北海道大学 サイエンスコミュニケータ養成講座 CoStep 選科B モジュール1-2を受講して
CoStep 22期生の伊尾木です。
今回オンラインでモジュール1-2 宇宙飛行士であり日本科学未来館館長の毛利衛さんの講義を視聴しました。
CoStepとは?
講義の最初に毛利先生から、「自分はCoSTEPの授業をなにゆえに学ぶのか?」と問いがありました。
(以下、私の回答)
私は、AIやコンピュータ、ネットワーク、IoTなどの技術に長く関わってきた一方で、それを社会の中でどう伝え、どう受け止めてもらうかについては、まだ十分に言葉にできていないと感じている。
科学技術は専門家だけのものではなく、生活や仕事、地域、未来の選択に深く関わっている。
だからこそCoSTEPで学ぶ意味は、知識を増やすことだけではなく、自分の技術経験を社会と接続し、より多くの人と未来を考えるための言葉を獲得することにあるのだと思っている。
今回の講義で特に印象に残ったのは、冒頭で毛利先生が投げかけた「自分はCoSTEPの授業をなにゆえに学ぶのか?」という問いだった。
この問いは、単に講義を受ける理由を確認するものではなく、自分の仕事や人生が、科学技術や社会の未来とどのようにつながっているのかを考える入口だったように感じた。
講義では、20世紀から21世紀にかけて、科学技術が人間の世界認識を大きく変えてきたことが示された。
20世紀には、宇宙から地球全体を見ることができるようになり、インターネットによって個人と社会全体が瞬時につながるようになった。
21世紀には、ゲノムによって生命の基盤への理解が進み、さらにAIやサイボーグのような「超現実」「超人間」とも向き合う時代になっている。
世界人口の急増、日本の人口減少、生物多様性の急減、人類発展の限界といった課題も挙げられていた。
その中で示された重要なキーワードが、Big Picture と Think Ahead だった。
Big Picture とは、目の前の技術や専門分野だけを見るのではなく、地球環境、生命、社会、文化、AI、人間の未来までを含めた大きな構図で考えることだと受け止めた。
一方、Think Ahead は、現在の科学技術が将来どのような影響を及ぼすのかを先回りして考え、未来に備える姿勢だと理解した。
私はこれまで、ITエンジニアとしてネットワークやインフラなど、比較的具体的で実務的な技術に関わってきた。
その経験の中では、技術を「正しく動かすこと」や「問題を解決すること」が中心になりがちだった。
しかし今回の講義を通じて、科学技術コミュニケーションでは、技術そのものの説明だけでなく、その技術が社会や人々の生活、未来の選択にどう関わるのかを考える必要があると感じた。
ゴーギャンの問い「我々はどこから来て、何者なのか、どこへ行こうとしているのか?」も、講義全体を象徴しているように感じた。
科学技術コミュニケーションは、単に新しい技術をわかりやすく説明する活動ではなく、人間とは何か、社会はどこへ向かうのかを考える営みでもあるのだと思う。

さらに、「未来智 The Global Wisdom」や「総合智 Integrated Wisdom」という考え方からは、科学技術を単独の知識としてではなく、宇宙、地球、生命、社会、文化、AIとのつながりの中で捉える必要があることを学んだ。
持続可能な社会を実現するためには、科学、技術、教育、メディア、企業、芸術など、さまざまな知を結びつけることが求められる。
今回の講義を通じて、私がCoSTEPで学ぶ理由は、専門知識を増やすことだけではないと感じた。
自分が関わってきたITやAI、IoTなどの技術を、より大きな社会の文脈の中で捉え直し、それを専門外の人にも伝わる言葉にしていくこと。
そして、現在の技術が未来にどのような影響を持つのかを考えながら、社会との接点をつくっていくこと。
そのために、Big Picture を持ち、Think Ahead する姿勢を身につけていきたい。
