも大丈夫です。肩甲骨は、ちゃんと覚えています。

【出典】

出典1『更年期女性における姿勢変化と運動療法の効果に関する検討』日本女性医学学会雑誌(2021年)概要: 閉経前後の女性におけるエストロゲンの低下が、骨密度および背部筋力(抗重力筋)に与える影響を調査。肩甲骨周囲のアプローチが、円背(猫背)の進行抑制とQOL向上に有効であることを示している。

出典2 『精神的ストレス負荷時における頭頸部・肩甲帯の筋活動および姿勢の変化』J-STAGE公表・理学療法科学(2020年)概要: VDT作業(PC作業等)中に精神的ストレスが加わることで、交感神経が優位になり、無意識に僧帽筋や大胸筋が緊張して巻き肩・猫背姿勢が増強されるメカニズムを筋電図にて実証している。

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