レシートは、今日を生きた証だった。
スーパーを出る。
袋を持ち替えながら、
レシートを受け取る。
財布へ入れる日もある。
そのままポケットへ入れる日もある。
気づけば、
机の上に置きっぱなしになっていることもある。
家に帰る。
牛乳を冷蔵庫へ入れる。
野菜をしまう。
パンを並べる。
部屋は、
いつもの静けさに戻っていた。
手元には、
一枚のレシートだけが残る。
前の私は、
それを、
「もう終わった紙」
だと思っていた。
買い物が終われば、
役目も終わる。
だから、
何も考えずに捨てていた。
でも、
ある日、
何気なく見返した。
牛乳。
卵。
食パン。
ヨーグルト。
少しだけ高かったトマト。
並んでいるのは、
ただの商品名。
それなのに、
その一枚を見ていると、
あの日の景色まで思い出していた。
レジで聞こえた、
「ありがとうございました。」という声。
冷房の少し冷たい空気。
買い物袋の重さ。
夕暮れの空。
思い出したのは、
買った物じゃなかった。
その日を、
ちゃんと過ごしていた自分だった。
何もできなかった。
今日は進めなかった。
そんなふうに思っていた日もある。
それでも、
ご飯のことを考えて、
スーパーへ行って、
必要なものを選んで、
家へ帰ってきた。
ご飯のことを考えて、
スーパーへ行って、
必要なものを選んで、
家へ帰ってきた。
それだけで、
ちゃんと、
今日を暮らしていた。
レシートは、
お金を払った証明じゃなかった。
今日という一日を、
確かに生きた証だった。
その日から、
レシートを捨てる手が、
少しだけ、
やさしくなった。

#HSP
#繊細さん
#エッセイ
#日常
#暮らし
#人生
#再定義
#言葉
#今日を生きる
#心
#自分を大切にする
#感謝
いいなと思ったら応援しよう!
貴重なご支援をいただき、心から感謝申し上げます。いただいたお気持ちは、より良い情報をお届けするための活動費や、心身を整える研究のために大切に活用させていただきます。誠心誠意発信を続けてまいります。温かい応援に、深く感謝いたします🌿🙏