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【伝わるプレゼンの探求】 なぜ、反論のなかった提案ほど危ないのか — 通ったはずなのに、後から覆ることがある|インセプション型プレゼン

【この記事でわかること】

・なぜ、反論なく通った提案が後から覆ることがあるのか
・なぜ、人は「賛成」と「納得」を同じものとして扱ってしまうのか
・なぜ、会議では通ったのに、後から“やっぱり”が起きるのか
・なぜ、一度空気ができた会議では、正論でも転倒できなくなるのか
・決まった方向の中で、どう前に進むか


会議で提案をしたとき。

反論もなく、そのまま通ったのに、

数か月後、

「やっぱり違ったかもしれない」

と言われることがあります。


あの時、
誰も反対しなかったのに。

あの時、
誰も止めなかったのに。

なぜ今さら、と思います。





でも、本当にそうでしょうか。

実は、人は「反対しなかった」だけで、
必ずしも「納得していた」とは限りません。


会議の場では、
反論する理由が見つからないと、
人はとりあえず頷きます。

論理が通っている。

数字にも矛盾がない。

他にもっと良い案も出てこない。

そうなると、
その場では「では、それでいきましょう」となります。


でも、それは、
「腹落ちした」ではなく、

「反対する材料がない」

に近いことがあります。




もしかすると、
反論がなかったことで、

私は、
「伝わった」
「納得してもらえた」

と思い込んでいたのかもしれません。


でも実際は、

反対できなかっただけ。

言葉にできなかっただけ。

そんなこともあります。





たとえば、
試着室で服を着たとき。

店員さんに
「お似合いですよ」と言われて、

鏡を見ながら
「うーん……悪くはないか」

と思って買った服が、

家に帰ると、
なんとなく着なくなることがあります。


似合っていないわけではない。

間違っているわけでもない。

でも、どこかで
「これだ」とは思えていない。

会議も少し似ています。





その場では反対できなくても、
心のどこかに違和感が残っていることがあります。

そして、その違和感は、
何かうまくいかなかった瞬間に顔を出します。


売上が伸びない。

反応が弱い。

社内で別の不安が出てくる。

そうすると、
人は過去の違和感を思い出して、

「やっぱり、あの時から少し違ったのかもしれない」

となります。





怖いのは、
その時にはもう、
別の空気が出来上がっていることです。

最初は、
「これでいこう」という空気。

次は、
「やっぱり変えた方がいい」という空気。


どちらも、
一度そういう流れになると、
正論だけで戻すのは難しくなります。

会議では、
内容そのものだけでなく、
空気も一緒に決まっているからです。





だからこそ、

「自分は正しかった」
「最初から言っていた」

を続けても、
状況が戻ることはあまりありません。


むしろ、
空気が固まったあとに必要なのは、

「では、この前提の中で何ができるか」

を考えることだったりします。




決まった方向を、
少しでも良くする。

傷を広げない。

違和感が出にくい形に整え直す。

それもまた、
大事な仕事なのだと思います。





本当は、
最初の会議で全員が納得できれば一番です。

でも、人は、
自分の違和感をうまく言葉にできないことがあります。

だから、
反論がなかったから安心、
とは限りません。




静かな会議ほど、
本当は見えていない違和感が残っていることもあります。

もし次に、
反論なく通った提案があったら。

「賛成されたか」だけではなく、

「本当に腹落ちしているか」

を少しだけ見てみると、
景色が変わるかもしれません。



会議では通ったのに、あとで覆る理由

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