「ハラスメントを利用して、市職員のヒーローに見せかけた議員の話」これから議員を目指すあなたに知ってほしいこと|vol.1
ここのエピソードは、私が1期目の新人議員の時のことなので、20期(令和元年6月から令和5年4月まで)の議員メンバーの顔ぶれの話である。
一般質問の中で、ある議員が独自に入手した情報を用いて、市職員のハラスメントに関する個人情報を公に扱った。この状況をよく理解していない人々から見れば、その議員は被害者を支援するために、問題提起を行っているように受け止められたかもしれない。
マスコミもすぐにこの情報を取り上げていた。といっても、記者にリークして広めていたのは、議員本人だったことが、後にわかっていく。
新聞報道を見た芦屋市民は、「ハラスメントを隠蔽した市 vs それを暴いた議員」という構図が浮かび、一斉に広まりつつあった。JR芦屋駅南地区再開発事業のような大型事業の予算を認めず、批判的な立場をとっていた議員たちも、ここぞとばかりに、一般質問を行った議員を追い風のように後押し。
この事業に反対していた市議たちは、仲間の議員のことを、市の不備を明らかにした「功績だ」と称賛した。そして、事業の中心を担っていた部長たちや、市長、副市長に対する議会からの追及は、さらに厳しさを増していった。
私は次第に、これこそが、多数の力を背景に、予算をいわば「人質」にして、市長部局へ圧力をかける、そんな議会による「ハラスメント」をみせつけられているようにすら感じていた。
この予算の否決は数回に渡り行われ、2年間もの延滞となっていた。さらに、このハラスメントの事象によって、市の汚点を暴いたと、多数派の議員たちがまるで鬼の首を取ったかのような勝ち誇った態度を見せつけていた議会が続いた。
彼らは市の怠慢を徹底的に追及するかのように振る舞い、市長、副市長、市幹部たちに責任を押し付けていった。市職員たちは、そのような議員たちの言いなりにならざるを得なかったのだと思う。
ただ一つ言えるのは、多数を占める議員の数だけ、その背景には彼らを支持する有権者の声があるということです。それもまた、認めざるを得ない現実だった。
私は、この事業の予算を早く通すべく、賛成派の議員とともに、質疑や討論を重ね、できる限りの説明を尽くし、市民への発信にも力を注いだ。
しかし、少数派であることに変わりはなく、結局、その流れを覆すことはできず、長い年月が過ぎた。
そんな中で、この「ヒーロー」と称されていた議員が公に広めていた、市職員をめぐるハラスメント問題だけは、どうしても拭えない違和感があった。
そして、いち早くその「おかしさ」に気づいた一人の女性議員とともに、私たちは調査と追及を諦めませんでした。
しかし、時間が経つにつれて、この強硬な姿勢にも亀裂が生じ始め、ついには議員の虚偽が明るみに出る時が訪れた。
コンプライアンス課に提出された申し立てに基づき、調査委員会や第三者委員会が設置され、市職員へのヒアリングが進行された。真実に迫る過程で、事態は大きく変化し、議員の主張には重大な矛盾が存在していることが明らかになっていった。
・議員の主張「酷い暴言行為の被害を複数名が受けたことを訴えている」
→実際には、一人も申し出た職員はいなかった
・議員の主張「市がハラスメントの申請書を放置していた」
→実際には、数回にわたり該当者との聞き込み調査が行われていた
・議員の主張「市のトップがパワハラの事実を隠蔽した」
→実際には、当該職員から市に対して告発された事実はなかった
一般質問の際、市の幹部に厳しく質問した議員は、実は又聞きで得た情報のみに頼り、提出された申請書の内容をきちんと確認していなかったことが判明した。つまり、ほぼ自分の思い込みで暴走していた点が大きな問題だった。
その後、提出者全員が、その内容を議員によって公にされることに一切同意していなかった事実が明らかになった。
つまり、少なくとも提出者の中に、「市幹部からハラスメントを受けたので、議員に訴えてほしい」と依頼した人はいなかったということ。
市幹部へのハラスメント問題として公に取り上げることを望んだ職員も、結局、現れなかった。
この件について、私と先輩議員の二人は、何度も議長に協議の場を設けるよう申し入れた。しかし、議長と副議長は、そのたびにはぐらかすような対応を続けた。
それもそのはずだった。
副議長は、「ヒーロー」と称された議員と同じ会派に所属し、その議員を後押しする立場でもあった。さらに、議長も副議長も、再開発事業の計画予算には反対していた。
そうした立場を考えれば、その議員の行動を問題視するより、むしろ「功績」として称賛するほうが都合がよかったのではないか。私には、そう見えていた。
しかし、とうとう隠し続けることが不可能な状況が発生した。市の怠慢を繰り返し指摘し、横柄な態度をとってきた議員の主張に耐えてきた市職員たちであったが、議員の虚偽がついに明るみに出る時が来た。
その決定的な瞬間は、市職員から議員に送られた抗議文によってもたらされた。これらの苦情は非公式であり、公にはされていないため、一般市民はその実態を知る由もない。このような場合における市文書の取り扱いは、議会の判断に委ねられることとなるからだ。
このようにして、議員の主張と実際の事実との間にある矛盾が明らかになり、追い詰められた議員(私は彼を”ヒーローになりたかった議員”と呼ぶことにする)は、もはや逃げ場を失い、ついには本人の口から真実が語られた。問題を引き起こしたその議員は、謝罪し、自らの虚偽の発言について全議員に謝罪する日を迎えることになる。これは、非公式ながらも全体協議会の中で行われた。
それにもかかわらず、議長と、その議員と同じ会派に属していた副議長は、依然としてその議員を擁護する姿勢を見せ、議会として訂正する声明を出すことを長らく渋っていた。
つづく⋯
この話は、「ハラスメント問題」の一つの事象として見ても、実に珍しいケースだったと思います。
私自身、まさかこんな経験をするとは想像もしていませんでした。
これまでの経緯については、「たかおか知子 Officialホームページ」の活動ブログのシリーズとして、ハラスメント①のエピソードと関連している話しです。
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