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【台北】2026年MRTの新規開業路線二題


◆はじめに

経済成長著しい台湾の大都市では、毎年のようにMRT(地下鉄・新交通システム)やLRTの路線延伸や新路線開業が続いています。
本稿では、2026年夏に台北都市圏に開業した話題の新路線1路線と、年内の開業が見込まれる路線延伸区間について紹介させていただきます。

台北捷運(MRT)路線図(2026年3月・台北捷運松山新店線北門駅にて)

◆1.新北捷運三鶯線(頂埔~鶯桃福徳間)

台北捷運の路線図に記載された新北捷運三鶯線(2026年3月)

最初に紹介するのは、2026年6月30日に開業した新北捷運三鶯(さんおう)線です。
三鶯線頂埔(新北市土城区)~鶯桃福徳(新北市鶯歌区)間13.78Kmの路線で、両駅のほか計10駅の途中駅が設けられています。
このうち、起点の頂埔駅では台北捷運板南線と、鶯歌車站駅(注)では台湾鉄路公司(台鉄)縦貫線接続しています。
同線は、台北のベッドタウンとして人口増加が続いているものの長く鉄道空白地帯となっていた新北市三峡区と隣接する同鶯歌区の交通事情改善、そして三峡区にある国立台北大学へのアクセス改善を図るために計画・建設されました。沿線にある三峡老街、鶯歌陶瓷老街といった観光スポットへの利便性向上も期待されているといいます。
将来的には鶯桃福徳駅から約4.2Km先の大湳駅(桃園市八徳区)への路線延伸が計画されており、桃園国際空港付近の再開発地域に通じる桃園捷運緑線との接続が予定されているようです。
建設にあたっては中運量規格が採用され、日本日立製作所笠戸事業所で製造された2両編成のドライバーレス・メトロ(無人運転対応の小型電車)計29本が投入されました。
高運量規格(地下鉄規格)で建設された台北捷運板南線との直通運転はできないものの、車輌や駅施設は需要に見合った規格で用意された格好です。
(注)このほか、鶯桃福徳駅台鉄縦貫線鳳鳴駅から徒歩圏内です。

三鶯線の始発駅となる頂埔駅(2015年12月撮影)

◆2.台北捷運淡水信義線延伸開業区間(象山~廣慈/奉天宮間)

台北捷運の路線図に記載された淡水信義線延伸区間(2026年3月)

もう1つ紹介する新規開業区間が、台北捷運淡水信義線(レッドライン)の象山~廣慈/奉天宮間です。
この区間は本来ならば「2026年第一四半期」の開業が予定されていましたが、「2026年度」の第二四半期に入った7月になっても一切音沙汰がないのが気がかりなところです。
もっとも、すでに3月時点では路線図に廣慈/奉天宮駅の記載があり、淡水信義線各駅の南行ホームの天井では「←〔廣慈/奉天宮 Guangci/Fengtian Temple〕」と表記された箇所を「←〔象山 Xiangshan〕」と書かれたシールで覆っている状況で、延伸開業に向けての準備は着々と進んでいる様子でした。何らかの事情で開業が遅延しているということなのかとは思いますが、公共交通機関は安全が第一なので急かさず気長に待ちたいところです。

台北捷運淡水信義線雙連駅にて(2026年3月)

この区間の延伸計画に向けては紆余曲折がありました。
1990年代当初の計画で淡水信義線の信義区側の終点駅は現在の廣慈/奉天宮駅付近に設けられる予定でしたが、近くに活断層があるということで現在の象山駅を終点駅とするように計画が変更されました。
ところが、その後の地質調査で活断層とされていた断層が実は休断層だったことが判明、この調査の結果を受け、一旦は中止となっていた象山~廣慈/奉天宮間の延伸が再度実現に向けて動き出したということです。
新しい終着駅となる廣慈/奉天宮駅ですが、計画当初は「中坡」・「松山商職」・「福徳信義」といった駅名にする案もありました。
また、象山~廣慈/奉天宮間に「(仮称)信義松徳駅」を設置する計画もありましたが、こちらは象山駅からの距離が短すぎるということで最終的に廃案になっています。
廣慈/奉天宮駅の駅名の由来は、駅周辺にある都市公園「廣慈博愛公園」と道教寺院「松山奉天宮」今回の延伸開業を機に、「松山奉天宮」にふらりと立ち寄る観光客も少なからずいるのではと思われます。

◆おわりに

ざっと調べた限りの内容ですが、2026年に台北都市圏に新しく開業した、もしくは開業する予定の都市鉄道2路線の概要と沿線の見どころを紹介させていただきました。
今後台北を旅行されるという方には、機会があればぜひ三鶯線で三峡や鶯歌の古い街並みを訪ね、グルメや美しい陶磁器を探してみたり、淡水信義線で少し足を伸ばして松山奉天宮に立ち寄ってみることをお勧めします。


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