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【兵庫県】内定辞退率の増加から考える「ここで働きたい」と思える役所とは

なぜ注目されるのか?辞退率46%という数字

県民にとって気になる数字と傾向が見られます。兵庫県の県職員採用において、前年度と比べて辞退率が大きく上昇し、異例の高さとなったことが報じられていました。

職員採用試験(大卒程度・総合事務職)では、辞退率が2024年度から2025年度にかけて急増しました。この期間は、斎藤元彦知事が再選してからの1年間と重なります。実際の数字は次のとおりです。

・2024年度:25.5%
・2025年度:46.0%(150人中69人)

これは公務員採用としてはかなり高い辞退率です。この数字がどのぐらい”やばい”のかというと、

一般的に、地方公務員の最終合格後の辞退率は20〜30%台がよく見られる水準とされ、40%を超えると「かなり高い」と評価されます。さらに50%に近づく場合には、組織として原因分析が必要なレベルと考えられます。

その意味で、46%という数字は“警戒水準”と言ってもいいようです。しかも、前年度から1年で20ポイント以上も上昇しています。

※ここでいう「ポイント」とは、割合(%)同士を引き算したときの差を指します。


■ 比較して見えた兵庫県の“飛び出た数字”

このような数字を見るときに重要なのは、他の自治体でも同様の傾向が見られるのか、それとも兵庫県だけが異例なのかという原因です。比較によって、その評価が明確になります。

兵庫県の県職員採用(大卒程度・総合事務職)において、2025年度の辞退率は約46%という、前年度よりかなり多いと報じられています。これが大きく報道で取り上げられた理由の一つは、地方公務員の辞退率の一般的な水準と比べて、今回の数字が際立っている点にあると考えられます。

一般に、地方公務員の最終合格後の辞退率は、おおむね20〜30%台前後が「通常の範囲」とされています。そのため、46%という数字は、全国的な水準と比較してもかなり高い水準にあり、兵庫県の状況が目立っていることがわかります。

参考までに、民間企業の調査(自治体ではない)だと、内定辞退率が1桁台から10%台程度で語られるケースも多く、46%という数値は、採用市場の中でも“世界が違う数字”ってことなのかも…。

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実際の数字として、近畿圏で検索してみましたが、大阪府庁、京都府庁の「内定辞退率”を毎年同じ定義で公表した一次資料」は現時点では確認することができませんでした。

一方で、滋賀県については、知事定例記者会見において、直近3年間の内定辞退率が具体的な数値として示されていました。

  • 令和4年度:18%

  • 令和5年度:23.2%

  • 令和6年度:27.7%

この数字は、記者から「兵庫県庁の新規採用における辞退率が46%になったこと」について例にあげた質問があり、滋賀県の状況としてどのように受け止めているかを問われた際の回答です。

滋賀県知事は、即座に直近3年間の内定辞退率を具体的な数値として挙げ、状況を説明されました。年度ごとの推移を即座に示した点からも、データを把握し、傾向をしっかり受け止めている姿勢がうかがえます。さすがトップですね。

少し上昇傾向は見られるものの、全国平均の範囲内で推移しており、異常値とまでは言えない水準です。この数字と比較すると、兵庫県(46%)は滋賀県(27.7%)より約18ポイント高い状態であり、数値が突出していることが読み取れます。


次に、平均値をベースに、阪神間の市町村における公務員採用の辞退率データについて調べてみましたが、比較可能な形で公開されている資料は確認できませんでした。自治体単位の「採用辞退率」を一覧として示した統計は、総務省や各市の公表資料にも基本的には見当たりません。

多くの自治体では、応募者数や合格者数は公表されている一方で、「最終辞退率」については毎年の公式指標として公開していない場合が多く、現時点では正確に横比較できるデータはほとんど存在しないと言えそうです。

ただ、一般的には大都市自治体ほど辞退率が低くなりやすい傾向があるとの指摘があります。これは、自治体のブランド力や業務内容の魅力、人材市場における競争環境などが影響していると考えられます。近年では、人材確保そのものが自治体間の競争になっているとの見方もあるんですよね。

こうした点を踏まえると、阪神間の人気都市(神戸市や西宮市など)では、一般的に県と比べて辞退率が低い傾向にある可能性も考えられます。

もちろん、地元である芦屋市の傾向についても調べておきました。

採用倍率は職種によって変動がありますが、事務職(大卒)では、令和3年度において約4.5倍程度の実績が確認できます。全国的な傾向と同様に、辞退率が一定程度高止まりしている可能性は考えられますが、現時点では、兵庫県のように大きく増加している状況とは言えないようです。


■ 辞退率が上がる理由について

辞退率の上昇については、冷静に見ていくと、いくつかの要因が考えられます。

① 売り手市場(若手不足)

現在は民間企業でも人材不足が続いており、公務員という「安定性」だけでは選ばれにくくなっている可能性があります。

② 併願のしやすさ

試験方式の変更や採用スケジュールの多様化によって、「まず受験してみる」という層が増えると、結果として辞退率が上昇する傾向があります。

③ 組織イメージの影響

報道やトップに関する問題が続いた場合、職場の雰囲気に対する印象が採用選択に影響する可能性も否定できません。

公務員採用は、いわば「自治体を選ぶ就職活動」とも言えます。人気や競争がある中で、短期間に大きく数値が変動した場合には、何らかの要因が影響していることを慎重に検討する必要があります。

なぜ兵庫県の辞退率がここまで上昇したのかについては、明確な結論を出すにはさらなる検証が必要ですが、一部では、パワハラ疑惑など県政をめぐる混乱が影響した可能性も指摘されています。状況的に見ても、その一因として考えられる側面はあるのではないでしょうか。

もっとも、辞退率の高さそのもの以上に懸念すべきなのは、職場全体の士気への影響です。採用が予定どおり進まなければ、以下の不安要素があります。

  • 必要な人員の補充ができない

  • 若手職員の定着が難しくなる

  • 内部からの離職が増える

  • 経験を積んだ中堅層が流出する

といった連鎖が生じることを考えておかないと行けないからです。こうした状況が重なると、やがて組織としての機能低下につながりかねません。新規採用が十分に確保できなかった場合、その後の人員構成や職場環境の変化を継続的に注視していく必要があります。

この結果を、県庁はどのように受け止め、今後どのような対応を考えているのでしょうか。

現時点では、直ちに「組織が崩壊する」段階とまでは言えないものの、辞退率の数字だけを見れば異常値に近い水準であり、原因分析は不可欠です。対応が後手に回るほど、必要な対策の選択肢が狭まっていく懸念もあります。だからこそ、心配なので県民は事前に聞いておくことも大事ですね。

現時点で広く知られているのはニュース報道に基づく数字であり、いわゆる「最終合格後(内定後)の辞退率」に近い扱いで語られています。報道の中でも「採用方式が異なるため単純比較はできない」との指摘があるため、より詳細なデータに基づいて状況を分析する必要がでてきます。

ただそれであっても、数値だけを見れば通常の範囲を大きく超えた水準であることは否定できません。だからこそ、県としてこの状況をどのように受け止め、何を原因として捉え、どのような対応を考えているのか。県民に対して、より丁寧な説明が求められるのではないでしょうか。


■ 「本当にヤバい指標」は辞退率じゃない

今話している「辞退率」とは、最終合格したにもかかわらず採用を辞退した割合を指します。つまり、この数字は単なる割合ではなく、「人材確保の難易度」「組織イメージ」「採用制度」など、さまざまな要素が影響する複合的な指標とも言えます。

兵庫県の状況については、全国的な公務員志望者減少の影響に加え、自治体独自の要因が重なっていると考えられます。いわゆる組織のマイナスイメージが影響し、「選ばれなかった」という特殊な状況であった可能性が否定できません。社会全体の傾向と比較しても、一県だけが際立って高い、例外的な数値となっていますからね。

県側からは「採用方式の変更により、ある程度は想定していた」とのコメントも報じられていますが、注視すべきなのは、辞退率の数字そのもの以上に、その後の県庁の状況がどう推移しているのかという点ではないでしょうか。

採用は一時的な数字で終わるものではなく、その後の人員体制や職場環境にどのような影響を及ぼしているのかこそが、重要な検証対象になるはずです。

例えば、

  • 追加募集は実施されたのか

  • 定員充足率はどの程度確保できているのか

  • 若手職員の離職率(特に3年以内)はどう推移しているのか

  • 技術職の採用数は必要水準を満たしているのか

こうした点を総合的に見ていくことで、組織の安定性が保たれているのか、それとも歪みが生じ始めているのかが見えてきます。

では、2026年度の傾向は改善に向かうのでしょうか。そして、その間に兵庫県はどのような分析を行い、どのような対策を講じてきたのでしょうか。
辞退率の数字そのものよりも、その後の対応と結果こそ問われなければいけない状況だということです。


人が足りないと何が起きるのか

まさか、「職員数が減れば人件費も抑えられるから良い」といった短絡的な説明がなされることはないと考えたいところですが…。

そのような楽観的で単純な発想で片づけられる話ではありません。採用人数は、将来の人口動態や行政需要の変化を見据えた上で、必要な人員として設定されていることです。その定員が十分に確保できなかったということは、将来的に県民サービスの低下につながるおそれがあると言っても過言ではありませんから。

行政サービスは、民間企業とは異なり、社会を支える重要なライフラインの一部を担っています。公共の役割は、社会全体で支え合う仕組みの中で成り立っており、その維持には人材の確保と育成が不可欠です。

特に専門職や技術職においては、技術の継承や経験の蓄積が重要であり、職員の定着率はサービスの質の維持に直結します。言い換えれば、職員の教育と人材育成そのものが、行政サービスを支える基盤と言えます。


■ 委託業者への依存と人材の外部化

近年増えつつある委託業者への業務委託についてですが、委託契約の場合、直接的な人件費として支払われるのではなく、主に業務委託料として計上されます。そのため、単純な人件費とは異なり、業務管理費や間接経費なども含まれることから、結果として総コストが増える可能性があります。

また、委託契約では、業務の成果や範囲に対して対価が支払われるため、行政側が実際に何人の人員で業務が行われているのかを細かく把握しない場合がほとんど。例えば、本来5人の職員で担っていた業務であっても、委託先が契約範囲内で対応できるのであれば、3人で実施することもあり得ます。

このような場合、行政側は必ずしも人員構成や個別の人件費を把握しているわけではなく、結果として業務の実態が見えにくくなるという側面もあります。この点については、議会においても質疑でたびたび指摘される論点の一つです。

民間委託のほうがコスト削減や質の向上につながるという説明をされることもありますが、実際のところ、直営で正職員が担った場合のコストと、委託先が実際に要している業務量に対する人件費を正確に比較したデータは、十分に示されていないケースが多いのが現状です。また、市民の信頼への低下も懸念されるところです。

つまり、現時点では、どちらが本当に有利なのかを明確に判断できる材料は必ずしも十分とは言えません。

さらに、兵庫県は起債許可団体へ転落し、投資的事業の実施が厳しくなるなど、財政状況の厳しさが全国的にも一斉に報道されました。このような状況だからこそ、委託への過度な依存によってサービスの質が低下したり、結果としてコストが増大したりする事態は避けなければなりません。

👉️兵庫県、当初予算で22年ぶりに基金取り崩し 今後も収支不足拡大か(毎日新聞)


行政サービスを支えるのは「人」

私は、やはり人材って本当に大切だと思うのです。これからはAIの進化とともに、人が担う仕事のかたちも少しずつ変わっていく時代になっていくのでしょう。でも、だからこそ、職員の育成や定着率は、これまで以上に大切になっていくのではないでしょうか。

その大切さを県に伝えていくのは、特別な誰かではなく、私たち県民一人ひとりなのかもしれません。人との関わりが薄れていく時代だからこそ、市民・職員・議員がしっかりとコミュニケーションを重ねられる、人を大切にする温かみのある役所であってほしいですね。

私たち県民にとって、職員という人材は大切な財産です。働く人が安心して力を発揮できる、そして「ここで働きたい」と思える県庁であってほしいと心から願っています。


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