SNSで見せられる「成功」は、どこまで本当なのか
SNSを開くと、世の中には成功者しかいないように見えることがあります。
「月商100万円を達成しました」
「会社員を辞めて、好きな場所で働いています」
「子育てをしながら、短時間で会社員時代の収入を超えました」
高級車や腕時計を見せる人もいれば、おしゃれなホテルや海外旅行、家族との穏やかな時間を見せる人もいます。
見せ方は違っても、伝わってくるメッセージは同じです。
発信者は、あなたより一足先に理想の未来を手に入れた人として映ります。
売上が伸びずに悩んでいるとき、このメッセージは強く響きます。
この人の方法を学べば、自分も変われるかもしれない。
この講座に入れば、今の苦しい状況から抜け出せるかもしれない。
そう思った経験がある人も多いのではないでしょうか。
僕も独立した直後、売上がほとんど立たない時期がありました。
何をすれば正解なのか分からず、早く結果が出る方法や、すでに成功している人のやり方を探していました。
売上がないときほど、冷静ではいられません。
「これが最後の答えかもしれない」
そう思うと、本当は確認すべきことまで見えなくなります。
だから、この記事を書こうと思いました。
成功している人を批判したいわけではありません。
SNSに出ている数字や写真が、すべて嘘だと言いたいわけでもありません。
ただ、知っておいてほしいことがあります。
SNSで見せられる成功は、単なる結果報告とは限りません。正直、成功しているように見せること自体が、商品を売るための導線になっていることがあります。
成功しているように見せること自体が、講座やコンサル、教材、コミュニティーを売るための仕組みになっていることがあります。
大きな売上は、信用を作ります。
理想的な暮らしは、憧れを作ります。
成功した受講生の姿は、「自分にもできるかもしれない」という期待を作ります。
そして、その期待が高まったところで、商品が案内されます。
数字も写真も、本物かもしれません。
しかし、見せられた事実と、僕たちが頭の中で作り上げた成功は、同じとは限りません。
月商100万円という数字を見て、手元にも100万円残っていると思ってしまう。
過去最高売上を見て、毎月同じだけ売れていると思ってしまう。
旅行先の写真を見て、それがその人の日常だと思ってしまう。
成功した受講生を見て、自分も同じ結果を出せると思ってしまう。
僕たちは、見えていない部分を、無意識に自分に都合のよい想像で埋めています。
問題は、発信者が嘘をついているかどうかだけではありません。
僕たち自身が、成功を見る場所を間違えていることです。
月商、年収、フォロワー数、旅行、自由な暮らし。
その表面だけを見ても、商売が本当にうまくいっているのかは分かりません。
では、僕たちはSNSで見た「成功」の何を真に受け、何を見落としているのでしょうか。
そして、派手な数字ではなく、本当に堅実な商売をしている人は、どこを見れば分かるのでしょうか。
月商100万円。100万円儲かったと思っていませんか
「月商100万円を達成しました」
この言葉を見ると、手元にも100万円近く残っているような気がします。
でも、月商はただの売上です。利益ではありません。ここを混同したまま「すごい」と判断するのは危険です。
そこから広告費、仕入れ、外注費、人件費、家賃、システム利用料などが引かれます。
たとえば、月商100万円でも、広告費に50万円を使い、その他の経費を引いたら、手元に残るのは20万円ということもあります。
反対に、売上が50万円でも、経費がほとんどかからず、30万円以上残る商売もあります。
売上の数字だけを並べれば、月商100万円の人の方が成功しているように見えるでしょう。
しかし、実際に手元に残るお金は逆です。
SNSでは、利益よりも売上の方が大きく見せやすくなります。
「利益30万円」よりも「月商100万円」の方が、派手で、分かりやすく、成功しているように感じられるからです。
数字そのものが嘘でなくても、僕たちが受け取った「成功の大きさ」まで正しいとは限りません。
一番良かった月を、毎月の実績だと思っていませんか
「過去最高売上を達成」
「初月で100万円」
「わずか3か月で月商300万円」
こうした数字も、事実かもしれません。
ただし、その数字が翌月も続いたかどうかは、まったく別の話です。
一度だけ月商100万円を達成した人と、毎月安定して100万円を売り上げている人では、商売の状態が違います。
キャンペーンや商品の発売によって、一時的に売上が伸びることもあります。
反対に、その翌月には売上が大きく落ちているかもしれません。
SNSで強調されやすいのは、平均ではなく、一番見栄えのよい自己ベストです。
僕は、最高月だけでその人の商売を判断しません。最高月は天井を見せても、普段の高さまでは教えてくれないからです。
本当に確認したいのは、最高記録ではなく、その売上が何か月、何年続いているのかです。
あなたは、その人の最も輝いた一瞬を、毎月の実績だと思っていないでしょうか。
その人は、本当に「その方法」で稼いだのでしょうか
ここは、数字以上に見落としやすいところです。
たとえば、「SNS集客で月商1,000万円」と掲げる人が、SNS集客の講座を販売しているとします。
その1,000万円が、SNS集客を使って、もともとの商品やサービスを売った結果なのか。
それとも、SNS集客の方法そのものを教える講座の売上なのか。
同じ「SNSで月商1,000万円」でも、実績の意味は変わります。
講座を販売すること自体が悪いわけではありません。
実践経験を体系化し、価値ある形で教えている人もいます。
実践して稼いだ実績と、その方法を教えて稼いだ実績を、同じものとして見るのは違うと僕は思います。
副業で月5万円を作った後、その方法を教える商品で月100万円を売り上げることもあります。
物販で成果を出した後、現在の主な売上は、物販そのものではなく、物販を教えるスクールから生まれていることもあります。
どちらも事実であっても、あなたが学ぼうとしている実績としては意味が違います。
プロフィールに書かれた数字を見るときは、その数字の出どころまで見てください。
その人は、何を誰に売って、その売上を作ったのか。
ここを確認しなければ、数字は正しくても、実績の意味を取り違えます。
ホテルの写真一枚を、毎日の暮らしだと思っていませんか
成功の見せ方は、大きな数字だけではありません。
高級車、腕時計、タワーマンション。
おしゃれなホテル、海外旅行、カフェで働く姿。
家族との時間を大切にしながら、好きなことを仕事にしている様子。
見せ方は違っても、伝わってくるメッセージは似ています。
この方法を選べば、あなたもこの暮らしに近づけます。
写真は、本当にその場所で撮影されたものかもしれません。
楽しそうな表情も、その瞬間の気持ちも、本物かもしれません。
しかし、その一枚から分かるのは、その瞬間だけです。
毎日どれくらい働いているのか。
売上は安定しているのか。
その暮らしを無理なく続けられているのか。
写真だけでは分かりません。
家族との時間を見せながら、投稿の裏では深夜まで働いているかもしれません。
華やかな暮らしに見えても、大きな借り入れを抱えている可能性もあります。
ホテルで撮影したあと、自宅に戻って何時間も営業活動をしているかもしれません。
もちろん、これは外から見た僕の想像にすぎません。
その人が実際に、どのような働き方や生活をしているのかは分かりません。
ただ、ここで伝えたいのは、その人に見えない問題があると決めつけることではありません。
写真一枚では、見えない部分があるかどうかさえ判断できないということです。
一場面が本当でも、それが生活の全体とは限りません。
それでも僕たちは、その一枚の前後を自分で想像し、理想の人生を作り上げます。
ホテルで仕事をしている写真を見れば、毎日好きな場所で自由に働いていると思う。
家族との写真を見れば、仕事と家庭を無理なく両立していると思う。
そして商品を買う前から、その人の暮らしを、自分が手に入れられる未来として見始めます。
写真が嘘なのではありません。
一枚の写真から、見えていない人生まで都合よく補ってしまうことが問題なのです。
成功した一人を、参加者全員の未来だと思っていませんか
講座やコンサルの案内では、成果を出した受講生が紹介されます。
「未経験から3か月で売上100万円」
「子育てをしながら月収50万円」
「フォロワー300人でも商品が売れた」
こうした事例を見ると、
「この講座なら、自分にもできるかもしれない」
と思います。
紹介されている成果が、本物である可能性は十分にあります。
ただし、一人の成功者がいることと、参加者の多くが同じ結果を出せることは別です。
たとえば、100人の参加者のうち1人が達成した成果なのか。
10人の参加者のうち8人が達成した成果なのか。
同じ成功事例でも、意味はまったく変わります。
当然ながら、販売ページで大きく紹介されるのは、成果が出た人です。
変化がなかった人や、途中でやめた人、受講料を回収できなかった人が、成功事例と同じ大きさで紹介されることはほとんどありません。
これは、都合の悪い事実を隠しているとは限りません。
商品を紹介する場で、良い結果を中心に見せることは自然なことです。
紹介された一人を見て、「自分も同じ結果になる」と考えるのは危険です。成功者が一人いることと、再現性があることは別です。
成功事例は「成果を出せる可能性」の証明にはなっても、「あなたも同じ結果を出せる」という保証にはなりません。
見るべきなのは、成功者がいるかどうかだけではありません。
自分と近い経験、資金、使える時間を持つ人が、どれくらいの期間をかけて成果を出したのか。
その人だけが特別だったのか、それとも多くの参加者が再現できているのか。
一人の成功者を見て、参加者全員の未来まで想像してはいけないのです。
あなたが欲しいのは、本当にノウハウでしょうか
派手な数字や理想の暮らしを見たとき、僕たちは、その人が持っているノウハウを知りたいと思います。
ただ、本当に欲しいのは、情報そのものではないのかもしれません。
売上の不安から抜け出したい。
家族に安心してもらいたい。
自分の仕事に自信を持ちたい。
好きな場所で働きたい。
成功している側の人間になりたい。
僕たちが買おうとしているのは、ノウハウだけではありません。
そのノウハウを手に入れた先にいる、成功した自分の未来です。
その未来を望むことは、悪いことではありません。
僕も売上がほとんど立たなかった時期には、早く今の状況から抜け出したいと思っていました。
今の自分にはない答えを、成功している誰かが持っているように見えました。
しかし、欲しい未来が鮮明になるほど、商品の中身を冷静に見られなくなります。
何を学べるのかより、誰のようになれるのかを見てしまう。
自分とその人では、経験、資金、人脈、使える時間が違うことを忘れてしまう。
「今決断できない人は成功できない」という言葉に押され、焦って申し込んでしまうこともあります。
もちろん、決断の速さが必要な場面もあります。
ただ、心が大きく動いているときほど、判断が正しいとは限りません。
商品が欲しいのか。
その商品を手に入れた自分の未来に興奮しているだけなのか。
申し込む前に、一度だけ分けて考えてみてください。
派手な数字の先にある「商売の中身」を見てください
では、成功している人を見るとき、どこに注目すればよいのでしょうか。
僕は、月商やフォロワー数よりも、次のような部分を見ます。
その人は、誰のどんな悩みを解決しているのか。
お客様は、なぜその人を選んでいるのか。
一度売って終わりではなく、何度も選ばれているのか。
売上だけではなく、利益が残る商売になっているのか。
数か月だけではなく、何年も続いているのか。
派手な発信をやめても、お客様が来る状態になっているのか。
紹介やリピートが生まれているのか。
ここには、高級ホテルの写真ほどの華やかさはありません。
投稿にしても、あまり目立たないでしょう。
正直、こういう地味な話はSNSでは目立ちません。でも、商売を続けるのは、いつもこの地味な部分です。僕は、派手さよりも、選ばれ続ける仕組みの方を信用します。
成功とは、大きな数字を見せることではありません。
必要としているお客様に選ばれ、利益が残り、それを続けられることです。
成功者を見るな、という話ではありません
この記事で伝えたいのは、SNSの成功者を全員疑ってください、ということではありません。
本当に大きな成果を出している人もいます。
優れた商品や講座もあります。
学ぶことで、自分の商売が前進することもあります。
ただし、見る場所を間違えないでください。
月商の大きさだけを見ない。
理想の暮らしだけを見ない。
一人の成功事例だけを見ない。
見るべきなのは、その成功を支えている商売の中身です。
なぜ選ばれているのか。
どんな価値を提供しているのか。
どうやってお客様と出会い、購入までつなげているのか。
一度きりではなく、どうやって売上を続けているのか。
そこに、あなたが本当に持ち帰るべきヒントがあります。
他人の派手な成功を追いかけても、あなたの売上が安定するとは限りません。
あなたが作るべきなのは、自分の商品を必要としている人に届け、選ばれ、継続的に売上が生まれる流れです。
つまり、堅実に自分の足で稼ぐための売上導線です。
僕は、その売上導線をAIも活用しながら、自分の事業に合わせて組み立てる方法を、
「個人経営者のためのAI売上導線設計図」
にまとめました。
派手な成功法則ではなく、自分の商品、自分のお客様、自分の商売を基準に売上を作りたい方は、こちらをご覧ください。
派手な成功に答えがあるのではありません。
その成功を支えている、地味な商売の中身に答えがあります。
