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『銀の匙』の泉を求めて -中勘助先生の評伝のための基礎作業 (55) ふるはれる本質は感情からわいて出る

 このところ山田さんの手紙の紹介が長々と続いていますが、主な目的は一高時代の中先生の消息を多少ともうかがうことでした。中先生の手紙がありませんので往復書簡にならず、一方通行ではありますが、山田さんの手紙には中先生が山田さんに話したことや、二人して語りあったことなどの片鱗が現れていて、かけがえのない文書群を形作っています。もうひとつの目的は山田さんの人となりを知ることで、一冊の遺稿集だけがそのための唯一の参考資料です。遺稿集には書簡とともに卒業論文「エックハルト研究」も収録されています。それについてもいずれ立ち入って考察してみたいと思います。

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中勘助先生は『銀の匙』の作者として知られる詩人です。「銀の匙」に描かれた幼少時から昭和17年にいたるまでの生涯を克明に描きます。

●中勘助先生の評伝に寄せる 『銀の匙』で知られる中勘助先生の人生と文学は数学における岡潔先生の姿ととてもよく似ています。評伝の執筆が望まれ…

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