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AIに任せすぎると、計画書が空っぽになる?──「読んで、理解して、修正する」時間が経営を強くする

AIに書かせても、“想い”までは書けない。
補助金11件をAIで作成し8件を通して(採択されて)気づいた
「読む時間」の大切さ。*

AIを使って成果を出したからこそ、見えてきた“限界”がありました。

先日採択者が発表された第17回小規模事業者持続化補助金。久しぶりの公募ということもあり、商工会議所・商工会からの支援依頼がありました。

そんななか、事業計画策定の支援を行いました。案件がかなり多くキャパを超えてしまったので、今回はAIさんの助けを大幅にお借りし、11件中8件の採択をいただくことができました。

おかげさまで、AIを使って作業スピードも精度も大きく上がりました。
事業者さんと一緒に想いを整理し、AIに文章を整えてもらう──
その流れが、ここ1年ほどで確実に形になってきたと感じています。

けれど同時に、こうも思うようになりました。
「AIが書いた文章を、自分でちゃんと読んで、理解して、修正しないと、事業者さんに説明できない」ということです。

採択を目指すだけならAIでも十分かもしれません。
でも、採択の“その先”──報告や実行の段階になると、
「なぜこう書いたのか」を説明できることがとても大事になります。

そのときに必要なのが、人間が読み込む時間なんです。


そんな中で出会った、ある記事。

ある日、とても面白い記事を見ました。
内容は、プログラミングにおける生成AIとの距離感についてでした。

読めば読むほど、「これ、事業計画書づくりにもまったく同じことが言えるな」と思ったんです。

その記事では、「AIが生成したコードを自分がどれだけ読んでいないか」という指標が紹介されていました。

この考え方をそのまま置き換えると――
「AIが作った計画書を、どれだけ自分が読まずに提出しているか」という話になると思います。

AIにどれだけ計画書を書いてもらっても、
自分がそれを全部読んで理解していれば、主導権はまだ人間の側にあります。

逆に、AIが作った文章をそのまま提出しているなら、主導権はAIにある。

この境界線をどう引くかが、実は事業計画書づくりの核心に近い気がしています。


スピードと深さのあいだで

AIに任せていくほど、生産性は上がります。
短時間で整った文章ができあがる。
ただ、そのスピードの裏には、“深さ”が薄まっていく危うさがあります。

AIが書いた文章は筋が通っていても、「魂」が抜け落ちていることがある。

特に補助金申請書のように、採択後の報告や実績説明までつながる文書では、
「なぜこの数値にしたのか」「なぜこの方針にしたのか」が、
自分の中に残っていないと、あとで困ることになります。

だから私は、AIを使って書いた計画書ほど、
「読んで、理解して、修正する時間」を必ず取るようにしています。

AIがどんなに整った文章を出しても、
その言葉を自分の中に落とし込まなければ、事業者さんに説明することはできません。

それが、AIと共に仕事をする上での、最低限の誠実さだと思っています。


AIを活かすのは「構想の深さ」

プログラミングと同じように、事業計画書づくりにも段階があります。

  • 構想段階
    まだ言葉になっていない想いを整理するフェーズ。ここでAIとしっかり対話しながら、必要な情報を丁寧に入れ込むことが最も重要です。どれだけ“素材”を正しく与えられるかで、後の精度が決まります。

  • 申請段階
    形式や文体を整えるフェーズ。AIが得意な部分ではありますが、ここをAIに任せきると、実現性の薄い“きれいな計画”が出てくることがあります。構想の段階でしっかり意図を伝えておきつつも、違和感のあるところはきちんと修正することで、ここでのブレを防げます。

  • 報告段階
    実際の結果をもとにまとめるフェーズ。ここは人間の判断が欠かせません。AIは参考として使えますが、現場で起こった出来事をどう意味づけるかは、人にしかできません。

AIを“使う”というよりも、構想の段階でどう使いこなすかが鍵になります。
つまり、AIに任せやすいのは申請段階よりもむしろ構想の中盤まで

その先では、人の現実感覚――「この計画は本当にできるのか」「実行後にどう説明できるか」――が欠かせないのです。


「AIで書ける」と「AIに任せていい」は違う

AIで補助金の計画書を書くこと自体は、もう珍しくありません。
ただ、採択されることと、実行できることは別の話です。

採択のその先、現場で「この通りに実行できそうですか?」と問われたとき、自分の中に“言葉の意味”が残っていないと困ります。

AIは「書く」ことはできますが、「背負う」ことはできません。
その計画を実行し、結果を出すのは、やっぱり人間なんです。


「読む力」が問われる時代へ

AIの力を借りれば、専門家でなくても
「自分の想いを形にした計画書」が作れるようになりました。
それは本当に素晴らしいことです。

けれど同時に、「AIが出した文章をどう読むか」も大切になります。
AIが提案してくる一文一文を、自分の感覚で確かめていく。
それが、これからの経営者に求められる“読む力”だと思います。


終わりに

AIは文章を量産します。
けれど、未来を選び取るのは、いつだって人間です。

事業計画書とは、未来の自分への約束です。
AIが助けてくれるようになったからこそ、
その言葉を「読んで、理解して、修正する時間」
これまで以上に大切にしていきたいと思っています。

※2025 10/10 最初の見出し、採択件数の書き方に誤解があったので修正しました。

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