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映画館の入場料値上げについて考える

去年9月に東映系(バルト9、T・ジョイ)が一般の入場料を2200円に、同年10月に松竹系(ピカデリー、MOVIX)が2100円に値上げしたのに続き、今年に入ってからは6月に大手チェーンでは最安値だったイオンシネマが2000円に値上げしたほか、東急系(109シネマズ、ムービル)も首都圏のサイト(元々、高額な新宿は除く)を2200円に値上げした。
7月には最大手の東宝(TOHOシネマズ)がサイトの立地条件により変動する形ではあるが2000〜2200円という料金形態に変更したほか、シネマサンシャインも2100円、集客力のあるグランドシネマサンシャイン池袋は2200円となる。
大手シネコンチェーンで値上げを発表していないのはユナイテッド・シネマだけだが、この流れを見れば近いうちに値上げされるのは間違いないだろう。

アイス業界が大手で揃って値上げのタイミングや値上げ幅を調整する、いわゆるカルテルを結んでいたことが問題となったが、まぁ、映画館も似たようなことをしているのではと言いたくなる現状だ。

TOHOシネマズを例にとると長らく1800円だった入場料金が1900円に値上げされたのは2019年だ。この時は人件費の上昇などを理由にしていた。まぁ、劇場スタッフの質が値上げによって向上したとはとても思えないが、四半世紀ほどの間、料金が変わっていなかったのだから、この時は仕方ないと思った映画ファンも多かったと思う。

それから、わずか4年しか経っていない2023年に2000円に値上げされた。
コロナ禍やウクライナ情勢を受けて世界的にインフレとなったことやこの年からインボイス制度が導入されたことによる負担増などを考慮すれば仕方のないことと分かってはいるが、インフレやインボイスで苦しんでいるのは映画館だけではないので、2019年の値上げの時のように素直に受け入れられることはなかった。

そして、これまではTOHOシネマズが値上げすると、それに各社が追随するという形だったが、今回は東映から値上げをはじめ、TOHOシネマズは変動制を導入した値上げという形になった。カルテルを疑われないようにするための各社間での調整のようにも見えなくはないし、映画館の運営だけでなく配給会社としても圧倒的なシェアを誇る東宝が全てのサイトで2200円にすると批判されるから、都心の一等地のような所は2200円にするが、都内でも住宅街寄りの所は2100円にするし、地方ではそのまま2000円の所もあるみたいな感じにしたのだろう。

この調子で行くとあっという間に一般料金は2500円になりそうだ。さすがに2500円になったら、年間100〜150本を劇場で見るという生活はできなくなるなと思う。

しかも、人件費や物価の上昇を理由に値上げしておきながら、売店はセルフオーダー化が進んでいるし、ボックスオフィスも緊急対応の窓口以外はコロナ前から券売機での対応がデフォルトだから受け入れられないんだよね。

それから、事前にネット予約で購入しても当日に劇場で買う料金と同じというのも納得いかない。ネット予約とは別に前売券(ムビチケ)があり、日本の映画業界ではそちらを前売と呼び、ネット予約は前売ではないという解釈なのだろう。一般料金が1900円くらいまでの時はそれでも良かったが、2000円、2100円、2200円となるとそれは違うんじゃないのかって思う。

1900円時代まではTOHOシネマズのアンケートに答えて200円割引のクーポン券をゲットするなんてやっていなかったが、2000円になってからはアンケートに答えるのがデフォルトになってしまった。
各シネコンがやっている会員になれば入場料金が割引になるという奴も会費を払わされるから、会費を払ってまで割引料金で見たいとは思わないし、わざわざ、レイトショーとかファーストデイなどの割引時間帯や割引対象日に見ようとも思わない。
朝起きた時の体調とか眠気、その他のスケジュールなどと調整して、今日は何を見ようって決めるのが好きなタイプの映画ファンだし、そもそも、ころころスケジュールが変わる仕事をしているから、前売は無駄になる可能性があるので買わないしね。

映画も演劇やコンサート、スポーツと同じで事前にチケットを購入して身構えて見なくてはいけない贅沢な趣味になってしまったのだろうか?映画館同様、その日の気分で訪れるものだったはずの美術館は既にそういう存在になってしまったしね。


そう言えば、新宿バルト9の外壁がいつの間にか上映中の色々な作品のポスターを掲示するスペースではなくなり、特定の作品のプロモーションスペースになったり、場合によっては、何も掲示されていなかったりするという感じに変わっていた。ロビーにも邪魔なくらいポスターがイーゼルに立てかけられて掲示されていたが、それも減っている。ポスターのかけかえをするスタッフの人件費を削っているんだろうね。
というか、バルト9はトイレにゴミ箱すら置いていない。ゴミ処理の金もケチっているようだ。それで2200円ってぼったくりだね。

勘違いしているのか、オシャレに見せたいとしてTOHOシネマズ日比谷は開館当初から各スクリーンの入口に上映作品のチラシを掲示していないけれど、日比谷と同じように掲示しない劇場が増えているのもチラシのかけかえをするスタッフがいないからなのだろう。

何が人件費上昇のための値上げだよ。全然、反映されていないじゃん。これは映画館に限らずセルフレジ、セミセルフレジがデフォルトになっているスーパーとかコンビニもそう。

結局、企業側は社員の給与を上げました、バイト・パートの時給を上げましたと豪語するけれど、社員の数を減らしたり、バイト・パートの労働時間を短くしたりして、人件費を削減しているんだよね。







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