旧統一教会・田中富広会長の「(教団から)反日教育を受けた人は1人もいない」発言に驚愕! ウソはやめましょう
1,「教会から反日教育を受けた人は1人もいない」というハッタリ
『月刊正論』25年6月号の田中富広氏インタビューを読んで、少なからぬ旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)信者、シンパ、信者をよく知る人が驚いたと思います。
そこには、「反日教団ではない」という小見出しで、次のように書かれていたからです。
――家庭連合は反日宗教と呼ばれています。韓国へ資金を流すパイプとも言われています。
田中 反日という言葉が出てきたことには衝撃を受けました。日本のためにやっているのに反日団体とはひどすぎます。
おそらく日本全国の10万人の信徒の誰に聞いても、この教団を反日と思っている人はいないでしょう。教会から反日教育を受けた人も1人もいないと思います。教団の実態は明らかに反日ではなく、いやむしろ愛国です。
文鮮明先生の教えの中にも、国を愛せない者は世界を愛せないとはっきりあります。国を愛することを通してしか世界のリーダーは育たない。これが我々の基本です。
「世界平和統一家庭連合会長・田中富広インタビュー
岸田前首相に謝罪を求める」
田中富広氏の致命的な誤りは、「日本全国の10万人の信徒の誰に聞いても、この教団を反日と思っている人はいない」「反日教育を受けた人も1人もいない」などと、一切例外を認めない決めつけ発言をしたことです。
田中氏は、10万人もいる信徒の中に「1人もいない」となぜ分かったのでしょうか? 全員にアンケート調査を実施して、回答率100%の結果を得たのでしょうか?
実は、10万人は少ないように見えて、とても大きな数字です。
反統一教会系の宗教学者として抜群の知名度を持つ櫻井義秀・北海道大学名誉教授は、『月刊住職』23年4月号で「日本におけるプロテスタントの最大教団である日本基督教団が信者数約16万人、カトリックの信者数が約43万人(半数は外国人)」と述べています。
また、エホバの証人の日本の信者数を約21万4000人としています。
こう見れば、キリスト教系の教団として、10万人という信者数は決して少なくないことが分かると思います。
その10万人の信徒全員が「反日」を否定するというのは、明らかにウソでしょう。
こういう一見してすぐ分かるウソをつくのは考え物です。「10万人の中に1人もいない」と言えば、1人でもいたら、それはウソをついたことになるからです。
ある意味、「田中富広氏はウソつきだ」と指弾されるリスクを自ら冒していると言えます。
インタビュー原稿の校正段階で、「こういう言い方はまずいですよ」とスタッフは助言すべきでした。
よく言えばハッタリですが、明らかに論点のすり替えであり、かつまたウソです。
「反日宗教」という言葉の意味は? 定義が曖昧なままで回答
田中富広氏が、こういうトンチンカンな発言をした原因の1つは、インタビューした加藤文宏氏が「反日」という言葉をきちんと定義しないで使ったことにあります。
善意に解釈すれば、そんなこといちいち定義しなくても分かるはずだと考えたと思われます。
加藤氏は「家庭連合は反日宗教と呼ばれています」と言い、「韓国へ資金を流すパイプとも言われています」と質問しました。
しかし「反日宗教」とは、どういう意味なのでしょうか? 旧統一教会を「反日宗教」と呼ぶ人たちが、この言葉をどんな意味で使ったのか、加藤氏は説明していません。
このため田中氏は、言葉の意味を曖昧にしたまま、「反日宗教」という抽象的な言葉に反発して、上記のように全否定したのでした。
しかし、後半の「韓国へ資金を流すパイプとも言われています」は具体的な指摘です。
ですから、これには田中氏も具体的に、教団が集めた献金は世界本部のある韓国を経由して世界に行く、2009年までは世界本部がアメリカにあったので当時はアメリカに送金していた、「韓国だから送っているのではありません」と明快に回答しました。
これは模範解答と言えるでしょう。
2,「従軍慰安婦謝罪」という旧統一教会信者の反日パフォーマンス
私は「明らかに論点のすり替え」と書きましたが、それはこういうことです。
一般に旧統一教会が「反日宗教」と言われるのは、その教義ないし文鮮明教祖の思想が反日・韓国中心史観に染まっていると疑われているからです。
日本流の言い方では反日自虐史観です。信者が反日自虐史観の持ち主であれば、信者の行動にもそうした史観が反映されます。
かつて日本人にそのことを強く印象付けた事件がありました。
2012年6月に韓国・ソウルの汝矣島(ヨイド)にある国会議事堂の前で、日本人女性約40人が慰安婦問題で謝罪を表明したのです。
彼女らは韓国人と結婚し、韓国に住む旧統一教会の女性信者で、当時、日本でもかなり話題になったと記憶します。
この謝罪パフォーマンスを主催したのは「歴史問題を克服して韓日一体化を推進する有志の集い」という団体で、代表は江利川安栄氏。
1990年代(1998年~99年)に日本統一教会の会長を務めた、田中富広現会長の先輩です。
(2012年6月)29日午前11時30分ソウル、汝矣島(ヨイド)国会議事堂の前。日本人女性40人余りがスローガンに合わせていっせいに頭を下げた。 従軍慰安婦問題に対する謝罪の表示であった。
マイクを捉えた江利川安栄氏は、「強制的に挺身隊(従軍慰安婦)という名前で遠い異国の土に引きずられて行くほかはなかった方らに同じ女性としてそのみじめな立場を慰めて差し上げることにはならないが、日本からきた人として心より謝罪する」と話した。
江利川さんが代表を務める「歴史問題を克服して韓日一体化を推進する有志の集い」の会員たちはこの日、集会で従軍慰安婦問題と関連して謝罪の意を伝え、韓日両国の友好増進を促した。
江利川代表は「私たちのこの謝罪が過去日本が犯した歴史的な罪を洗うにはあまりにも不足であることをよく知っている」として、「しかし『こうでもしなければ』という良心の声を無視できなかった」とした。
「続・慰安婦騒動を考える」ブログより
韓国のnaver.comもこのパフォーマンスを報道しました。
この記事には、最前列で韓国の国旗を振る江利川安栄氏の姿が載っています。(メガネをかけたピンク色の和服の女性)

グーグル翻訳で和訳したのがこちら。
日本人が日本軍慰安婦問題に対して謝罪し、韓日両国間の平和を模索するため集会を持つ予定だ。
「歴史問題を克服して日韓一体化を推進する維持会」の日本人会員40人余りが(6月)29日午前11時30分、ソウル汝矣島国会議事堂の前で日本軍慰安婦問題謝罪集会を開く。
日韓一体化推進会側は「過去日本帝国主義時代に日本が韓国の若い女性たちを本人の自由意志ではなく強制的に『日本軍強制慰安婦』という名前で異国地に引きずり、惨めな実状を経験させたことに対して同じ女性として、日本人として心から謝罪する」と表明。
続いて「こんなに謝罪をするのは私たち良心の声を無視できなかったため」とし「小さなエコーだが、良心的な両国国民の心を動かして政治・国防だけでなく、すべての指導者の心を動かして韓日両国の平和が来ることを希望する」と伝えた。
彼らは今後120日間集会および1人デモを通じて持続的に活動して韓国と日本両国の一体化に力を注ぐという立場を明らかにした。
naver.comのニュースより
江利川氏らの活動は1回限りのものではありませんでした。
「今後120日間集会および1人デモを通じて持続的に活動して……」とあるように、韓国内の様々な場所で行われたようです。
J-CASTニュースは、同じ2012年、韓国で「光復節」と呼ばれ、日本統治からの解放を祝う8月15日が近づいた頃、在韓日本人女性らが韓国内の13箇所で謝罪パフォーマンスを行ったと報じました。
中央日報や東亜日報などの主要紙によると、5月に結成されたばかりの「日韓の歴史を克服し友好を推進する会」のメンバー約1200人がこの日、韓国内13か所に繰り出した。
ソウルでは、韓服姿の女性も含めて約500人もが広場に集まって、「日本人を代表してお詫びします」などと訴えた。
謝罪文を市民に配り、日本政府の謝罪を促す署名運動もしていた。
韓国中部の清州市では、40人ほどが横断幕を掲げ、メンバーらは「韓国のテレビで慰安婦問題を知り、日本政府の対応を残念に思う」として非難の声を上げた。ここでも、メンバーによる署名運動が行われた。
この「日本人女性」らは、韓国人男性と結婚して韓国に住んでいると説明されている。
J-CASTニュースより
慰安婦強制連行をデッチ上げ、日本政府の謝罪と国家賠償を要求
江利川氏率いる在韓日本人女性たちが訴えたのは、以下のようなことです。
日本の統治下で日本軍の「従軍慰安婦」にされた韓国人女性がいた
彼女らは旧日本軍に強制連行された
そのことに対し、日本人を代表して謝罪したい
日本政府は謝罪すべき
問題は、彼女らの言動が正しい歴史認識に基づいていたかです。
もちろん、間違っていました。
ありもしない旧日本軍の加害行為をデッチ上げたことが、まず大きな間違いです。
実際には、旧日本軍は慰安婦強制連行などしておらず、むしろそのようなことが起きないよう取り締まっていました。
さらに彼女らは、戦前・戦中の日本は朝鮮半島(はじめアジア各地)でひどい蛮行を働き、戦後は自らの加害の過去に向き合おうとせず、誠意ある謝罪も国家賠償もしていないとして、自分たちの母国を貶めたのです。
1965年の日韓基本条約と請求権協定により、日本統治時代の補償問題は「完全かつ最終的に解決」されました。
日本はこの時、莫大な経済協力金を支払っており、この時点で日韓間の歴史問題は解決済みです。
にもかかわらず、江利川氏らは日本の過去の加害行為を蒸し返し、日本がやっていないことまでやったと言い張り、「悪いことをしたのだから日本人は謝るべき」「しかし、謝るだけでは済まない。日本政府が(国民の税金で)国家賠償すべき」等々、日本に憎しみと恨みの矢を放って、荒唐無稽な主張を繰り返したのでした。
彼女らが表明した歴史認識は、日本では保守派によって「反日自虐史観」と呼ばれているものであり、その行動は「反日的」です。
韓国内で称賛されても、日本では全く称賛されません。
いえ、「日本では全く称賛されません」という言い方はちょっと違いますね。
というのも、国内には江利川氏らの反日パフォーマンスに全面的に共鳴したであろう勢力があり、とても大きな力を持っているからです。その代表が、言わずと知れた『朝日新聞』です。
朝日、毎日、NHKその他、日本の左翼リベラル系マスコミやそれらを支持する歴史家、有識者は、国内で非常に強い力を持ち、本来なら彼らはこのパフォーマンスを絶賛してもおかしくありませんでした。
しかし、そうしなかったのは、それを行ったのが旧統一教会の信者だったからです。
結果として、国内の保守系の人たちの「あの連中は反日だ」という批判と、左翼リベラル系の「あれをやったのは統一教会だ」という批判が共振して、右からも左からも叩かれる事件となったのでした。
反日自虐史観に染まった元統一教会会長・江利川安栄氏と渡韓した日本人女性信者たち
この事件から分かるのは、元統一教会会長の江利川安栄氏(当時はまだ脱会していない)が反日自虐史観の持ち主だったこと、渡韓した日本人女性信者の多くが、江利川氏率いるパフォーマンスに参加し、同調したことです。
日本の保守派は、『朝日新聞』やNHK、左翼リベラル系の歴史家や有識者が広めた「従軍慰安婦8万~20万人」「日本軍による組織的な慰安婦強制連行」は虚偽であり、デッチ上げだと1990年代から一貫して主張してきました。
「新しい歴史教科書をつくる会」(最初は扶桑社、次に自由社の教科書作成)や日本教育再生機構(育鵬社版の教科書作成)が、この虚偽を叩きつぶすために精力的な活動を繰り広げたことは周知の通りです。
また、小泉内閣の後を継いだ安倍政権や再登板した安倍政権が、この問題に取り組み、「従軍慰安婦8万~20万人説」と「日本軍による組織的な慰安婦強制連行説」を共に葬り去ったことも、既によく知られています。
今では、
「慰安婦」はいたが「従軍慰安婦」はいなかった(旧日本軍お抱えではなかった!)
「軍による組織的な慰安婦強制連行」があったことを示す証拠は何もない
8万~20万人という数字にも根拠はない
自ら済州島で慰安婦狩りを指揮したという吉田清治氏の証言は虚偽だった
慰安婦となった韓国人女性たちの証言も矛盾が多く、信憑性に疑問符が付く
などが明らかとなっています。
しかし、江利川安栄氏と渡韓した日本人女性信者たちは、左翼リベラルがまき散らした虚偽主張を、そのまま信じ込み、あたかも本当にあったことのように吹聴しました。
「韓国の皆さん、ごめんなさい。日本人がちゃんと謝らないので私たちが『日本人を代表して』謝ります」
とやってしまったのでした。
愚かとしか言いようがありません。
こういうことをやるから、「統一教会の信者はマインド・コントロールされている」とか「自分の頭で考えられない思考停止集団だ」とか言われてしまうのです。
反日自虐史観の持ち主が教団トップだったのに、「反日教育を受けた人は1人もいない」と言えるのか?
さて、ここで田中富広会長の発言に戻ります。
話はごく簡単です。
1990年代に日本統一教会のトップを務めた江利川安栄氏が、「従軍慰安婦強制連行」に代表される反日自虐史観の持ち主で、渡韓した日本人女性信者たちを率いて反日パフォーマンスをやったという事実があるのに、「教会から反日教育を受けた人は1人もいない」とどうして言えるのか、ということです。
日本にいるときに反日自虐史観の教育を受けていたからこそ、韓国に住んでからも、抵抗なく大衆の前に出て「日本人を代表して」謝ったりできたと考えるのが自然でしょう。
3,「教団の実態は愛国」は、論点のすり替え
ついでに言えば、「教団の実態は明らかに反日ではなく、いやむしろ愛国です」は論点のすり替えです。
「日本の国のためを思っての言動だから愛国だ」と言ったのでは、加藤文宏氏の質問に正面から答えたことになりません。
もし、そんな理屈が成り立つなら、左翼リベラルの団体はおろか日本共産党でさえ愛国団体になってしまいます。
『朝日新聞』ならば、「日本は戦前・戦中、朝鮮半島で残虐の限りを尽くし、悪行を働いた。日本政府が国家賠償するのは当然だし、何度でも、何十回でも謝罪し続けるべき。そうすることで日本は彼らと共生できる。それこそが真の愛国だ」と言うはず。
日本共産党員も「我々が資本主義を打倒して共産主義の実現を目指すのは、それが日本の国にとって最良の選択だと信じるからだ」と言うに違いありません。
加藤文宏氏は「旧統一教会とその信者は、日本と日本人を憎み、恨み、貶めたいのですか?(A)」と聞いたのではなく、「反日自虐史観の持ち主なのですか?(B)」と聞いたのです。
その問いに「憎むとか恨むとか貶めるとかとんでもないことです。私たちは日本を愛しています」と答えても、答えたことになりません。
発せられた問(B)に対し、それを問(A)にすり替えて回答したわけで、これが試験問題なら零点です。
教団内で反日教育が行われたことを示す証拠は他にもありますが、今日はこの辺で。
最後にひと言~「反日だから解散させろ!」は法律を無視した暴言
最後にひと言。誤解している人がいるので付け加えますが、旧統一教会が「反日宗教」かどうかは、宗教法人法の「解散」の問題とは一切関係ありません。
「思想信条が反日の宗教法人は解散しなければならない」という法律はないのです。
「反日だから解散させろ!」は、法律を無視したとんでもない暴言です。そんなことを言う人間は、近代国家の文明人とはいえません。
もし「反日」を理由に旧統一教会に解散を求めるなら、『朝日新聞』やNHKに代表される左翼リベラル系マスコミの全てと日本共産党、社民党などの政党、日本基督教団ほか反日系宗教団体の解散も政治の俎上に載せ、政府にその実行を強く求めなければ、辻褄が合いません。
ちなみに、反日系宗教団体については、次の本がいくらか参考になります。
