AI&E 039 SBG、米国AI電源強化構想の一環:$1.1B、DBがArcLight Capitalを買収予定
本シリーズの004で「SBGの垂直統合戦略=物理層強化: $4BでDigitalBridge (DB) 買収」とお伝えしました。DigitalBridge(デジタルインフラ投資会社)のSBGによる買収は株主承認を得ました。あとは当局承認待ちとなっていますが、それが完了することを前提に、DBがArcLight Capital(電力インフラ開発会社)を買収する方向です。案件の概要とソフトバンクグループによる狙いをレポートします。
買収の概要
2026年6月22日、デジタルインフラ投資会社であるDigitalBridgeは、電力インフラ開発会社のArcLight Capitalを約11億ドルで買収すると発表しました。ArcLight Capitalは、ガス火力発電、太陽光、風力、電池貯蔵などの発電・開発資産に強みを持ち、後期開発段階のプロジェクトを中心に手がけています。
この買収により、DigitalBridgeはデータセンターの運営と電力供給を一体化した体制を強化します。CEOのMarc Ganzi氏は、「AIは世界の電力方程式を再構築している」とコメントしており、AI需要に対応した電力確保を最優先の狙いとしています。買収は規制当局の承認などを条件としており、完了すればArcLight CapitalはDigitalBridgeの傘下に入ります。
AIデータセンターと電力需要の急増という背景
近年、生成AIの急速な発展により、データセンターの電力消費が急激に増加しています。Goldman Sachsの試算では、米国のデータセンター電力需要は2025年の31GWから2027年には66GWに倍増すると予測されています。
従来、データセンター事業者は電力会社から電力を調達していましたが、送電網の接続遅延や新規発電所の建設遅れが深刻化し、電力価格の上昇や供給不安が事業拡大の大きな障害となっています。このため、データセンター投資家が発電資産を直接取得する動きが世界的に加速しています。今回のArcLight買収も、そうした潮流の中で生まれた戦略的な取り組みです。
ソフトバンクグループによるDigitalBridge買収との関係
DigitalBridgeは、2025年12月29日にソフトバンクグループによる約40億ドルの買収が発表されました。2026年4月23日には株主総会で約96%の賛成により承認を得ていますが、規制当局の承認など必要な条件を満たしておらず、2026年後半の完了予定となっています(2026年6月27日時点で未完了)。
今回のArcLight Capital買収は、ソフトバンクグループによるDigitalBridge買収の完了を条件としています。完了すれば、ArcLight CapitalはDigitalBridgeを通じて、将来的にソフトバンクグループの間接的な傘下に入ることになります。現在はまだDigitalBridgeが独立した企業として動いていますが、買収完了後の体制を見据えた動きと言えます。
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