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Automatic PILOT 徹底解説

こんにちは、今回はパイロットの製図用シャープペンシル、オートマティックを、他のペンとの比較や徹底的に解説していきます。
長編なので興味のある所だけ目次から選んで読んで頂いて大丈夫です^^

注意

事前に注意ですが、カタログやお話で聞いた事を参考に文章を書きますが間違った情報である可能性も有りますので鵜呑みにはせず、あくまでも素人の記事としてお読みください


デザイン・素材

下手な写真ですが気に入ったので採用

公式のカタログによると、
軸鞘:ステンレス、エッチング
とだけ書いてありました。雑ですね笑
銀と黒色で統一され、古臭さと近未来感を同時に感じる、風格と気品があるデザインです。

個人的には、金や高級感のある色で着飾った綺麗なペンよりも、情緒性を持ちつつ道具としての完成度を極めた機能美的なペンが好きなので、自分にはかなり刺さりました😇

口金

詳しく見ていきます。口金は恐らく真鍮にメッキです。かなり厚そうで、雑に扱わなければ剥がれることは無さそうです。
ガタツキがほとんど無く、個体差も少ないです。

グリップ

印字も蝕刻で加工精度が高い
印字内容:0.5 JAPAN PILOT Automatic

グリップは、エッチング処理(蝕刻加工)がされており、黒色の部分は約0.1ミリほどの窪みになっているため触り心地が良く、グリップ力も向上しています。また窪みは墨入れといって黒色になっているためメリハリのあるシャープな色合いに仕上がっています。素材はステンレスとの記載があり、ステンレスだと知っている方も多いかと思います。
しかし、ヤスリなどで削ると真鍮が露出するそうです。そのため正確には真鍮メッキなのかな....?
詳しい方教えてください。

内側のねじが真鍮製

また、内側が真鍮とはいえ、よっぽど過酷な環境でなければ真鍮がむき出しになることは無いと思います。
墨入れは手の摩擦と水分で剥がれてきます。この対処は後の項目で記述します。

スプリングが内蔵されているのは
一番手前に見えるパーツ

また、画像(上を参照)の部分は、内部に数十回巻かれたスプリングが内蔵されており、ダブルノックの質感を高めつつバネが詰まったり、変形したりするのを防ぐ工夫がされています。

上軸

ネジもステンレス製

上軸はステンレス製です。厚さが薄いので真鍮だと耐久性が不安なのと、上軸をステンレス、グリップを真鍮にすることで低重心化したのだと考えています。

シールは2種類あり、値段シールと、
注意書きシールが存在しています。
↓注意書きシールの内容

オートマティックシン自動繰り出し
一度のノックで芯を一本連続筆記。

パイプスライドでシンを出すメカですので、
極力立ててお使い下さい。

またクリップ着脱部分は樹脂製です。ここを樹脂製にすることで傷が目立ちにくい+着脱可能クリップを実現しています。
内部にステンレスが通っているようなので耐久性はありそうです。
ただし、後に解決策など語りますがこの樹脂パーツは軸割れの危険性が若干あるのでこのパーツにクリップをつけるのはあまりお勧めしません。
せっかくの傷付きにくい樹脂パーツなのに元も子もないですね笑

その樹脂パーツの上には恐らく真鍮メッキのパーツが付いています。ダブルノックがかなり重いため、斜めに力がかかって樹脂部に圧力がかかる事を想定し、それを防ぐためのパーツだと思います。

影響

このペンはニューマンという会社が製作していた、製図用ステンレス2000円モデルにデザイン、設計の影響を受けています。
パーツ構成、クリップ着脱部分、形状など影響を受けています。

ニューマン製図用2000円モデル
№様のお写真


機構

ダブルノック

このペンはダブルノック式といって、強くノックするとペン先の格納、弱くノックすると芯が繰り出されます。
ノック感は無く、音が一切しません。
内部機構は殆どが金属製で、ダブルノック部分だけが樹脂製です。ダブルノックは激重でカチィィッっと毎回なるので使用感は少し癖がありますね。

自動芯出し機構&パイプ

また、自動芯出し機構を搭載しており、芯を自動で繰り出してくれます。そのためノック無しで文字を書き続けることができます。
先端は4mmのガイドパイプとなっています。2mmパイプが沈み込むハーフスライド式のパイプにスプリングが内蔵されています。
内部機構に搭載されている機構やパーツが多すぎて情報が渋滞してますね。


個人的な評価

項目ごとの5段階評価です。
ユーザーガイドに記述した処置を行った際の評価とさせてください。

コスパ
☆☆☆☆☆
コスパを求めて買うペンでは無いですね

デザイン・質感
★★★★★
現代のペン作りではできない域に達しています

使いやすさ
★★★★☆
ダブルノックが重いくらいですね

精度・書き心地
自動芯時★★★★☆
芯出し時★★★★★
ペンを回転させながら筆記しないと芯が片減りして字が薄くなる時があるけれど基本最高レベルの精度と使用感

耐久性
★★★☆☆
気をつけて使えば死ぬまで使えるレベル

オススメ度
★☆☆☆☆
蝕刻好き、ダブルノック好き、自動芯出し機構好きでないと価値は感じられないかも

以上が私の評価です。


比較

次に、
・デザイン面でオートマティックに影響を与えたニューマン製図用2000円モデル

・内部機構が共通でオートマティックの高級版であるh-5005オートマチック

・主観的現行品の自動芯出し機構シャープの最高峰であるオレンズネロ

と比較をしました。
※0.5mmでの比較となります

ニューマン製図用2000円モデル

オートマティック×製図用蝕刻
№様のお写真

まずは先程も紹介したニューマンの、
「製図用蝕刻」と呼ばれるペンとの比較をしていきます。
発売は製図用蝕刻が先でオートマティックが後発です。ニューマンはシャープなクリップや硬度表示窓など、固定式のガイドパイプなど、より道具感が強い印象を受けます。
値段が1000円違うという事もあり、ペンとしてのパーツの独自性や機能、高級感はオートマティックの方があるように思います。

また、オートマティックのグリップ部分が実質真鍮製なのに対し、製図用蝕刻はグリップ部分も含めてフルステンレスとなっています。
蝕刻加工やねじ切り加工などは真鍮よりも圧倒的にステンレスの方が難しいので、パイロットよりも規模の小さい会社であったはずのニューマンが、バケモノ加工精度で採算どうなってんねん設計であった事が伝わってきます。

細かい部分で言えばクリップ着脱部分が、
製図用蝕刻はヘアライン加工の樹脂
オートマティックは艶のある樹脂
となっており、ペンの方向性の違いが反映されています。

№様のお写真

h-5005 オートマチック

圧倒的風格
s!lencite様のお写真

オートマティックの兄弟分的な存在であるh-5005オートマチックとも比較します。

h-5005は
ダブルノック方式、オートマチック式
軸:黄銅 エッチング 色メッキ
さや:黄銅 色メッキ
替ゴム:Hゴム-10
サイズ:最大径69.3mm
全長161mm
名入れ:さや(シルク印刷)

というスペックで、h-300xオートマティックと比べてかなり詳しく内容が記載されています。
h-300xでは軸鞘と纏められていた書き方もしっかり軸と鞘両方分けての記載がされています。なんなんだこの差は...
この2つのペンの差は、①芯径②素材&重量バランスと、③硬度表示窓の有無です。

h-300xは0.3mmと0.5mmが存在するのに対し、h-5005は0.5mmのみです。

h-300xはステンレス製
h-5005は真鍮製+色メッキ
h-300xは実質真鍮×ステンレスだったのに対し、
h-300xと比較するとh-5005は真鍮×真鍮なので若干重心が高いです。

また、h-5005は中心に硬度表示窓を搭載しており、硬度は2B,B,HB,Hの4種類を設定できます。
ここから分かることは、4Bや2Hなどは想定されれていないという事ですね。

他には、h-5005にはクリップ着脱部分がなく外すことを想定していないクリップとなっています。
ここもペンの立ち位置が関係していそうですね。
個人的にはh-3005のデザインが好みですがh-5005もかなり重圧で高級ラインとしての佇まいがありどちらも魅力的です。

Yahooより

ちなみにこのh-5005は当時全く売れなかったらしいです。内部機構が共通で3000円と5000円のモデルがあれば高い方は買われにくいというシンプルな理由です。
また重心が高いことと生産数が少ないと事も理由としてありそうです。
デザインが格好良く、設計が製図用シャープの理想系であるだけに、存在する本数が少ないのはほんっっっとうに勿体ないですね

オートマチック(h-5005)の分解図
外のパーツは一つ一つがh-300xよりも高級感がある
内部機構はh-300xと完全一致
s!lencite様のお写真

オレンズネロ

現行品の自動芯出しシャープの中で一番チャックの作りが良いと定評のあるオレンズネロと比較していきます。(クルトガダイブは一旦除外🙏)
この2本はあまり共通点がないので作りや品質、使いやすさをベースに比較していきます。

軸耐久性                 オレンズネロ < オートマ
内部機構耐久度      オレンズネロ < オートマ
ペン先収納             オレンズネロ < オートマ
ボールチャック      オレンズネロ = オートマ
パイプ                     オレンズネロ > オートマ

パイプのスプリングが、オートマがかなり強いので安定した書き心地。
逆にネロは滑らかに動く柔らかいスプリングで、安定感が少ない代わりに字がかすれにくいです。

流石に値段が違うだけあって(両方数字は3000円だけど)作りはオートマの方が良いですね。
ただ単純な使用感でいえばオレンズネロで十分という具合ですかね
ペン先の引っ掛かりはオートマの方があるのでこれもやはりネロが使いやすいです
引っかかりの解消方法は後の項目で記述します。


歴史

年代や評判、噂について知っている事を記述します。間違っている事や載っていない情報が有りましたらコメントやdmでご連絡ください(˶'ᵕ'˶ )‪︎

まず発売年は1983年で、廃番となった年は1990年代、つまりバブル崩壊頃と言われています。
当時、ダブルノック×自動芯出し機構×製図用
というのは需要が無く廃番になったそうです。結構短命ですね
当時の定価は3000円でした。
現在の貨幣価値に換算すると、およそ13000円ほどで、高価格帯の商品だったようです。

今までに販売されていたパイロットの自動芯出し機構のペンは、

1980年代〜1990年代
オートマチックえんぴつ(80円)
オートマティック(3000円)
オートマチック(5000円)
オートマックE (2500円)
オートマックE500 (5000円)
2011~2021年
オートマック (3000円)
2021~2024年
s30 (3000円)

があります。他にもマイナーな物があるかもしれません。
ところで実は今回私記事にしているペンは、
「オートマティック」が正式名称で「オートマチック」は誤りなんですよね。
廃番と廃盤をいちいち指摘するレベルなので気にしないでください笑

1980年代〜1990年代

パイロットカタログ(2016)

1980年代〜1990年代のラインナップは、
①フルオートマチック
・HAE-250R オートマックE (2500円)
・HAE-500M オートマックE500 (5000円)

② 製図用×ダブルノック×オートマチック
・h-3005 h-3003 オートマティック(3000円)
・h-5005オートマチック(5000円)

という構成で、一応役割が決まっているようです。
①シリーズ同士、②シリーズ同士はそれぞれ内部機構が共通で、軸の素材のみが異なっています。
内部機構はそのまま、軸を変えて値段や名前を変えるの、パイロットはやりがちですね。この時代だと、μレクス、細字4色とホソブト、2+1dx、ハイメカホルダーシリーズ等があります。
他にも、オートマチックえんぴつという使い捨てシャープも存在していたようです。
こちらは安価な値段帯で0.5mmのみの展開でした。

ブンドキ様よりお借りしました

2011年〜2024年

パイロットデジタルカタログ(2018)

その後、2011年に
一般筆記用×ダブルノック×自動芯出し機構
オートマックが発売されました。
このオートマックは①のシリーズの後継機で、内部機構には①シリーズのものがコストカットされて搭載されています。また口金の形状は一般筆記用のために砲弾型へ変更されました。
オートマックの名前が着いているのに②シリーズのフルオートマチックの機構は搭載されておらず①シリーズの後継品です。本当に分かりにくいです。

2021年〜2024年

パイロットデジタルカタログ(2022)

そして2021年、満を持してパイロットの最新自動芯出しシャーペンのS30が発売されました。
自動芯出し機構の名前がAUTOMATIC SYSTEMと発表されていたり、今までに無いという文言で発表され、期待を背負って発売されたs30ですが、内部機構は、①シリーズのチャックを一部樹脂製に変えたものと、芯タンクは共通規格の樹脂製となっており、かなりコストがカットされています。
また、スペックとしては木軸の一般筆記用でダブルノック機構は搭載していません。


ユーザーガイド

「ユーザーガイドって何だよ。」
このペンを長く心地よく使うためのユーザーガイドです。
オートマティックを所持している人、今後買う人に向けて、お伝えしていきたいです.ᐟ.ᐟ
一応カスタム的な行為も含むので全て自己責任でお願いします‪(  . .)"‬

1.筆記した字

問題 : オートマティックのガイドパイプは、筆記中に引っ掛かりが大きいです。
原因 : 綺麗に研磨されたオレンズネロのパイプと違い、研磨が甘いため。
対策 :
・立ててペンを使う
・ペンを回転させながら筆記して片減りを抑える
対処 :
・無印の貴金属磨きでパイプを研磨する
・自動芯出し機構を使用して沢山筆記する(自然とパイプの少し角が取れるため)

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4934761487366?srsltid=AfmBOoo1gQQTvR5oPFJAxrk5E0JAl69MoSIMltSrSUecC48-cHoaz69p

2.樹脂パーツ

問題 : 樹脂パーツが割れる事があります。
原因 : 約半世紀ほど前のペンなので樹脂パーツが 劣化している、またそれ以前に今の樹脂ほどの耐久性が無いため。
対策 : クリップを写真のように軸の部分に装着する、もしくはクリップを外して使用する事で樹脂パーツへの負荷を減らす。
対処 : 誰かに土下座してレジン等で修復してもらう

3.蝕刻加工の墨入れ部分

問題 : 墨入れが劣化で剥がれる
原因 : 手の水分や摩擦
対策 : ペンを実用しない
対処 : 黒染め液で再度黒染めする

4.ボールチャック

問題 : ボールチャックが芯をホールドしなくなる
原因 : 摩擦による劣化や異物による破損。
対策 :
・極端に弱すぎる筆圧や強すぎる筆圧を避け、
 一般的な筆圧を意識して筆記する。
・2B,B,HB,Hの濃さの芯を使用する。
対処 :
ボールチャックの交換。(誰かできる人いたら手順を教えて‪〜‎)
・オートマック(2011)のボールチャックと交換する。

5.ガイドパイプ

問題 : 折れた
原因 : 不注意
対策 : ちゃんとガイドパイプをしまう。
対処 : オートマック(2011)の口金を交換する。(パイプは砲弾型になってしまう)


豆知識

カラー

オートマにはそれぞれカラーが決まっています。
オートマティック 0.3  =  紫🟣
オートマティック 0.5  =  緑🟢
オートマチック  0.5  =  黄🟡
です。シールのカラーで区別されています。
特に理由などは無さそうです。

h-5005 オートマチック 値札シール
表記は「自動芯出」ですがAIにやらせたら
「出」が消えた🥹

互換性

オートマティックは、
h-5005オートマチックと、内部機構すべてあり

オートマック(2011)と、チャックと口金のみあり

s30と、基本互換なし。チャックの直径は一致するが使用するのに改造が必要。


感謝

ここまでお読み頂きありがとうございます!
かなり書き上げるのに苦労や苦難がありました。
ご協力頂いた皆さんには感謝しかありません!
最後までお読み頂いた皆様限定で、頂いた写真のうち、使用しないのはあまりにも勿体ないと感じた写真や、記事の長さの都合上使用出来なかった写真を集めた写真集を用意しましたので是非最後までお付き合いください😏

今回の記事を執筆するにあたって、写っている姿だけでも有料級の写真を頂きました。

№様

ニューマン製図用蝕刻&オートマティックの写真を頂きました!
Xアカウント⤵

noteアカウント⤵

s!lencite様

h-5005オートマチックのお写真を頂きました!
Xアカウント⤵

noteアカウント⤵

製図用蝕刻別アングル

クリップの形を見せたかったので
使用できませんでした🙇‍♂️
№様のお写真
s!lencite様一番のお気に入り写真

h-5005単体について文章を書いていたので
対象が多いと意図伝わりにくいと
感じ使用出来ませんでした🙇‍♀️
ネジのフラッシュ撮影
見づらいので却下
内部機構デュオ
同じく対象が多く見づらいので却下
オートマティック無編集
色が濃い方がサムネとしては適しているため却下


また筆箱紹介の記事も書きたいな
ありがとうございました🐢🐢🐢
7017字🫠

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