去る者は追わず《ショートショート》
takewoodyです。
毎週恒例となりました「アマノ文筆クラブ」
第13回目のお題は「去る者は追わず」
今回も書けるかな? 頭をフル回転させ、思いつくままに書いてみます。
では、即席で作ったショートショートをどうぞ。
◆去る者は追わず 《ショートショート》(754文字)
見ざる聞かざる言わざるの猿の貯金箱知らないか?
この前、大掃除したときに断捨離するって
いろいろ処分してたものの箱に入っていたから捨てたわよ。
おいおい、ウソだろ!
俺は、いらない物の箱と、いる物の箱に2つに分けていたんだけど。
じゃ、いらない箱の方に、その猿の貯金箱が入っていたんじゃない?
いや、その箱の横に置いていたと思うんだが・・・。
見ざる聞かざる言わざるの置物の猿がいらない箱に入っていたから
貯金箱の猿もいらないと思って一緒に捨てたわ。
おいおい、同じ猿でも違うんだよ。
猿は猿で同じでしょ。
見た目も一緒だから、いらないと思うわ。
いいじゃない貯金箱ぐらいなくても。
ただの貯金箱じゃないんだよ。
どういう意味よ?
俺にとっては大事な貯金箱なんだ。
だってお金も入ってなかったわよ。
そうなんだけど。
ちょっと言えない思いが詰まっているんだよ。
何、言えない思いって?
もしかして、昔の彼女からもらったものじゃないの?
いや・・・いやいや、そういう物ではないのだけど。
あなたってわかりやすいわね。
そういうことなんでしょ。
私と同棲しておきながら
いつまで昔の彼女からもらった物を持っているのよ。
お守りようなものだよ。
何言っているのよ。
別れた彼女がらみの物なんかさっさと捨てなさいよ
去る者追わずって言うでしょ。
それとも、まさか未だに連絡取り合ってないわよね。
それはないよ。
去る者は追わないしな。
どの口が言った?
この口だけど。
もう、冗談はやめて。
去る者追わないなら、あんな猿の貯金箱なんてどうでもいいでしょ。
しかもよりによって、猿の貯金箱を追うなんて。
シャレにならないわ。
猿の貯金箱だけに、去る者追わずか。
シャレになってるじゃん!
はいはい、じゃ、去ってしまった猿の貯金箱を
一生、追ってなさい。
私は、ここを去るわ。
追わないで結構よ。
さようなら。
おわり
◆あとがき
今回は、シャレがちょっと利きすぎたかもしれません。
小6の修学旅行、日光東照宮で、見ざる聞かざる言わざるの猿を
見たことを思い出しました。
小6の僕は、見ざる聞かざる言わざるの猿の貯金箱を
買ったような記憶があります。
当然、今はないし、去ってしまったものは追いません。
その貯金箱と、男女間でありがちな昔の彼女の物を絡めて
ショートショートにしてみました。
今回も、想像力をフルに使い楽しく書くことができました。
空想の世界、小説の世界を楽しんで頂ければ幸いです。
最後まで、お読み頂きありがとうございます。
ではまた。
#アマノ文筆クラブ
#甘野充さん企画
#ショートショート
#去る者は追わず
◆先週、第12回目のお題は「今の祭り」
こちらも読んで頂けると嬉しいです。
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