根抵当権に弁済は、原則あり得ない。そしてその例外について
今日だけは、お昼から日本酒を飲み、リラックスするつもりです。
そのため記事を先に、書くことにします。
また、どちらかというと行政書士よりも、司法書士寄りの記事になります。
土地を担保にするとき、普通の人が設定するのは「抵当権」(民法、以下条文数のみ記載:第369条1項)です。
決まった金額を返すことで、「弁済による消滅」(登記原因は「弁済」)が行われることになります(第473条)。
これに対し、主に個人事業主、会社が行う契約が、「根抵当権」(第398条の2)です。
これはいちいち抵当権を設定し、返済のために解除することにすると、そのたびに登録免許税がかかることから、継続的な取引のために作られた担保物件です。
特徴として、極度額(担保として機能する、上限の金額)、債権の範囲(銀行取引など、どの範囲までが担保の対象となるか)などが設定されます。
根抵当権には、大きな特徴があります。
それは、継続的取引を前提としているため、個々の金銭のやり取りは根抵当権という大きな枠の中に吸収されるという事です。
そして「弁済」というのは、個々の金銭のやり取りでしか発生しません。
根抵当権の場合、たとえ全額を弁済したとしても、根抵当権が残っている限り取引関係は継続します。
一見不利にしか見えないでしょうが、逆にいえば「またお金を借りても、特に登記手続きをする必要がない」という面で、借りる側にとっても有利な制度となっております。
そのため、根抵当権の消滅理由として「弁済」は、基本的にはあり得ません。
取引を終了するのであれば、理由は「解除」という形になります。
ただし、根抵当権であっても「弁済」が消滅理由となる場合が存在します。
それは「根抵当権の元本が、確定しているとき」です。
条文では、第398条の19(請求による確定)、第398条の20(法定確定事由)に記載されています。
根抵当権は、元本が確定することで「その時点で発生している、債権債務」を担保するだけとなり、その後の取引は担保の対象外となります。
そして、元本が確定した時から「弁済する必要の金額も、確定している」ことから、登記原因として「弁済」が成立します。
このあたりは、司法書士であれば必ず抑えているべき部分なのですが……何度、弁済になっている根抵当権抹消登記を見たことか。
恐らく、抵当権の書式を流用しているためでしょうが、しっかり区分して使うのが、正確な申請書を提出するための前提だと、個人的には考えております。
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