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暴走する“置き手紙”が、静かに微笑んだ日

noteの【下書き】に記事がたまっている。
未公開記事だが、実はこっそり公開ずみ。

タネを明かせば、これらは身近な友人に宛てた記事なのだ
誰かに託した、置き手紙みたいなもの。

YouTubeを見ない友人への面白動画の紹介だったり、思いつき恋愛ショートショート、刺身愛を好き勝手に語っているものもある。

たいていの場合は送り手と受け手で盛り上がるのだが、いや、必ずしもそうとは限らない。

今日はそんなズレが生じた中から、
絵本記事『ボクはがんばるブルーSUV』にまつわる話をしてみよう。

note【下書き】に格納された友人たちへの記事





私には、R子という30年来の友人がいる。
一緒にご飯を食べに行っても、無理に会話しなくていい気遣いなしの間柄。

そんなR子の愛車に同乗していたときのこと。

私は『ボクはきゅうとうき』という絵本の話を切り出した。
不意打ちを食らうように感涙したからだ。
この感動を、伝えたくて伝えたくて仕方ない。


キンライサーで給湯器交換工事
したときもらった簡易絵本。


ところがR子、あまり関心なさそうである。
けしからん。
さっさと絵本の話を遮って、自分の愛車がそろそろ寿命だと言い出した。寂しいけど乗り換え時期かもしれないと。

ああ、そんな気持ちでしんみりしていたんだな。
きゅうとうきの話しより、やっぱり自分の愛車のことだよな。

そうだ。R子に絵本を書こう。
『ボクはきゅうとうき』の感動ストーリーをアレンジし、R子と愛車の物語に書き換えてみよう。
ナイスアイデアに、我ながら膝を打つ。

「ウソ、書くの? 忙しいんだから無理しなくていいよ」

「無理じゃないってば。きゅうとうき絵本の良さもわかってほしいから一石二鳥」



R子と別れたのは夜8時過ぎ。
そのまま間髪入れず絵本制作に突入した。『ボクはきゅうとうき』をもう一度読んで余韻に浸り、R子と愛車の人生を考える。
興奮のままストーリーをまとめ上げ、夜中の間に書き終えた。

イラストだけは苦手だから、Geminiに頼む。何パターンかのイラストを、本文に差し込んで完成。AIよ、ありがとう。



翌日の午前中、R子にLINEした。
「昨日言ってた絵本出来た。リンク送る」

「はや!」

しばらくするとR子からのLINEを着信。
「これ、泣けるやつじゃん。PDFにして保存したよ」

嬉しい。響いたみたい。
ちょっと暴走したかもだけど、やっぱり作って良かったなあ。

ところがだ。

あのLINE以来、R子とはまた会っているというのに絵本の話題が全く出ない。
私の友情は伝わっているのだろうか。

業を煮やして聞いてみた。おめおめと聞いてみた。

「ああ・・・。ゴメン、この車、あと3万キロくらい乗ることにしたわ

「えー! お別れの絵本書いたのに? 役目を終えたSUVが、廃車されて再生を願うストーリーなのに??」





というわけで、R子の愛車は故障もせずにまだまだ現役で走っている。
まあいい、まあいい。これでいい。

R子よ、またこのSUVで辺鄙なギャラリーへ行こうじゃないか。