危険な兆候、娘も私も
私が微妙に鬱っぽいのは気温と日照時間の影響もあるのではないかと思います。いわゆる季節性鬱。こういうのは誰でもあるはずなので特に心配はしていません。それでも今日は肉を食べようと決めていました。肉を食べて鬱が解決するなら苦労はありませんが気持ちの問題です。
娘は叫んだりはあるものの暴力はすっかり影を潜めました。なので状況としては悪くないのだろうと安心していたのですが、今日はやや危険な兆候が。
「もう病院行かなくていい」
「え、そういうわけにはいかないでしょ。クスリもらえなくなるよ」
「クスリも飲まなくていい」
えええ、と思いましたが普通の顔をしてやりすごしました。あまり強く反応して「もう飲まない」などと言い出されると困ります。そして一度意固地になると不自然なほどに固執するのです。なのでこういう時は受け流すに限ります。
しかし、内心では動揺していたようです。なので、そのあとしばらくどう対応したか思い出せません。「はいはい」ぐらいで済ませたはずです。
これは以前からずっとなのですが、娘には病識がありません。自分が病気だと認識していないということです。ずっと家にいてなにもしていないのだから普通に考えたら異常だと気がつきそうなものですが、娘にとっては時間は止まっているのかなんなのか、日々食って寝ての生活が延々と続いていることに疑問を感じることもないようです。カレンダーや時計で日付を確認してもらったりもしています。日付を見ても娘は何も思わないようです。いや、思っていたとしてもそれを出す表現を持ち合わせていないというかなんというか。
だいぶ前ですが、娘がその日に飲む分のクスリを勝手に捨ててしまったことがありました。あとでゴミ箱を見て気がついたのです。娘がクスリを飲んでいるかどうかはなるべく見守っているつもりですが、たまに見逃しているとそういうことも起こりえます。なので、本当は朝のうちにクスリだけ用意して出勤するのも心配なのですが、それを言うと何もできなくなるので諦めています。
「病院に行かなくていい」はともかく、「クスリを飲まなくていい」を聞いたのは何年ぶりでしょうか。確かに最近の様子を見ているとクスリを飲んでいるからといって何かが良くなったという感じは受けません。これがクスリの怖いところで、飲んでいても良くなるようには見えないのに飲まなくなると途端に状態が悪くなるのです。いや、正確にはクスリを飲まなくなってもしばらくは大丈夫です。娘の飲んでいるクスリは眠気を誘発したり思考が散漫になるなどの副作用が有り得ます。なので飲まなくなると短期的には眠気が減ってやる気も沸いて頭も回転しているような気分になります。クスリは飲まなくてもよかったんだ、みたいな気持ちになったあたりが頂点で、そのあとにまた以前のひどい時のような急性症状がやってきます。以前、勝手に断薬を試みた時はそうなりました。そしてぶり返した急性症状のあとは慌ててクスリを飲んでも以前の状態に回復することはありません。少なくとも娘の場合はそうでした。
私がいるうちは娘にクスリを飲ませていられますが、娘はひとりではクスリを飲むことはないでしょう。そうなるとどうなるか。そうなった先に何が起こるか。
やはりそろそろ娘をなんらかの施設なりなんなりに託すべき時期なのかもしれません。
娘がポロッと漏らした本音がこんなに気になるのは鬱っぽい気分の影響もあると思います。なので今日の夕食は奮発してすき焼きとマグロの刺身にしました。ですが、娘の食べ方が汚いのが気になって。ボロボロこぼしたり跳ね飛ばしたり、箸もうまく使えず食べる量も無理矢理大口に押し込もうとして大変なことになって。
娘の食べ方は普段から汚いし箸の使い方も下手です。いつもはそれでも我慢していますが、今日はひどく気になりました。
娘と同じ空間にいたくない気持ちが込み上げています。娘と同じで私の気持ちもかなり危険な方向に傾いているのかもしれません。
危ないです。
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