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開拓ノート#53現場を知らないAIは「凶器」になる。僕らが泥だらけの現場を持ち続ける本当の理由


最近、この「開拓ノート」を書いたり、経営のアイデアを練ったりするために、AI(ChatGPTやNotebookLMなど)を日常的に使い倒している。 自分の考えや過去の録音データを放り込めば、AIは一瞬でっともらしい文章や企画書を提示してくれる。その進化のスピードと利便性には、本当に驚かされるばかりだ。
しかし、AIが賢くなればなるほど、経営者として強く痛感していることがある。 それは、**「現場を知らない人間がAIを使うと、それは間違った答えを生み出す『凶器』になりかねない」**ということだ。
先日参加したファームノートサミットやAI関連のセミナーでも話題になったが、今の時代、AIを本当に使いこなせるのは「すでに自分の中に答えや感覚を持っている人」だけである。

例えば、服を作ったこともない、さほど服が好きでもない人が、AIに「新しいアパレル事業のプランを作って」と指示したとする。AIは過去の膨大なデータから、立派なマーケティング戦略や事業計画をあっという間にはじき出すだろう。 しかし、現場の肌感覚を持たないその人は、AIが提示した答えが「本当に正しいのか」「今の時代や自分たちの地域に合っているのか」を判断できないのだ。

酪農でも同じだ。AIが「ニュージーランドではこういう効率的な酪農が成功しています」と提示してきても、北海道・中標津の厳しい気候や環境を知っていれば「いや、それはこの土地には合わないからダメだ」と弾くことができる。お酒が飲めない人がAIに「美味しいお酒の作り方」を聞いても、出てきた答えの良し悪しは絶対にわからない。
つまり、現場の泥臭いリアルを知っている人間が、AIの出した答えに対して「それは違う」とジャッジし、さらに深い「問い」をかけ続けなければ、本当に良いものは作れないのだ。現場を知らない人間がAIの出す効率や正論だけで動けば、それは時に現実の世界を混乱させる凶器にすらなってしまう。

誰もがスマートフォンを持ち、AIを使ってプロ並みの企画書や美しい文章を数秒で作れる時代になった。 だからこそ、これからの時代に最も価値が上がるのは、圧倒的な「一次情報」を持っている人間だ。

毎日牛舎に入り、牛たちの体温を感じること。季節によって変わるミルクの匂いを嗅ぐこと。重いバケツを両手に提げて、自分の足で大自然の厳しさの中を歩くこと。 そんな泥だらけの現場を持っている人間だけが、AIに対して質の高い「問い」を立てることができる。

僕らがこの辺境の地で、あえて非効率な手作業にこだわり、泥臭い現場に立ち続けている本当の理由もそこにある。
パソコンの画面とにらめっこしているだけでは、新しい景色はつくれない。 これからも僕らは、泥だらけの現場という「最強の土台」にしっかりと足をつけながら、最先端のテクノロジーを駆使して、この開拓の大地を進んでいく。
大きさを追わず、深さを追う。 僕たちのフロンティアは、まだまだ広がっている。
#開拓ノート #中標津 #AI #生成AI #一次情報 #現場力 #ローカルブランディング #竹下牧場

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竹下耕介|酪農家・チーズ職人・牧場宿オーナー ありがとうございます。更なる飛躍の糧にします!