保健室の先生だけは知っていた。
保健室の先生だけは知っていた。
僕がてんかん持ちだということを。
小学校の頃。
友達にもてんかんのことは話していた。
隠していたわけじゃない。
でも、
発作のこと。
病院のこと。
薬のこと。
本当の意味で知っていたのは、
保健室の先生だった気がする。
発作で学校を休んだ日。
病院へ行った日。
先生はいつも気にかけてくれていた。
教室では普通の生徒だった。
みんなと同じように授業を受けて、
みんなと同じように遊んでいた。
でも、
保健室へ行くと少し違った。
「最近どう?」
「薬は飲めてる?」
そんな言葉をかけてくれた。
当時は当たり前だと思っていた。
でも今振り返ると、
先生はずっと見ていてくれたんだと思う。
小学生だった僕は、
普通になりたかった。
てんかんのことなんて気にされたくなかった。
みんなと同じでいたかった。
それでも、
保健室の先生だけは知っていた。
僕が抱えていた不安を。
そして、
普通になりたかった気持ちを。
