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🇺🇸:今週の相場総括:2026/07/27の週おさらい


今週の米国市場は、ひと言で言えば 「FOMCで崩れ、大型テック決算で戻した。AI投資の回収力によって明暗が分かれた週」 でした。

水曜日はFRBの分かりにくい発信を受けて主要指数が急落。
しかし、MicrosoftとAmazonがAI投資に見合うクラウド成長を示し、木曜と金曜に大きく反発しました。

指数は週間プラスです。ただし、金利と原油は上昇。
AppleやMetaは売られており、安心して全面的に買われた週ではありません。


■ 今週の市場まとめ

・NYダウ / 52,485.03 / 週間 +1.0%
・S&P500 / 7,489.72 / 週間 +1.0%
・Nasdaq / 25,373.85 / 週間 +1.6%
・Russell2000 / 2,931.34 / 週間ほぼ横ばい
・VIX / 15.99
・米10年債利回り / 4.71%前後
・米30年債利回り / 5.25%前後
・ドル円 / 158円台前半
・WTI原油 / 84.67ドル
・Brent原油 / 90.12ドル
・金現物 / 4,050ドル前後
・Bitcoin / 63,000ドル前後

1. 週間では上昇したが、値動きはかなり荒かった

・水曜日 / S&P500 -1.52%、Nasdaq -1.74%、NYダウ -2.19%
・木曜日 / Microsoftを中心に急反発
・金曜日 / Amazonが15%以上上昇
・S&P500とNYダウ / 週間約+1%
・Nasdaq / 週間+1.6%
・Russell2000 / ほぼ横ばい

指数だけ見れば良い週です。

ただ、水曜日にはFOMCを受けて大きく売られ、木曜日と金曜日に大型テック決算で取り戻しました。

今週の上昇は、市場全体が均等に買われた結果ではありません。MicrosoftとAmazonという巨大企業が、指数を押し上げた面が大きいです。

金曜日もS&P500は上昇しましたが、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。

2. FOMCは据え置き。かなりタカ派的だった

・政策金利 / 3.50〜3.75%で据え置き
・採決 / 9対3
・3人の委員が0.25%の利上げを主張
・9月利上げ確率 / 週末時点で約65〜69%
・米10年債利回り / 一時4.747%
・米30年債利回り / 5.25%台

政策金利の据え置きは予想通りでした。

ただし、3人の委員が利上げを主張。ウォーシュFRB議長も、インフレ率を2%へ戻す姿勢を強調しました。

問題は、今後の道筋がよく見えないことです。

利上げするのか。
いつ動くのか。
どの数字を特に重視するのか。

前方指針を減らす方針もあり、市場はFRBの考えを読みづらくなっています。そのため、今後は雇用統計やCPIが出るたびに値動きが大きくなる可能性があります。

3. GDPは予想以下ー米国内の需要は強い

・第2四半期GDP / 年率+1.5%
・市場予想 / +2.1%
・第1四半期 / +2.1%
・個人消費 / +3.2%
・設備投資 / +15.2%
・貿易赤字 / GDPを1.01ポイント押し下げ

表面上のGDPは弱いです。

ただし、中身まで悪いわけではありません。

個人消費は3.2%増。AIインフラ整備を中心とした設備投資も15.2%増加しました。

GDPを押し下げた大きな要因は貿易赤字です。米国内の需要はまだ強く、すぐに景気後退へ向かう数字ではありません。

景気が弱すぎない。
だからFRBも利下げできない。

株式市場にとっては、少し厄介な強さです。

4. PCEは鈍化。ただし、原油高で再上昇する可能性

・6月PCE / 前月比 -0.1%
・6月PCE / 前年比 +3.7%
・コアPCE / 前月比 +0.1%
・コアPCE / 前年比 +3.3%
・個人消費 / 前月比 +0.3%
・貯蓄率 / 2.7%

PCEは5月から鈍化しました。

ただし、その理由の一つは一時的な原油安です。その後、中東情勢が再び悪化し、Brent原油は90ドルを超えています。

つまり、今回の物価鈍化は続かない可能性があります。

個人消費はまだ伸びていますが、貯蓄率は2.7%まで低下。税還付などの支えも弱まりつつあり、今年後半は消費が減速する可能性もあります。

5. Microsoftは「AI投資を回収できる」と示した

・Azure売上高成長率 / +43%
・次四半期Azure見通し / 為替一定で+45%
・Microsoft Cloud売上高 / 593億ドル
・次四半期設備投資予定 / 約500億ドル
・木曜日の株価 / 15%以上上昇
・時価総額増加額 / 約4,500億ドル

今週の主役はMicrosoftでした。

AIやデータセンターに巨額投資を続けていますが、それ以上にAzureの成長が加速。次四半期も45%成長を見込んでいます。

市場が評価したのは、単なる売上成長ではありません。

巨額投資をしても、クラウドで利益と現金を生み続けられる。そこを数字で示したことです。

今のAI相場では、設備投資を増やすだけでは評価されません。投資に見合う成長が確認できる企業だけが買われます。

6. AmazonもAWSの急成長で評価された

・四半期売上高 / 2,006億ドル
・前年比 / +20%
・AWS売上高 / 422億ドル
・AWS成長率 / +37%
・2026年設備投資計画 / 2,200億ドル
・金曜日の株価 / 15%以上上昇
・フリーキャッシュフロー / 直近12カ月でマイナス76億ドル

Amazonの設備投資額は非常に大きく、フリーキャッシュフローもマイナスです。

それでも株価は上がりました。

AWSが37%成長し、4年以上で最も高い伸びとなったからです。2027年分のクラウド容量の大半と、2028年分の一部もすでに顧客によって予約されていると説明しています。

市場はAmazonに対して、需要の存在を確認できたと判断しました。

現金は出ていく。
でも、売上として戻る道筋が見える。

これがMetaやAlphabetとの違いです。

7. Metaは売上が伸びても、キャッシュフローで売られた

・売上高 / 608億ドル
・前年比 / +28%
・フリーキャッシュフロー / 7.84億ドル
・前年同期 / 85.5億ドル
・フリーキャッシュフロー / 前年比 -91%
・2026年設備投資計画 / 1,300億〜1,450億ドル

Metaの広告事業は依然として強いです。売上高も28%増加しました。

それでも株価は売られました。

AI投資によって、フリーキャッシュフローが前年の85.5億ドルから7.84億ドルへ急減したからです。

MicrosoftやAmazonは、巨額投資を成長で説明できました。Metaは、将来の個人向けAIエージェントなどを説明しましたが、現時点では投資回収が見えにくい。

同じAI投資でも、株価の反応はまったく違いました。

8. Appleは好決算でも、供給不足で急落

・売上高 / 1,094億ドル
・前年比 / +16.4%
・EPS / 2.02ドル
・iPhone売上高 / 542.5億ドル / +21.7%
・Mac売上高 / 103.5億ドル / +28.7%
・次四半期売上高見通し / +9〜11%
・市場予想 / 約+12%
・金曜日の株価 / -7.4%

決算自体は強い内容でした。

iPhoneもMacも大幅に伸びています。

しかし、AIデータセンター向け需要によって先端半導体やメモリが不足。Appleでも必要な部品を十分に確保できないと説明しました。

AIブームは、Appleには必ずしも追い風ではありません。

半導体やメモリの価格が上がり、スマートフォンやパソコン向けの供給が圧迫される。今週は、AI投資の副作用が見えた週でもあります。

9. 原油と米国債利回りは、かなり危険な水準

・WTI原油 / 84.67ドル
・Brent原油 / 90.12ドル
・7月の上昇率 / WTI +21%、Brent +24%
・米10年債利回り / 4.71%前後
・米30年債利回り / 5.25%前後
・ホルムズ海峡の通航量 / 依然として低水準

原油は7月に大きく上昇しました。

ホルムズ海峡ではタンカーが引き返す事例もあり、紅海側のバブ・エル・マンデブ海峡でも攻撃リスクが残っています。

原油が上がる。
インフレが戻る。
FRBが利上げする。
長期金利が上がる。
高PER株が売られる。

今の相場で最も警戒すべき流れです。

MicrosoftやAmazonの決算が強くても、米10年債が4.7%、30年債が5.25%なら、株式市場にはかなり大きな負担になります。

10. ドル円は介入で163円台から158円台へ

・ドル円 / 一時163.99円
・日本当局 / 7月30日に円買い介入
・介入規模の推計 / 最大約8.2兆円
・週末のドル円 / 158円台前半
・日銀政策金利 / 1.0%で据え置き
・日銀 / 9月以降の追加利上げを示唆

日本当局による円買い介入で、ドル円は一気に円高へ動きました。

ただし、介入だけで長期的な円安を止められるかは分かりません。

日銀は政策金利を1%で据え置きましたが、基調的なインフレが2%を上回る可能性を示し、必要なら利上げペースを速める姿勢を示しました。

米国株投資家にとって、為替が数日で5円以上動く状況はかなり大きなリスクです。

株価が上がっても、円高になれば円建て利益は減ります。今は株価だけを見る相場ではありません。

11. VIXは低下したが、安心できる週ではない

・VIX / 15.99
・金現物 / 4,050ドル前後
・Bitcoin / 63,000ドル前後
・SOX指数 / 6月22日の最高値から20%以上低い水準

水曜日にはVIXが20を超えましたが、MicrosoftとAmazonの決算を受けて週末には15.99まで低下しました。

ただ、金利も原油も高いままです。

VIXが低いから安全というより、大型テック決算によって一時的に安心感が戻った状態だと思います。

半導体指数も最高値から20%以上低い水準にあり、AI相場全体が完全に立ち直ったとは言えません。

■ 個人的総括

今週の相場は、AI相場の基準がはっきりした週でした。

AIへ投資している。
データセンターを建てている。
設備投資額を増やしている。

それだけでは評価されませんよね。

MicrosoftはAzureが43%成長し、投資回収の道筋を示した。
AmazonはAWSが37%成長し、将来の容量まで顧客に予約されていると説明した。

一方、Metaは売上が伸びてもフリーキャッシュフローが91%減少。AppleはAI向け半導体需要によって、自社製品の供給制約を受けました。

今の市場が見ているのは、AIにいくら使うかではなく、AIからいくら戻ってくるかです。

指数は週間で上昇しました。

でも、原油は90ドル。
米10年債は4.7%。30年債は5.25%。
FRBでは3人が利上げを主張しています。

決算が強いから大丈夫、とは言い切れませんね。

来週に向けて見るポイント / 鬼門

・ISM製造業 / 8月3日 / 景気と仕入れ価格を確認
・JOLTS求人件数 / 8月4日 / 雇用需要の強さ
・SpaceX初の四半期報告 / 8月4日 / IPO後の評価を試す
・ISMサービス業 / 8月5日 / サービス価格と雇用
・米生産性・単位労働コスト / 8月6日 / 賃金インフレを確認
・米雇用統計 / 8月7日 / 予想+8.3万人、失業率4.3%
・AMD決算 / AI半導体需要とNvidiaとの競争
・Palantir決算 / 高い期待に業績が追いつくか
・Caterpillar決算 / 世界の設備投資と景気
・Eli Lilly決算 / 肥満症治療薬の需要
・SpaceX / 上場後の株価下落を決算で止められるか
・米10年債 / 4.75%を明確に超えるか
・原油 / Brent90ドル台が定着するか
・ホルムズ海峡 / 船舶通航が正常化するか
・FRB発言 / 9月利上げを支持する委員が増えるか
・ドル円 / 介入後も158円台を維持できるか
・日銀 / 9月利上げ観測が強まるか
・半導体 / SOX指数が下げ止まるか
・Bitcoin / 63,000ドルを維持できるか
・VIX / 再び20を超えるか

総括

今週の米国市場は、「FOMCで崩れ、大型テック決算で取り戻した週」でした。

S&P500、Nasdaq、NYダウはいずれも週間で上昇。

ただし、すべてのAI企業が評価されたわけではありません。

MicrosoftとAmazonは買われた。
MetaとAlphabetは売られた。
Appleは供給制約で売られた。

違いは、AI投資から利益と現金が見えているかどうかです。

来週は米雇用統計が最大の鬼門になります。

雇用が強ければ、9月利上げ観測が強まる。
弱すぎれば、景気減速への警戒が出る。
ちょうどよい数字でなければ、市場はまた大きく動くと思います。

原油高、米金利上昇、為替介入、中東情勢。株価指数が上昇していても、背景は決して穏やかではありません。

高値を無理に追わない。
決算後の株価反応を見る。
現金を残す。
為替も確認する。

AIへの期待より、利益とキャッシュフロー。

来週も、そこを中心に確認していきたいと思います。
そもそも私はコアサテライト戦略なので問題ありません。

本ブログは、投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の商品や取引を推奨するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の状況やリスク許容度を踏まえ、個人の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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