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「現象」は「問題」ではない|記事紹介

例えば、ある会社の売上が下がったとします。
多くの人は、

「問題」だなあ

と考えます。
でも、ちょっと考えればわかるのです。

売上が減ったのは

ただの「現象」

であって、解決すべき「問題」ではありません。
なぜなら、売上が下がっても、利益が上がっていれば、むしろ喜ぶべきだからです。
多くの会社にとって、解決すべき問題は

「利益を上げる」であって、
「売上を上げる」ではありません。

当たり前だろ、と思うかもしれませんが、
現実にはこういう例がとても多いです。

そして、実は

子育ても同じ

なのです。

例えば。
赤ちゃんと在宅ワーク中、その赤ちゃんが泣いたとします。
赤ちゃんが泣くのは「現象」です。
なぜなら、赤ちゃんは泣くのが仕事だから。笑
赤ちゃんが泣くこと自体は「問題」にはなりません。
あなたが本当に解決すべき「問題」は、

あやすために仕事ができなくなること

です。

読めば

そんなの当たり前やんけ

と思うじゃないですか。
でも、現実には、多くの親や保育士、教師といった大人たちが、

現象と問題を取り違える

ことで、悲しい思いをしています。

今回はそんな記事のご紹介です。

筆者のフエエナガさんの一人娘なぴさんは、「知的障害のない、軽度の自閉症」と診断されています。
人からはほとんどわからず、見た目には定型発達児とあまり変わらないのだとか。

でも、その「わかりづらさ」が、フエエナガさんとなぴさんを苦しめます。
フエエナガさんは、例えるなら

常につま先立ち

で生きなければならない状態、と表現します。

記事では、そんな生きづらさを象徴する、こんなエピソードが綴られています。

「床に落ちちゃったおかずを、残していいですか?と言ってくることがあるのですが、今日改めてよく見ていたら、なぴちゃんはわざと床に落としていました」とのこと。
要するに、「落ちちゃったから食べられない=残してもいい」という状況を自ら作り出していたのです。

これは、通われていた幼稚園の先生の談。
苦手なものを食べるのにも、人より努力が必要なお子さんだからこそ、このような

悲しい誤学習

をしてしまったのです。
もう、読むだけで胸に迫るものがありますよね。

さて、このエピソードは親であるフエエナガさんの視点なので、

娘さん

の誤学習に焦点が当たっています。
でも、ことの本質は

支援者側

の誤認にあるのでは、と感じました。

娘さんが給食を完食しない。

これは一見「問題」に見えますが、
冷静に考えればただの「現象」です。

ところが多くの支援者は、給食を完食しないという目の前の「現象」を「問題」だと誤認し、

「現象」を解決

しようとしてしまいます。
この幼稚園も同じで、

「給食を完食しない」という
「現象」を解決

しようとしてしまったので、

「あと一口!」と応援して、
「食べたら褒める」を繰り返す

というアクションを取り続けました。
その結果が、あの「悲しい誤学習」です。
だれもハッピーじゃありません。

あれれ?
と、何か思い出しませんか。

そうです!冒頭の

「売上減は問題だ!」
と言っている人と同じ構図

なのです。

では、本当に解決すべき「問題」は?
はい。当たり前すぎて書く気にもなりませんが、

「常につま先立ち」の娘さんが、
楽しく幼稚園で過ごすには
どうすればいいか?

です。
支援者はそのためにいます。
給食を完食させるためにいるわけじゃない。

支援者側が解決すべき問題を取り違えてしまったことで、このような悲しい出来事が起きてしまいました。

でも、この誤学習を受けての幼稚園の対応は、「残したいと言ったら残すことを認める」というものだったそうで…

この日を境に「本人が食べ切れないときは『残してもいいですか』と本人が言ってきたことを評価して、残すことをそのまま許可してほしい」と配慮の内容を変更しました。…(中略)…誤学習している事実を受けて、その後は本人の食べられる量だけ食べることを認めてくださいました。

その後は本来の問題解決に向かっていってくれたのかな、と思います。

このエピソードだけが特別なわけじゃありません。
日々子どもと向き合う私たち親も、これと全く同じ落とし穴にハマる可能性があります。

こうしてNoteに記録を残したり、
冷静に振り返る時間をつくることで、

本当に解決すべき「問題」は何なの?
「現象」を解決しようとしてない?

と問い続ける必要があるな、と。
そんなことを感じながら読ませていただきました。


以上が記事単体のご紹介になります。以下は余談。

この記事を読んで、発達の問題に関心を持たれた方は、ぜひフエエナガさんの過去の記事を全て読んでみることを強くおすすめします。

全ての記事を通じて一貫しているのですが、
私のような、「発達の問題に関する事前知識ゼロ」の状態の人間が読んでもすんなり頭に入る、

状況説明力の高さ

に加え、エモーショナルな部分も包み隠さず、なおかつ的確に表現する

文学的な表現力の高さ

を高次で両立させていて、非常に洗練されたというか、

清潔な文章

ばかりです。
読み手がつっかえる部分がほぼありません。

これはもうお人柄だな~!と思ったのですが、ペンネームに使われている「育児とまなびのノート」について、敢えて「学び」としていない点にも、

ユーモアを忘れずに

というフエエナガさんのモットーがにじみ出ているな、と。
「学び」って書くとどこか机上の学習っぽくてとっつきにくくなりますが、「まなび」と書くと、ユーモラスな要素も相まって全体的に丸い雰囲気になるじゃないですか。

凡事徹底。神は細部に宿る。
こうした細かい配慮の積み重ねが、全体を通じて清潔な文章につながっているな、と感じます。

ここまで言葉を尽くしてなお「う~ん?」と思っている面倒くさがりなあなたのために、いくつかの記事をハイライトしておきますね。笑

まず一つ目は、発達の診断を受ける前の記事です。

娘の未来を信じたくて、
その時できることは、もう本当に、
なんでもやりました。
(全て、子どもの発育には良いとされることです)
そして、私はのちに気がつくのです。
“努力”だけではどうにもならない領域があるということに……。

「のんびりさんなだけ」と思いたかった 〜娘がASDの診断にいたるまで【その①】〜|フエエナガ|育児とまなびのノート

今回の記事紹介でも「どんなにがんばっても評価してもらえず、さらに努力を要求される環境は、人を疲弊させます。」とありましたが、ご自身がお子さんの問題で、努力だけではどうにもならないことがあると気づかれたからこそ、お子さんのお気持ちがよくわかるようになられたのかな、と思わされます。

その後、実際に検査を受け、親としてどうやってお子さんと向き合っていくか、基本的なスタンスが確立されるまで。

その後、保健師さんの勧めもあり、簡易的な心理検査を受けることに。
(新版K式発達検査、というもの)
そこで担当の臨床心理士さんにこう告げられます。

「お母さん、発達障害ってご存知ですか?」
聞いた瞬間、私の中の恐れや疑念が一気に脳内を駆け巡りました。
そこから先の話は、今でもあまりうまく思い出せません。

この子を受け入れられなくなることが一番怖かった 〜娘がASDの診断にいたるまで【その②】〜|フエエナガ|育児とまなびのノート

「視力の弱い人は、メガネをかけなければ生活できないけど、
メガネさえあれば、普通の日常生活を送ることができる。
それと同じで、発達障害のある子も合理的配慮を受ければ、
普通に生活することができるんだよ。」

まさに、“目から鱗”でした。

それまでの私は、
「支援を受ける=周囲に大きな負担をかけること」だと思い込んでいました。
でも、合理的配慮とは、障害のある人にとっての“生活のための道具”。
そのことに、初めて気がついたのです。

少しずつ…私は願うようになっていきました。
“私も、娘との育児を楽しいと思えるようになりたい”と。
そして、腹を括った私は、
娘との育児を、“ユーモアで包む”ようになっていったのです。

“このままじゃいけない”と動いた朝 〜娘がASDの診断にいたるまで【その③】〜|フエエナガ|育児とまなびのノート

「ユーモアで包む」とは、具体的にどういうことなのかをユーモラスに描かれた記事。

今思い返すと、この頃から、こだわりの強さはすでに光っていました。
そして、今でもその片鱗は健在で、
• お絵描きが少しでもうまく描けなかったら、紙をくしゃくしゃに丸めてポイ!!
• ゲームで負けたら「もうそれ捨てる!!」
• ごはんが思ったより熱かったら「もう一生ご飯食べない!!」
…などなど。
このような、“失敗をきっかけに、すべてをゼロにしようとする状態”のことを、私はひそかに「陶芸家モード」と呼んでいます🫠
──自分の心の平穏を保つために(笑)

…(中略)…

子ども自身の“落ち着き方”を一緒に探していく…
そんな時間も、振り返ってみると案外、
親子で成長を感じられる貴重な時間だったりするのかもしれません。
しんどいことも、ユーモアで包むと、
ちょっと笑えてきて、楽になることもある。

なぴのほぼすべらない話①|職人気質すぎる2歳児|フエエナガ|育児とまなびのノート

ただでさえ子どもの自我が芽生えだす時期ってキツイのに、ご心労いかばかりだったか。。。
それでも健気に、育児を楽しむんだというスタンスが一貫されていて、読む人間の心を打つものがあります。

また、今回の紹介記事は幼稚園時代のお話でしたが、小学校に上がられた際の同様のエピソードもあります。

到着すると、担任の先生がすぐに駆け寄ってきて、
「よく来れたね!えらいよ」と優しく声をかけてくださいました。

それでも娘は泣きながら、「もう帰りたい…」と繰り返します。

そんな中、他のクラスのベテランと思われる先生が近づいてきて、
「嫌なのは今だけだから、がんばれ!」と、やや強い口調で言いました。

きっと、その先生なりの励ましだったのでしょう。
でも、恐怖と不安で半分パニック状態の娘にとっては、まるで火に油を注ぐような一言…。

娘は俯いたまま動かなくなってしまいました。
顔をのぞくと、目には涙が浮かんでいます。

「行きたくない」は、心のSOS——合理的配慮の必要性|フエエナガ|育児とまなびのノート

幼稚園時代の努力強要エピソードから入った皆さんが痛感すると思うのですが、何なんですかね、この支援者側の一貫性のなさは。笑
いや、学校の先生だっていま猛烈に大変だってことは理解しているんですが…。読者としてこうして娘さんの成長の過程を追っていくと、なんとかならないものかなと、より一層考えさせられます。

続いては、発達の診断後に支援者側が手のひらを返してとたんに寄り添うようになってきた、というエピソード。

どの子もその子なりの“苦手”や“こだわり”を抱えていて、それを理解しようとする視点こそが、支援や教育の出発点になると思うんです。

たとえ診断があってもなくても、
「この子の困っていることって、なんだろう?」
「今、何が必要なんだろう?」
と考えてもらえる環境が、もっと広がっていったらいいな。

診断がつく前と後で、先生の反応が変わった話。|フエエナガ|育児とまなびのノート

これも歯がゆい。
人間の「標準規格」を勝手に作って、そこから一歩でもはみ出したら特別扱い。
以前ご紹介した、自己家畜化の議論とそっくりだなと感じました。

お次はお子さんの成長の話。

挨拶って「しつけだから」とか「礼儀だから」と言われがちだけど、
なぴはもっとシンプルで、前向きな理由でやっている。

「カッコいいからやる」
それは外から与えられた義務感からではなく、
自分なりの価値基準からくる行動だ。

「だってカッコいいから」娘の挨拶のワケ|フエエナガ|育児とまなびのノート

ここまで読み進めてきた読者の心には、このようなキラリと光る成長のエピソードがより深く沁みわたることでしょう。

最後に、少し抽象的になりますが、フエエナガさんの考える「良い寄り添い」について。

では「良い寄り添い」とはどういうことかというと、
相手を無理に変えようとせず、思いを受けとめ、相手が「自分は自分のままでいいんだ」と思える関わりをすることだと思います。

寄り添いと自分を満たすこと、そのつながりについて|フエエナガ|育児とまなびのノート

何のことかピンとこなかった方は、まず全記事読みましょう。
読み終える頃には、「配慮」って何、とか、「寄り添い」って何、といった問いについて、自分なりの言葉で語れるようになっていると思います。

以上、長い余談でした。


蛇足的補足

今回の記事紹介では、

現象と問題の違い

にフォーカスして解説させていただきました。
というのは、フエエナガさんご自身がこういったアプローチで問題解決に取り組まれる姿勢が光ったからです。

学校への違和感やモヤモヤを感じたとき、
私がまず意識したのは「感情のまま動かない」ことだった。
当初、私は「学校とケンカがしたいわけではない」と思っていたけれど、
それでも腹立たしさや悲しさは簡単には落ち着かなかった。

そこで一旦、感情をメモに吐き出してみた。
“何が起きたのか(事実)”と“それをどう感じたのか(感情)”を整理していった。

たとえば、
「2年生の時に個別級への転籍を選ばなかったことを“惜しかった”と言われた(事実)」
「これまでの一般級での努力や、家庭での支援の仕方を否定されたようで腹が立った(感情)」
といった具合に、書き分けていった。

無料部分より抜粋

はい。
私と使っている言葉こそ違いますが、フエエナガさんも

「事実」と「感情」

という言葉で、現象と問題を切り分ける、ということをやっておられます。
この切り分け、言われてみれば普通のことなんですが、畳の上の水練のようなもので、知るとやるとじゃ大違いなんですよね…。
偉そうに書いている私自身もよく失敗しています。

それをナチュラルにやってのけるフエエナガさん。
ご自身の言葉には謙遜が散見されますが、実は多分バチクソ賢い系の方です。笑

そんなバチクソ賢い方が書かれた、「学校とのすれ違いのほどき方」。
ぜひご購入の上、読んでみることをお勧めします!

(ご参考 1/2)現象と問題についてもっと知りたい方へ

フエエナガさんと同じく、バチクソ賢い系の方が書いた本です。
これ1冊読んでおくと、見える世界がマジで変わります。
全人類におすすめ。

(ご参考 2/2)あなたの記事を紹介させてください!

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東大卒2児ママの夫 お気持ちめちゃくちゃ嬉しいです!でも、本当にいいんですか?