運転できると思っていた。
小学生の頃。
大人になったら車を運転すると思っていた。
みんながそうするように。
僕もそうなると思っていた。
将来の夢を考える時も。
大人になった自分を想像する時も。
車を運転できない未来なんて考えたこともなかった。
てんかんはあった。
病院にも通っていた。
薬も飲んでいた。
でも、
子どもだった僕はそこまで考えていなかった。
免許が取れないかもしれない。
そんなことは知らなかった。
大人になれば働く。
車を運転する。
結婚する。
そんな普通の未来を想像していた。
だから、
運転できなくなるかもしれないなんて思っていなかった。
ただ、
みんなと同じように大人になると思っていた。
普通に。
当たり前に。
それだけだった。
でも、
現実は違った。
20歳で免許を取得した。
ずっと憧れていた運転ができるようになった。
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
だけど、
22歳の時。
発作が起きた。
そして、
免許を返納した。
小学生の頃に思い描いていた未来とは少し違っていた。
それでも、
あの頃の僕は信じていた。
大人になったら運転できる。
みんなと同じように。
普通に。
それだけだった。
