ぜんぜん売れてなかった手帳が、あるポストをきっかけに爆売れした話
2年前に僕は、ある手帳を作りました。
『編集者のための〆切手帳』です。
なぜ作ったかというと、シンプルに〆切を守れるようになりたかったから。編集者という仕事は、いろんなプロジェクトが並行で走っていて、それをきちんと管理する必要があります。
でも、そのためのちょうどいい手帳が見つからない。「ならば、いっそ自分で作っちゃおう」と思って作ったのが、この手帳でした。
まさに編集者である自分のために作った手帳だったんです。
自分たちで作り、自分たちで売って、ほぼ完売
初めて「物販」をするということもあり、気合いが入っていました。
部数は2000部。
「売れなければ大赤字だ!」ということで緊張感もありました。
売れっ子のデザイナーさんにお願いして、印刷所、製本所のみなさんとたくさん議論して、何度も試作品を作って、最高の1冊を作りました。
販売面でも、特設のかっちょいいサイト(上のやつ)を作ってもらい、AmazonとBASEで売りました。また、制作の裏側や手帳の魅力をnoteに書いて広めていきました。
〆切手帳、無事に発送完了しました!
— とよふく|編集者 (@min10_green) November 15, 2023
予約期間中にもかかわらずご注文頂いたみなさま、本当にありがとうございます!
よろこんで頂けるとうれしいです…!
そして本日より通常販売がはじまりました。迷われている方もぜひご検討ください✨https://t.co/mDC7zwsRqN pic.twitter.com/RipmjtLKXJ
注文が入ったら、ラベルに住所などを印字し、封筒に貼り、一冊一冊、手帳を封入していく。毎日、郵便局に持っていって配送してもらいました。
こうして『〆切手帳』は順調に売れ、春にはほぼ完売しました。
2年めの油断
それに気を良くした僕は調子に乗りました。
「2025年版はもっと多くの人に届けるぞ!」と思いました。
書店や文具店にも置いてもらいたい。でも、僕らは流通網を持っていません。そこで「ディスカヴァー・トゥエンティワン」という出版社に話を持ちかけて、販売を委託させていただくことにしました。
部数は約3000部。そのほぼすべてをディスカヴァーさんに卸して、売っていただくことにしたのです。
しかし……思うようには売れませんでした。
特に書店や文具店などの店頭では動きが鈍かった。
僕としては、もう少し店頭でも売れてくれるかなと思ったのですが、やはり僕を知らない、そして裏側のストーリーを知らない人にとっては「よく分からない商品」だったのでしょう。
「編集者のための」と銘打ったことも裏目に出た気がします。店頭の人にとっては無意識に「自分とは関係ないもの」と判断され、スルーされてしまったのだと思います。
1年めにストーリーを語り尽くしてしまったことで、SNSなどでの販促も効果的なものができませんでした。「今年は販売を委託しているから」という油断もあったのだと思います。
ディスカヴァーさんも店頭での販促やポップ、バナー作成、プレゼント企画などいろいろやっていただきました。
でも、なかなか状況は変わりませんでした。
正直にお願いするしかない……
とにもかくにも、売れない。
年が明けるとディスカヴァーさんから「これだと大量に返品することになりますよ」と言われるようになりました。
それはマズい。
販売施策としていろいろご提案をいただいたのですが、その中のひとつに「値下げ」がありました。やはり、値下げをするとそれなりに反応があるのです。
「値下げをするとうちとしても負担になるので、WORDSさんにも一部負担してほしい」という話も出ました。
そもそも双方が納得した値段で卸しているので、そこからのさらなる負担は僕らとしても想定外です。それに、デザイナーさん、印刷所・製本所のみなさんとがんばって作ったものなので、むやみに値下げもしたくない。
そこで「もうこれは正直にみなさんにお願いするしかない」と思って、ひとつのポストをしました。
正直に言っていいですか……
— 竹村俊助 | 株式会社WORDS代表 (@tshun423) March 9, 2025
〆切手帳、2024年版は目新しさや僕の賑やかしもあり、ほぼ完売したんですが、2025年版は想定よりも売れておらず「値下げするからその分負担してくれないか」と言われております。
なので、何が言いたいかというと……ぜひ買ってください!!https://t.co/04NamDD057
「ぜひ買ってください!」
シンプルなお願いでした。
「これで1冊でも2冊でも売れるなら……」と思っていました。
が、少しスマホから目を離して、再びXを見ると、なぜか「いいね」が増えています。「あれ? なんだろう?」と思っていると、Miyuさんという方のこの引用リポストが目に入ったのです。
これ「編集者の」だけど、実はオタ活にぴったりなことを発見してしまいまして。オタクって1公演に対して、申込や入金の期間があったり、ホテルや交通機関を取るToDoがあったりしてまさにプロジェクトなのですが、その管理に〆切手帳が最適なんですよ。表紙もシンプルだからステッカーも貼れるし。 https://t.co/3laRK6Xygp
— 𝓜𝓲𝔂𝓾 (@miyukii_tw) March 9, 2025
このポストが、僕のポスト以上にバズっていたのです。
「これは"編集者の"だけど、実はオタ活にぴったりなことを発見した」という内容でした。
「なるほど! そういう使い道もあるのか!」
僕は驚きました。もちろん、プロジェクトが並行して進んでいる人たちにとっては編集者でなくても使える手帳だとは思っていたのですが、オタ活や推し活に使えるとは思っていませんでした。
この投稿をきっかけに、オタ活をやっている人たちから「これはいいね!」とか「試してみたい!」という反応が相次ぎました。
↑そのときの様子はこちらに。
商品が届いた方からは「こういうふうに使ってるよ!」とか「こういうふうに使うといいかも」みたいな投稿もありました。
結果、一時期はAmazonランキングで総合40位ほどになり「爆売れ」を果たしたのです。1日に100冊以上売れた日もありました。
本当にありがとうございます!!
ということで言いたいのは、
Miyuさんはもちろん、反応してくださった方、広めてくださった方、買ってくださった方、ありがとうございます!!
です。
今回の件で反省点もいくつか見つかりました。
ひとつは「編集者のための」というのがちょっと狭すぎたなということです。差別化するため、特徴づけるために、ある種ターゲットを絞れば話題になるかなと思ったのですが、そもそもスルーされてしまっていた。なので来年は「編集者が考案した」くらいにしようかなと思っています。
ということで、めちゃくちゃありがとうございました。ただ、まだ在庫はあるのでぜひまわりにも勧めてもらえると嬉しいです🙏(2026年の3月まで、まるまる1年使えます。)
〆切手帳で、4月から人生を変えましょう!!
