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地下鉄東西線沿い、中野~西船橋のご当地怪談『東西線怪談』共著者全員コメント(深津さくら、青柳碧人、チビルマ、西田どらやき)+試し読み「プレゼント」

地下鉄東西線沿いの不思議な話・怖い話
中野から西船橋に至る街が舞台のご当地怪談集

あらすじ・内容

都心のオフィス街・学生街を横断しながら、城東下町や東京ベイエリアを駆け抜ける東西線の街々に隠された怪異譚を、ゆかりある作家・怪談師・芸人が総力取材!

・怪奇!若い男性の〇〇を集めて回る怪人が終電に現れる「狂気の善意は極致の性癖」(中野)
・呪物コレクター宅で起きた不気味な現象とは「まなみ」(門前仲町)
・関係者が次々と早世する恐ろしいビルの秘密「二十三」(大手町)
・フェンスの穴から異界に迷いこむ異次元スポット「神社の迷い道」(西船橋)
・車窓から見えるマンションに棲む異形の姿「窓と窓」(浦安)
・霊道が部屋の中に…。某神社の参道前に立つ家の事情「ディス」(東陽町)
・某コンビニ前の壁際で目撃した小さな透明人間「誰も知らない隠された一族」(神楽坂・飯田橋)
・車道を歩く不自然な人影を見ると…「サイドミラーに映る」(南砂町)
・亡くなった常連客が現れる居酒屋「西葛西の取材② 確かにいた」(西葛西)
・異次元へと繋がる場所で起きた怪事「パラレルワールドの境界線、異次元公園」(早稲田)
・駅の雑踏にまぎれて歩き回る人形「人形はそこにいる」(飯田橋)
・江戸川へ釣りに訪れた折に目撃した、この世ならざる異形「ハゼ」(行徳)
・取材で訪れた店で次々と語られる体験談と店に存在する妖「スナック怪談」(茅場町)
・駅前の待ち合わせ場所に出る血みどろの死霊「ロータリー」(高田馬場)
・共著者の実体験!居住すると次々とコンビが解散する厭な芸人シェアハウスに潜むものとは…「住んだら終わり芸死の家」(高田馬場)
――など全駅収録。

著者コメント

東西線はどこもかしこも怪異だらけ。本書を携えて青い車両に乗り込めば、怪しいものたちがあなたを迎えてくれるでしょう。

深津さくらより

学生時代からお世話になった東西線も、怪談を通してみると、まったく違った世界を走っているよう。是非とも不思議の東京横断旅へ。

青柳碧人より

本書を読んだら積極的に東西線に乗るようにするか東西線沿線に住み、新たな東西線怪談の体験者になって欲しいです。怪談募集中!

チビルマより

ご家族、ご友人、ご夫婦、ご恋人とぜひ当書を片手に東西線をお巡り下さい。怪異に思いを馳せながら貴方は気付くでしょう。想定以上のポポラマーマの多さに。

西田どらやきより

試し読み1話

プレゼント  (九段下)

深津さくら

 九段下駅すぐの歴史あるホテルで客室清掃員として勤務していたミドリさんは、業務中に忘れられない体験をした。
 地下五階、地上二十四階建てのそのホテルは、非常にたくさんの客室を備えていた。
清掃員は限られた時間で客室を整えるために常にチームワークと手際が求められる。
 その日も、数名で同時に部屋に入り、ベッドのシーツを新たなシーツに取り替えてベッドメイキングをする係と、ユニットバスのアメニティを補充したり交換したりする係、テーブルや備品の汚れを取り除いて正しい位置に配置する係など、役割を分担して作業にあたった。
 ミドリさんがベッドの周りを整えていたとき、ふと壁とベッドの隙間になにかが落ちているのに気がついた。
 腕を伸ばして拾い上げてみると、それはお菓子が入っていそうなきれいな六角形の箱だった。
 忘れものか……。
 お土産やお菓子などは忘れられることが多かった。ベッドの隙間に落としてしまったら、見つけられなかったのも仕方がない。
 その箱は封がされていなかった。何気なく蓋を開けて中を覗き込んだミドリさんは、そこに入っていたものがなんなのか、すぐに理解することができなかった。
 茶けた色味の、薄いチップのようなものが数十枚。
 触ってみると軽い質感で、ポテトチップスのように軽く湾曲していたが、一つひとつの大きさは指先ほどだった。
 指先ほど……。
 そこでミドリさんはようやくチップの正体に気づいて叫び出しそうになった。
 そこに入っているのはすべて人間の爪だったのだ。
 茶色い部分は、血か皮かわからない組織が変色してへばりついたものだった。
 一体何人分あるのか、見ているだけで気が遠くなりそうだった。
 ミドリさんは箱の扱いについての判断を仰ぐため、すぐに事務所の責任者の元に箱を持って行った。
「はーい。じゃあ、こっちで預かっておくから」
 責任者は箱の中身を見て表情ひとつ変えずに言った。
 その落ち着きぶりを見てミドリさんは自分がいる場所がものすごく怖くなった。
「上司の反応から、なにか〝慣れ〟のようなものを感じました。だから、これが初めてではないんだと直感的にわかりました。誰が何の目的で部屋に置き忘れていたのかは考えたくもありませんが」
 ミドリさんはそう当時を振り返る。
 そのホテルは数年前に閉業している。

―了―

書店限定 特典情報

怪異の場所がわかる地図と沿線情報、怪談試し読みが掲載された
3種類の怪奇周遊マップを、沿線の書店にて配布いたします。

中野区・新宿区版
千代田区・中央区・江東区版
江戸川区・浦安市・市川市・船橋市版

※配布状況は各店舗にお問い合わせください。
※配布開始時期及び、配布方法に関しましては、店舗によって異なります。
※在庫が無くなり次第終了となります。

著者紹介

深津さくら (ふかつ・さくら)

怪談作家、実話怪談蒐集家。人呼んで「怪談と結婚した女」。1992年生。茨城県水戸市出身。東京都在住。卒業論文は「実話怪談」。2018年に「OKOWAチャンピオンシップ」に出場し、怪談の語り部として頭角をあらわす。怪談最恐戦2023優勝。ポエトリーリーディングのように訥々と話す深津怪談は、恐いだけではなく「癒される」と評判の声が高い。
共著『京都怪談 神隠し』 『現代怪談 地獄めぐり無間』を経て、単著『怪談びたり』『怪談まみれ』『怪談ぐるい』を上梓。2023年からチビルマ、ワダ、伊勢海若と怪談ユニット「おばけ座」としても活動。


青柳碧人 (あおやぎ・あいと)

撮影:河村正和

ミステリ作家。代表作に『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(双葉社)、『怪談刑事』(実業之日本社)、『乱歩と千畝』(新潮社)など。年に100話を聞き集める怪談収集家でもあり、実話怪談集『怪談青柳屋敷』シリーズ(双葉社)を、毎年一冊ずつ刊行している。


チビルマ (ちびるま)

石川県金沢市出身、現在東京在住の怪談師(元深川在住)。2018年から怪談を蒐集、発表する活動を開始。2021年「オカルトエンタメ大学怪談ニュージェネレーション」優勝。2023年からYouTubeチャンネル「おばけ座」に参加。
東京の地下鉄なら東西線が好き。東と西を移動できるという機能が直接名前になっているから。


西田どらやき (にしだ・どらやき)

Yahoo検索大賞2025ネクスト人物部門受賞。「西田どらやきの怪研部」主宰。FM NACK5「キラスタ」パーソナリティ。趣味はサウナ、アイドル(ハロプロ)、マンガ(よしもとマンガ研究部所属)、小説執筆(ブックショートアワード優秀作品)など幅広い。怪談でイベントやYouTubeなどに出演多数。
高田馬場に住み過ぎた男。日本橋で天丼を食べ過ぎた男。