新型コロナ後は“やむを得ない理由”というのは通じない?〜令和6年の非公開裁決に見る最新動向〜
税務情報誌の「2025年07月25日 税のしるべ」にて非公開裁決についての記事がありましたのでそちらをnoteの読者の方に分かりやすく、また私の見解なども用いて書かせていただきます。
2023年5月8日、新型コロナウイルスは感染症法上の「5類」に移行しました。
これにより、私たちの生活や事業活動も一気に通常モードへと戻りつつありますが、税務の世界ではこの「移行後」に関する判断がすでに下されつつあります。
2024年6月に公表された、国税不服審判所による令和6年10~12月の裁決事例には、新型コロナに関連する非公開裁決が多数含まれていました。これらの事例に共通していたのは、コロナ感染を理由とした申告期限遅延や、青色申告承認の取り消しへの異議申し立てです。
しかし、これらすべての審査請求が「棄却」(要は認められないということですね)されておりました^^;
「コロナで申告が間に合わなかった」は通じるのか?
ある事案では、税務代理人が申告期限の1週間前に新型コロナに感染し、体調が深刻だったことから「やむを得ない理由」により申告が遅れたと主張しました。
請求人は、国税通則法第11条に基づく「災害による期限の延長」を申請しましたが、以下のような理由から退けられました:
税務代理人が入院していたわけではない
医師から「絶対安静」などの行動制限を受けていなかった
実際には、代理人が申告期限内に申請行為をしていた
このように、たとえ体調が優れなくても「物理的に申告ができなかった」ほどの状況とは認められない、というのが判断の根拠でした。
個人的にもこのような状況であれば認められないのも仕方ないと思います。
「青色申告の取消し」も厳格に判断
別の事例では、税理士法人がコロナの影響で青色申告書の作成が遅れ、2年連続で期限内提出ができなかったケース。
(青色申告でも期限内申告が2期続くと青色申告が取り消されて再度青色申告をするのに2年以上かかります^^;)
この場合、請求人は「国税庁長官の指針にある“特別な事情”に該当する」と主張しましたが、審判所は「単なる人手不足が原因」として認めませんでした。
つまり、外的要因(コロナ)を背景にしていても、内部管理の不備があると判断されれば、税務上の救済は受けにくいということです。
「5類移行前後で扱いが変わるのは不公平」は通らず
さらに、5類移行後の2ヶ月(2023年7月)を境に扱いが異なるのは「租税公平主義」に反するとして異議を申し立てた事案もありました。
しかし、審判所の判断は明快でした。
「5類移行前後で“同様の状況”とは認められない」
つまり、社会全体の状況が変わったことを踏まえれば、その取扱いが変わるのは当然というスタンスです。
まとめ 事業者が心得ておきたいこととして
新型コロナの影響があったとはいえ、税務上の「やむを得ない理由」「特別な事情」として認められるには、かなり明確かつ客観的な証拠が求められます。
申告・申請は可能な限り期限内に行うこと。そして、万一の遅延時には、必ず医師の診断書や客観的な記録を備えておくことが重要です。
税務全般に通じますが、客観的な資料というのは本当に重要です!
一時の面倒よりもそれを用意しない事へのリスクとを天秤にかけましょう。
備えあれば憂いなし!
本日もありがとうございました<(_ _)>
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