見出し画像

行き先はサイコロまかせ|JRサイコロきっぷで「運命のまち」へ旅をした。

サイコロを振って出た目がしめすところに旅に出る。

そんな心踊るきっぷ、その名も「サイコロきっぷ」なるものがJR西日本から発売されていると知って、サイコロをふって旅にでた。
(※2022年度夏のサイコロきっぷは9月30日にエントリー終了)
(※ただし、広島発サイコロきっぷは10月22日までエントリー可能)

行き先おまかせの旅のおもしろさはそれはもう格別で、夏の「どこかにマイル」で体験し、すっかりやみつきになってしまった。

このときの旅で北海道に呼ばれたおかげで、アイヌの衣装北方民族の衣装に出会えたし、『ゴールデンカムイ』にも出会えた。そして、47都道府県の衣装をめぐる旅に出たいという新たな野望までめばえてしまった。行った先がもれなく「運命の地」になるのだから、こんなにおもしろいことはない。


さて、今回のサイコロきっぷではどこに呼ばれるだろう。

さあ、運命の旅の行き先は…!

サイコロきっぷとは

と、その前に、「サイコロきっぷ」の概要を復習。これはJR西日本が2022年夏に行なっていたキャンペーンで、アプリ上でサイコロを振って出た目のしめす場所に、大阪から往復1回5000円で旅行できるというものだ。

行き先は、東舞鶴、芦原温泉(福井)、倉敷、尾道、餘部(城崎)、白浜。この6つの宛先に加えて、レアな出目として、博多が出ることも!

しかも、餘部は城崎温泉、東舞鶴は西舞鶴、芦原温泉は福井、倉敷は岡山で途中下車が可能なのだ。

新幹線や特急にも乗れて、どこになってもかなりお得!
これは行くでしょ〜。

サイコロきっぷ2022エントリー方法

※2022年大阪発のサイコロきっぷはエントリー終了しています
広島発サイコロきっぷは10月22日までエントリー可能です

  1. まず、J-WESTネット会員に登録し、J-WEST IDを取得

  2. WESTERアプリにJ-WEST IDを登録

  3. エントリーボタンをタップしてエントリー開始

  4. エントリーメールが届いたらスマホで会員サポートページへ

  5. WESTERアプリでサイコロを振る

  6. エントリー後最大10日間で会員サポートページに表示されたお知らせをタップ

  7. サイコロきっぷを購入(利用日時を入力して乗車列車を指定する)

  8. 駅へ行ってきっぷを受け取る

会員登録して、アプリ入れて、メール受け取って、サイコロふって、結局駅で発券しないといけない。こういうのが苦手なわたしにとっては、簡単なステップ! とは言えなかったんだけど(じっさい興奮しすぎてパスワードの入力を何度もミスした)、その自分のオタオタぶりもふくめてなんか楽しかった。これもまた新しい旅の醍醐味だと思おう。

ちなみにこのきっぷ、そのガチャ的なゲーム性からかお手頃さからか、若いZ世代に大人気だったらしい。(じっさいサイコロきっぷで来たらしい若いひとがたくさんいた!)アプリでやるのに手間どったとZ世代の息子に言ったら「おれらはそんなんよゆーやで」と言っていた。すいませんね、こちとらアナログ世代なもので。サイコロだってほんとうはアプリじゃなくて、♪何が出るかな何が出るかな♪ って歌いながらでっかいぬいぐるみみたいなのをふりたいわ。

サイコロきっぷの注意点

注意点としては、エントリー後に座席指定できるまで10日くらい時間がかかるのと、最終的には駅で紙のきっぷを発券しないといけないので、そのへんが要注意かも。

じっさい、座席指定をしようとしたら、ちょうどいい時間の列車はすでに満席だったので、当日はややゆっくりめのスタートとなってしまった。

当日、列車に乗ろうとしたら、後ろにいた若者グループが「ぜったいみんなサイコロきっぷやろ」って言ってた。そして行きも帰りも満席だった。やっぱり人気なんだね〜。

サイコロきっぷの注意点があるとするならば、エントリーは、お早めに。ってことかな。きっとこのサイコロきっぷ、こんかい大人気だったみたいだからまた次もありそう。その時はぜひ、お早めに。

でも逆にいえば、サイコロを振って行き先がわかってからしばらくして日時が指定できるので、例えば日帰りなのか1泊なのか2泊なのか、行き先が決まってから旅行の計画ができるのはすごくいいと思う。あああそこなら1泊で、とかあとから決められるのはけっこう大きい。(行き先の変更と旅行のキャンセルは不可)

エントリーしてみた

じっさいにエントリーしてみた。

本当は、行き先はサイコロをふってすぐにわかるんだけど、この記事では当日いっしょに行った感じでワクワクしてみてね。

では、サイコロ、スタート!!!

ドキドキ。


気になる旅の行き先は…。

大阪駅からはこの特急に乗って、

ちょっとおこったマシュマロみたいなお顔がかわいい

やがて車窓には山間の風景が広がる。おや、この畑はいま収穫シーズンまっただなかの、あの作物なのでは?

(黒豆枝豆)

その作物の収穫祭りをやっていた。

(黒豆で有名なところ)

途中、城のある街でのりかえて。

(明智光秀ゆかりの城だそう)

さらにあの文学で有名な温泉地で乗り換えて。

(車窓から)

やがて海が見えてきたよ。

(日本海だ〜)

そう、今回の行き先は、

餘部(あまるべ)でした!

そして、城崎温泉駅で、途中下車可能。

ほんとうは、倉敷か尾道か芦原温泉ねらいだったのだけど、餘部は行ったことがないしよかった。もちろん城崎温泉は行ったことあるけど、城崎といえば幾多の文豪たちが湯治に訪れた「文学のまち」ではないか。きっとこれは社会人大学生として文芸を学ぶわたしへの「もっと文学の勉強をがんばりなさい、小説を読みなさい」というメッセージなのだととらえることにした。

ちなみに今回の旅の同行者は、夫である。これにはある理由があったのだが、それはまたのちほど。

志賀直哉『城の崎にて』

ところで餘部(あまるべ)ってどんなところ?

餘部(あまるべ)とは、兵庫県美方郡香美町にあるJR西日本の山陰本線の無人駅のこと。駅のホームは高さ41・5メートルの余部橋梁にあり、日本海と餘部の集落が望める。

日本海と餘部の集落を見下ろす景色は最高なのだが、問題はわたしが高所恐怖症であることだ。うっかり下を見てしまうと大変なことになる。橋の一部には、スケスケのグレーチングや、透明ガラスばりのところまであった。いらぬことを! 

だけど、鉄道好きにとってにはきっとたまらない場所なのだろうなあ。一両、もしくは二両だけのディーゼル車に乗って、海辺の小さな町に降りて、そこに珍しい無人駅があってふらりと散策して、また帰ってくる旅。乗り鉄じゃなくてもワクワクする。

帰りの列車「キハ系統」

ちなみにわたし、「キハ系」の気動車が「匂いでわかる」という謎の特技を持っている。田舎の地元のアシが「キハ系統の気動車」だったというだけだけど、エンジンの匂いと、なつかしいその音でわかる。これはもうじゅうぶん乗り鉄の素質があるのではなかろうか。

こちらが駅と余部橋梁の全景。右のほうにあるのが余部クリスタルタワーという透明のエレベーターだ。(やっぱりわたしにはちょっとこわかった)

右の緑っぽいのがクリスタルタワー

道の駅の近くに設置されていた看板。

かつての鉄橋の一部が残されている。この感じ、スチームパンク好きにはたまらない、かもしれない。わたしは好き。

わりと好きかも

周辺の町の風情も旅情にあふれている。

この特徴的な建物の壁は、「焼杉板」といって、表面を焼いた厚い杉板を貼っている。これは、表面を炭化させることで、潮風からの劣化を防ぐ効果があるのだという。海辺の町の風情にもなり、統一感があって美しい。

港に佇む、漁師小屋と舟。

ぜんぜん関係ないけど、城崎温泉へ戻る電車を待ちながら、いよいよすることもなくなって海辺をウロウロしているとき、むかしアイスランドのイーサフィヨルズルという海辺の港町を旅したときに、出航する船を待ってそこで3日くらい過ごしたことをふと思い出した。

あの旅のときも港でただ待っていたなあと。潮の匂いとか、海辺の雰囲気とか、ただ待っていて、心細いような、でもどこまでも自由で孤独な感じ。その感覚がふわっと蘇ってきた。ああ、それを思い出すってことは、わたしがいま旅の真ん中にいるってことだな、と思って、うれしかった。わたしはまた旅ができているんだ。

さあ、そろそろ駅に戻ろう。駅に戻ると、ちょうど駅長さんもお散歩から帰っているところだった。餘部駅の駅長さんは、カメだった。ゆるい…。そして、か、かわいい。

カメ駅長

餘部駅での注意点

さて、餘部駅に行く時の注意点をお伝えしたい。それは食事のタイミングだ。
城崎から餘部までは約1時間。そして折り返し城崎まで戻る次の電車を待つまでの間が、約1時間半くらいある。そして餘部から城崎までが1時間。この間に遅めのお昼を食べようと計画していたら、大変なことになった。

食事ができるところがないのだ。道の駅があると思って安心していたのだが、なんと道の駅の食堂の食券はすべて売り切れになっていた。これもサイコロきっぷ効果なのだろうか。恐るべしサイコロきっぷ。

しかたなくわたしたちが食べたのは、ふたりで一個の「但馬牛肉まん」のみ。360円。これがめちゃくちゃおいしかった。おなかがペコペコだったからか、海辺の開放感か、それとも但馬牛のポテンシャルの高さゆえか。

但馬牛肉まん

休日に餘部駅に行かれる際は、食事時間とそのタイミングには注意が必要である。

城崎温泉駅

サイコロきっぷの目的地は「餘部」。城崎温泉駅で途中下車可能ということだが、おそらくサイコロきっぷで旅をしたほとんどの方が、この城崎温泉をメインの滞在先にされていると思う。

何しろ駅名に「温泉」と入っているだけあって、外湯が7つもあって、温泉めぐりが楽しい場所だ。

城崎温泉は、かつての「文豪たちの人里離れた湯治場」というイメージはすっかりなくなって、しっとりした昔ながらの町並みと新しくポップでおしゃれなカフェなどが混在する、にぎやかで楽しい場所になっていた。若いひともたくさんいて町中に活気があった。

町に活気があるのは単に連休だからなのか、サイコロきっぷ効果なのかはわからないけど、楽しそうな若いひとたちを見ていると、また旅がたのしめるようになってよかったね、と心から思う。

かわいいラベルの地ビール。

お天気はあまり良くなかったけれど、旅に来たひとも、迎えるひとも、ワクワクする雰囲気が町全体に戻ってきていた。みんなが「そうそうやっぱりこうでなくっちゃね」というかんじでニコニコしている。なんかそういうのっていいなあと思った。

「ただいま入湯制限をしておりますので、少しお待ちくださ〜い」と言っている温泉のおじさんが、なんとなく誇らしげで、笑顔でウキウキと忙しそうだったのもよかった。そんなに待たずに順番がやってきて、「お待たせしましたあ〜」と笑顔で迎え入れてくれた。楽しそうにテキパキと忙しくしているひとを見るのはいいきもち。

温泉スイッチ入った

最初に入った温泉はこちら。「鴻(こう)の湯」

看板にもある通り、ちょっと外れたところにある外湯。ここがなかなか良くて、露天風呂からのしっとりとした緑がきれいだった。歩いているときの雨はちょっとうっとおしいけど、露天風呂に入っている時の小雨はぜんぜんいやじゃなくて、むしろ心地よく感じるのはなんでなんだろう。

日本はどこの県にも温泉がある。それってちょっとすごい国だよなあと思う。

さて、47都道府県の旅をしたいってこと、夫に打ち明けないとな。今回はそのためにいっしょに来たのだ。

カニを食べながら打ち明けた

食事は、海鮮居酒屋的なところに入り、好きなものだけを食べた。いままでは外食するときも、子どもが食べれるもの、子どもがお腹いっぱいなりそうなものを選んできていた。

わたしはついその癖が出てしまって、

「ほら丼とか定食もあるよ」
と言ったら、

「もう好きなものだけをチマチマ食べよう」

と夫が言った。

そうかわたしたちはもう、好きなものだけがちょっとずつ食べれるのだ! 
大人って、最高だ!

白イカお造り、焼きガニ、小フグの唐揚げだけを食べた

子どもも大きくなった。もう、いろんなことを気にしすぎなくてもよくなった。好きなものだけ、好きなことだけを選んでいけばいいのだ。よし、この流れでうちあけよう。

「子どももだいぶ手が離れたことだし、ライフワークとして47都道府県の服をめぐる「いとへんの旅」に出たいと思っているのだけど」

すると夫は、あらかじめなんとなくわかっていたようで、

「ええよ。まあおれもいっしょに行けそうな時はついて行くわ」

と、あっさり了承。まあ、そういうタイプだとは思っていたけれど。

ビールと白イカのお造り

夫:「でもなんか、弱いな」
わたし:「えっ?どういうこと?」
夫:「47都道府県じゃなくて全市町村くらいの勢いじゃないと」

な、なんですって…?

夫:「もしくは変態さが足りんな」
わたし:「はあ?」
夫:「日本全国のとんでもない奇祭を渡り歩いたとか、47都道府県の酷道を制覇したとか、もっと変態的でマニアックな何かが欲しい…」
わたし:「服への偏愛で許してくれないでしょうか」
夫:「まあそれでもいいか」

夫のほうが、何枚もうわてだった…。

翌日は、そんな夫とともに、カバンと縫製業のまち豊岡にて「47都道府県 いとへんの旅」の前哨戦のような旅をしたのでした。とてもいい出会いがあった。でもその話はまた今度。

廃棄される漁網を再利用したボタンや再生繊維
カバンと縫製業のまち豊岡の「カバンストリート」
地域に根ざしてものづくりをするひとたちに出会えた

というわけで、47都道府県服をめぐる「いとへんの旅」
家族の理解も得られたことだし、すばらしい前哨戦もできて、もうすっかりこちらの準備は整った。

(ですので、どうぞ、よろしくお願いいたします)

城崎温泉での注意点

ああそうだ、城崎温泉での注意点についていくつか。今回の記事では、サイコロきっぷのことと、行き先についてのことを中心にかきたかったため、順不同に書いた。じっさいは、1日目に城崎温泉、豊岡のホテルに宿泊、2日目の午前に豊岡、午後から餘部に向かった。

城崎温泉での注意点はまず、思ったよりも店じまいの時間が早い、ということだ。

1、店じまいの時間が早い

おみやげ物屋や、酒屋の店じまいの時間が早かった。だいたい5時〜5時半にはしまってしまう印象だ。地元の地ビールや地酒を購入してホテルで飲もうと思ったら、閉まりかけていたお店もあったのでちょっとあわてた。ちなみにきのさき文芸館は、4時40分に行ったらもう閉まってた。入場が4時半までだった。文芸を学ぶ大学生、文芸館に入れず。(あかんやん)

2、駅弁の購入や予約はお早めに

餘部で昼食が取れなかったので、帰りに駅弁を購入することにしたのだが、駅の売店では早々に売り切れ、もしくは予約でいっぱい。駅前のテイクアウトのお弁当屋さんも長蛇の列だった。並んで待ってようやくゲットできたのは出発5分前のこと。けっこうヒヤヒヤするので駅弁の確保はお早めに。

3、カードよりも現金が強い

カードよりもまだまだ現金が強かった。現金の方が処理が早い。現金は持っていた方がいいなと思った。

4、タオル持参がオススメ

外湯めぐりにはタオル持参がオススメ。

5、お土産はいいと思ったときに買うべし

これは旅の鉄則だけど、店じまいが早いのでしみじみそう思った。

6、コインロッカーは駅よりも旅行案内所の方が少し安い

荷物を持って外湯めぐりも大変なので、コインロッカーに預けたい。そんな時は駅の改札を出ですぐのところにコインロッカーがたくさんあるので安心。400円〜
もし時間に余裕があれば、駅前のロータリーの道をはさんだ向かいにある旅行案内所横のコインロッカーのほうが、ちょっとだけ安いよ。300円〜

ご参考までに。

列車の旅のフォトアルバム

気づいたんだけど、わたしただ乗り物に乗っているのが好きなのかも。移動が好きなのだ。ぼーっとしたり、本を読んだり、景色を眺めたり。悩んだときは乗り物に乗ればいいんだな。そんなわたしが撮った、車窓と列車の旅のフォトアルバム。

行きは大阪発の特急「こうのとり」
サイコロきっぷ
車窓から黒豆畑
篠山口
福知山城
福知山で特急「きのさき」に乗り換える
きのさき5号
城崎温泉駅にて
ああ日本海 なんだか愛おしい町並み
線路を渡るシカを見た
カニ色のキハ
なんかすきな駅 「たけの」駅
車窓からの城崎
夕焼けの城崎温泉駅
夕焼けに映える特急「こうのとり」 
やっとありつけた駅弁 かにずしと但馬牛めし
山よしのお弁当 駅前にあるよ 牛めしがかなり美味しい
カニだ!

駅弁の写真がやたらと多めなのは、やっと美味しいものにありつけてうれしかったから。



いっぱい乗り物に乗れて、ぼーっとできて、温泉にも入れて、47都道府県「服をめぐるいとへんの旅」の練習もできて、大満足のサイコロきっぷの旅だった。

・カバンと縫製業のまち兵庫・豊岡「カバンストリート」(タイトル仮)
・旅とブンガク|城崎にて城の崎にて

↑こちらは近日公開予定!


最後までお読みいただいて、ありがとうございました!

それではみなさま、よい旅を!


▼広島発サイコロきっぷ


いいなと思ったら応援しよう!

タケチヒロミ(Roulottes) 応援ありがとうございます! コツコツ旅貯金します!