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正しく知れば怖くない。ケトン体と糖尿病の関係を、ちゃんと理解する

「ケトン体って、なんか体に悪そう。」

「糖質制限って危険じゃないの?」

こういった声を、実際によく耳にします。

結論から言います。

インスリンが正常に分泌される方にとって、ケトン体は危険ではありません。

ただし、特定の条件が重なったとき、

ケトン体が作られすぎて血液が強い酸性に傾く

「ケトアシドーシス」という危険な状態になることがあります。

症状は激しい口渇、頻尿、倦怠感、吐き気、腹痛など。

重症化すると意識障害に至ることもある、生命に関わる状態です。

では、その「特定の条件」とは何なのか。

ここをきちんと理解することが、今回の肝になります。

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鍵を握るのは「インスリン」

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インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンです。

ホルモンとは、血液に乗って遠くの臓器や細胞に指令を届ける伝達係。

よく聞くアドレナリンも、副腎から出るホルモンのひとつです。

インスリンの役割はシンプルです。

血糖値が上がったとき、全身の細胞に「糖を取り込みなさい」と命令を出すこと。

食後の流れで言うと、こうなります。

食事をして血液中のブドウ糖が増える

 ↓

血糖値が上がる

 ↓

膵臓のβ細胞がそれを感知

 ↓

インスリンが血液中に放出される

 ↓

全身の細胞がブドウ糖を取り込む

 ↓

血糖値が下がる

そしてもう一つ、重要な働きがあります。

インスリンには、脂肪の分解を抑える作用があるのです。

つまり、インスリンが出ている状態では

脂肪の分解によって生まれるケトン体は、作られにくくなります。

言い換えると——

インスリンが正常に分泌される人は、

ケトン体が際限なく作られ続けることがなく、

ケトアシドーシスにはなりません。

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危険になるのは「1型糖尿病」の方

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では、インスリンがほとんど分泌されないケースとは何でしょうか。

それが主に、1型糖尿病の方です。

ここで、糖尿病の2種類についても整理しておきます。

【1型糖尿病】

免疫システムが誤って自分の膵臓のβ細胞を攻撃する自己免疫疾患です。

その結果、インスリンをほとんど、あるいはまったく作れなくなります。

インスリン注射が欠かせない状態で、

生まれつき、または若い年齢で発症することが多いのが特徴です。

【2型糖尿病】

生活習慣や遺伝的要因によって、インスリンの分泌量が減ったり、

効きにくくなったりする状態です。

日本の糖尿病患者の90%以上がこの2型と言われています。

2型の場合、インスリン自体は分泌されています。

1型糖尿病の方は、食事をして血糖値が上がっても、

インスリンがほとんど分泌されません。

インスリンがなければ、ブドウ糖は細胞に入れずエネルギーとして使えません。

エネルギーが届かない細胞は、代わりに脂肪を分解し始めます。

その結果、ケトン体が大量に作られ続け、処理しきれなくなる——

これが「糖尿病性ケトアシドーシス」です。

一方、2型糖尿病の方はインスリンが分泌されているため、

例外を除けばケトアシドーシスには陥りません。

むしろ、ケトン体を上手に活用できるケトン体質への移行が、

健康改善に向いていると考えられます。

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もうひとつの誤解——検査項目の話

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「ケトン体は危ない」という誤解が生まれるもうひとつの理由があります。

それが、糖尿病の検査項目にケトン体が含まれていることです。

尿検査や血液検査で「ケトン体の値」を調べることがあります。

これは主に、糖尿病性ケトアシドーシスのリスクを確認するためのものです。

この検査の存在が、

「ケトン体=糖尿病に関係する危ないもの」

というイメージにつながっているケースが多いのです。

でも、正確に言うと——

ケトン体そのものが危険なのではありません。

「インスリンがほとんど分泌されない状態で、ケトン体が過剰に作られること」

が危険なのです。

ここをしっかり切り分けて理解することが、とても大切なポイントです。

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まとめ

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・ケトン体が危険になるのは、インスリンがほとんど分泌されない

 1型糖尿病の方など、ごく限られた条件下の話

・インスリンが正常に分泌される方にとって、

 ケトン体は危険なものではなく、体にとって有益なエネルギー源

・糖尿病の検査項目にケトン体が含まれることが

 「ケトン体=危険」という誤解を生んでいる

・2型糖尿病の方も、多くの場合インスリンは分泌されているため、

 ケトン体質への移行はむしろ健康改善に向いていると考えられる

ケトン体質への移行は、多くの方にとって安全であり、

健康への近道になると——実体験を通じて、そう感じています。

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