世界は日本をどう見ているかNo28
自尊史観を持って進むために~その12
イギリス
ハーバート・G・ポンティング
「日本を旅行する時に一番素晴らしいことだと思ったのは、何かに付けて婦人たちの優しい手助けがあったことだった。
もしも世話して、くつろがせ、どんな用でもこなしてくれる優しい明るい婦人たちがいなければ、魅力ある国とはならなかったであろう。
彼女たちは、いつも笑顔を絶やさず、外国人の客がどんな不合理なことを言っても、朝であろうが夜であろうが、いつでも客の言いつけを喜んでしてくれるのだ。」
この言葉は、明治時代の日本を訪れたイギリスの写真家・探検家で、日本の自然の美しさと国民の優しさ、勤勉さに惚れ込み
理想化された楽園
とまで絶賛したハーバート・ポンティングが、日本女性の優雅さや職業的婦人としての自覚を持ったきめ細やかな応接に感動した心情を吐露したものです。
これは、現在よく使われるようになった
おもてなし
が、何も昨今のインバウンドブームから始まったものでないことがよく分かります。
実は外国人に対する「おもてなし」の原点は、明治にあったのです。
では「おもてなし」とは何なのでしようか。
その語源をたどれば
物を持って成し遂げる
つまり
相手のために物心を使って尽くす
という意味に丁寧語の「お」を頭につけたという説と
裏表なし
という言葉から
裏表なく、純粋な気持ちで
相手に接する
という思いを込めた言葉という説があるようです。
また、神仏への儀礼から派生したとも言われ、目に見えないものへの敬意も含まれているようです。
いずれにせよ「おもてなし」は、日本の長い歴史により培われた独自の文化と言えるのではないでしようか。
「おもてなし」は単なるサービスではなく、相手への敬意と心からの配慮、そして万全の準備をすることによって相手を満足させようとする深い精神性を伴なう行為であることが分かります。
この精神は何も観光業に限ったことではなく、日本ではあらゆる業界で
顧客第一主義
全てはお客様のために
という言葉が使われているように、その根底に「おもてなしの精神」つまり
他者への思いやり
という日本人の美点が内在していることが分かります。
つまり日本の資本主義は、欧米の資本主義が
物と価格が等価値
なのに対して
プラス「おもてなし」
が付加されているようなものです。
いかにグローバル化、多様化が進もうとも、日本人のこの精神性が揺るがない限り、日本は日本であり続けることができる気がします。

1870~1935
