【70代からでも目指せる国家資格④】乙4で学ぶ消防法の基本
前回は、「危険物とは何か」、そして乙4で扱う第4類危険物について解説しました。
今回は、危険物を取り扱ううえで欠かせない「消防法」の基本を見ていきます。
乙4試験では、「危険物に関する法令」から15問が出題されます。
合格するには、この法令科目でも60%以上の正解が必要です。
まずは、試験で繰り返し問われる基本から押さえていきましょう。
消防法は危険物の取扱いを規制している
消防法は、火災を予防し、人の生命や身体、財産を火災から守るための法律です。
ガソリンや灯油などの危険物は、取り扱いを誤ると大きな火災につながるおそれがあります。
そこで消防法では、危険物の貯蔵や取扱いについて細かなルールを定めています。
乙4試験では、法律の条文をそのまま覚えるというより、
「どのような場合に許可が必要なのか」
「誰が危険物を取り扱えるのか」
「施設にはどのような決まりがあるのか」
といった点が問われます。
まず覚えたい「指定数量」
法令分野で特に重要なのが「指定数量」です。
指定数量とは、消防法による規制の基準となる数量です。
例えば、第4類危険物の指定数量には次のようなものがあります。
ガソリン……200リットル
アルコール類……400リットル
灯油……1,000リットル
軽油……1,000リットル
重油……2,000リットル
指定数量以上の危険物は、原則として、市町村長等の許可を受けた製造所、貯蔵所または取扱所以外の場所で貯蔵したり取り扱ったりすることはできません。
この「指定数量以上」という言葉は、試験で何度も出てきます。
危険物の種類と指定数量は、必ず覚えておきたいところです。
「指定数量の倍数」もよく出る
複数の危険物を同じ場所で貯蔵したり取り扱ったりする場合は、「指定数量の倍数」を計算します。
計算方法は、
危険物の数量 ÷ その危険物の指定数量
です。
例えば、
ガソリン100リットルを貯蔵している場合、
100 ÷ 200 = 0.5
指定数量の倍数は0.5です。
さらに灯油500リットルがあれば、
500 ÷ 1,000 = 0.5
となります。
この場合、
0.5 + 0.5 = 1
指定数量の倍数は1になります。
種類の違う危険物でも、それぞれ計算した数値を合計します。
乙4試験では定番の計算問題ですので、計算方法を覚えておきましょう。
危険物施設は3つに分けられる
指定数量以上の危険物を扱う施設は、大きく3つに区分されます。
製造所
貯蔵所
取扱所
製造所は、危険物を製造する施設です。
貯蔵所は、危険物を貯蔵する施設です。
取扱所は、危険物を取り扱う施設です。
セルフガソリンスタンドは、取扱所の一つである「給油取扱所」に分類されます。
試験では、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、給油取扱所など、さまざまな施設の名称が出てきます。
最初は、まず「製造所・貯蔵所・取扱所」の3区分を覚えておけばよいでしょう。
設置や変更には許可が必要
危険物を扱う製造所、貯蔵所、取扱所を設置する場合には、市町村長等の許可を受けなければなりません。
また、施設の位置や構造、設備などを変更する場合にも、原則として変更の許可が必要です。
そして、工事が終われば完成検査を受けます。
完成検査に合格する前に、勝手に施設を使用することはできません。
試験では、
許可 → 工事 → 完成検査 → 使用
という基本的な流れを押さえておくことが大切です。
一時的な貯蔵や取扱いはどうなる?
指定数量以上の危険物は、許可を受けた危険物施設以外では原則として貯蔵や取扱いができません。
ただし、例外があります。
所轄消防長または消防署長の承認を受ければ、指定数量以上の危険物を10日以内の期間に限って、仮に貯蔵したり取り扱ったりすることができます。
これを「仮貯蔵」「仮取扱い」といいます。
試験では、
許可ではなく承認
期間は10日以内
という点が狙われやすいので注意しましょう。
危険物は誰でも扱えるのか
指定数量以上の危険物を扱う製造所等では、危険物取扱者が重要な役割を担います。
甲種危険物取扱者は、すべての類の危険物を取り扱うことができます。
乙種危険物取扱者は、免状を取得した類の危険物を取り扱うことができます。
乙4であれば、第4類危険物が対象です。
また、甲種または乙種危険物取扱者が立ち会えば、危険物取扱者の免状を持っていない人も危険物を取り扱うことができます。
この「立会い」は、乙4試験でよく問われるポイントです。
おわりに
消防法の問題では、まず次のポイントを押さえておきましょう。
指定数量
指定数量の倍数
製造所・貯蔵所・取扱所
設置や変更の許可
完成検査
仮貯蔵・仮取扱い
危険物取扱者の取扱いと立会い
法令分野は覚えることが多い科目です。
しかし、同じ内容が形を変えて繰り返し出題されます。
まずは基本用語と数字を正確に覚えることから始めましょう。
次回は、「消防法に違反した場合の責任と罰則」について解説します。行政処分や免状に関する措置など、試験で押さえておきたいポイントを整理していきます。
