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うちの父親がAIより先にAIだった話

先日、父親に聞かれた。

「ChatGPTってなんね?」

説明するのが面倒だったので、

「質問したら何でも答えてくれる賢いAIよ」

とだけ伝えた。

すると父親は少し考えて言った。

「ほう。ワシみたいなもんか。」

違う。

全然違う。

そう思ったが、面倒なので流した。

すると翌日。

父親が近所のおじさん達にこう言っていた。

「ワシ、最近AIに似とるらしか。」

いや違う。

全然違う。

数日後。

母親から電話があった。

「お父さんが変なこと始めた。」

嫌な予感しかしない。

実家に帰ると、父親の部屋の前に紙が貼ってあった。

【AI相談室】

営業時間
朝8時〜夜8時

相談料
みかん1個

終わっていた。

しかしもっと終わっていたのは、近所の人が本当に相談に来ていたことだった。

「トマト植えるならいつがいいですか?」

「今やな。」

「犬が言うこと聞かん。」

「犬にも都合がある。」

「宝くじ当たりますか?」

「知らん。」

回答の精度が低い。

なのに相談者はみんな満足して帰る。

ある日、小学生が相談に来た。

「将来何になればいいですか?」

父親は少し考えて言った。

「腹いっぱい飯が食える仕事。」

少年は深くうなずいて帰った。

数週間後。

相談室は地域で有名になった。

そして父親は自信満々に言った。

「どうや。AIに勝っとるやろ。」

たしかに。

正確さは負けている。

知識量も負けている。

でも、

相談に来る人の数は増えていた。

たぶん人は、

正しい答えよりも、

誰かに話を聞いてほしい時があるのだと思う。

ちなみに現在の相談料は、

みかん1個から、

キャベツ半玉に値上がりしている。

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