今日は、お釈迦さまのお誕生日
4月8日は「花祭り(はなまつり)」。 お釈迦さまが生まれた日です。
お寺では、花々で飾られたお堂の中に赤ちゃんのお釈迦さまの像を置いて、甘茶をかけてお祝いをします。

春の花が咲き誇るこの季節に、2500年以上前、インドのルンビニーという場所で、一人の赤ちゃんが生まれました。
その赤ちゃんが、のちにお釈迦さまとなる「ゴータマ・シッダールタ」です。
「天上天下唯我独尊」って、どういう意味?
お釈迦さまが生まれたとき、こんな言葉を言ったと伝えられています。
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
むずかしい言葉ですね。でも、意味を知るととても大切なことを伝えてくれています。
この言葉、じつは「自分が一番えらい!」という意味ではありません。
よく誤解されるのですが、「唯我独尊」の「我(が)」は、お釈迦さまひとりのことを言っているのではなく、
「この世に生きるすべてのいのち」のことを指しています。

本当の意味は「あなたのいのちは、かけがえない」
「天上天下唯我独尊」を、子どもたちにわかりやすく言いかえるとしたら「この世界に、あなたはたったひとりしかいない。それだけで、あなたはすごく大切な存在だよ」
ということです。
たとえば、学校に行くと、足の速い子がいます。
絵の上手な子がいます。勉強がよくできる子がいます。
そういう子を見て、こう思ったことはありませんか?
「あの子みたいになれたらいいな……」 「自分はだめだな……」
でもちょっと待って。
あなたは、「あの子になるために」生まれてきたのでしょうか?
ちがいますよね。
あなたは、「あなたとして生きるために」、この世界に生まれてきました。
比べることの苦しさ
お釈迦さまは、人が苦しむ理由をずっと考えました。そして気づきました。
人が苦しむのは、「もっとこうだったら」「あの人みたいだったら」と、ないものばかりを追いかけるからだと。
足が速い子と比べて落ちこむとき、あなたは自分の中にある「あなただけの良さ」を、見えなくなっています。
お釈迦さまの言葉はそこで、やさしく声をかけてくれます。
「あなたは、今のままで、すでにかけがえのない存在だよ」と。
すべてのいのちが「独尊(どくそん)」
もうひとつ、この言葉には大切なことが込められています。
それは、「あなただけでなく、みんなのいのちが同じように尊い」ということです。
自分が大切な存在であるように、友だちも、家族も、知らない人も、虫も、花も
この世界に存在するすべてのいのちが、たったひとつのかけがえないものです。
だから、
自分を傷つけることも、してはいけない。
人を傷つけることも、してはいけない。
「天上天下唯我独尊」という言葉は、自分を大切に、そして人も大切にという心の土台を教えてくれているのです。

甘茶をかけながら、思い出してほしいこと
花祭りでは、赤ちゃんのお釈迦さまに甘茶をかけます。
甘茶をかけるとき、こんなことを心の中で思い出してみてください。
「わたしのいのちは、ただひとつ。比べなくていい。」
「友だちのいのちも、ただひとつ。大切にしよう。」
お釈迦さまが2500年前に伝えようとしたことは、今も変わらず、わたしたちの心に届いています。
今日という日が、あなたにとって、自分のいのちをあらためて大切に感じる一日になりますように。
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