恐怖に打ち勝つとき、新しい自分に成長する——山が私に与えてくれたもの⛰️(1/6)
この山歩で山から与えられたもの:恐怖・成長
山を始めたばかりの頃の話です。
「低山なら大丈夫だろう」
そう思っていた時期がありました。
小野アルプス。
兵庫県小野市にある、標高は決して高くない山。
でも、その山は私に最初の洗礼を与えてくれました。
小野アルプスとは
「日本一低いアルプス」として知られる、兵庫県小野市の縦走路です。
高山・前山・愛宕山・安場山・総山・アンテナ山・惣山・紅山・岩山などの山並みの総称で、標高100〜200m程度の低山が連なっています。
最高峰の惣山でも標高198.9m、このアルプスの主役である紅山は約182m。
「低山だから楽だろう」と思うなかれ。
全縦走の累積標高差は758m。
細かく、そして大きなアップダウンを繰り返す、侮れない山域です。
私が歩いたのは、白雲谷温泉ゆぴかを発着点とした縦走ピストンコース。
しんどさ:6/10
恐怖度:8/10(紅山の岩場)
👉 小野アルプスの詳細はこちら


紅山、という洗礼
登山口は「白雲谷温泉ゆぴか」の駐車場脇。
無料駐車場・トイレも完備されており、登山者にとって非常にありがたい発着点です。
事前に情報は調べていました。
「急勾配がある」とは知っていた。
でも、実際に目の前にした紅山の岩場に、足がすくみました。
岩肌がむき出しの急斜面。
手をつかないと登れない角度。
下を見ると、かなりの高度感。
「これ、本当に登るのか」
山を舐めていた私への、正直な答えがそこにありました。


それでも、登った
怖かった。
アドレナリンが出てくる音まで聞こえてきそう。
でも、引き返すのも怖かった。
一歩一歩、岩に手をつきながら登りました。
呼吸を整えて、次の一手を確認して、また一歩。
そして、山頂に立ったとき。
広がる景色を見て、思わず声が出ました。
播磨の街並みが一望できる。
空が近い。
風が気持ちいい。
恐怖に打ち勝った先にある景色は、登ってきた人にしか見えないものでした。

OTとして思うこと
作業療法士として、「恐怖」と向き合う場面があります。
転倒への恐怖、失敗への恐怖、できなくなることへの恐怖。
恐怖は人を止める力を持っています。
でも同時に、それを乗り越えたとき、人は確かに変わります。
あの急斜面を登りながら、私はそれを自分の身体で実感しました。
恐怖に打ち勝つとき、人は新しい自分に成長する。
対象者に伝えてきた言葉を、山が私に教えてくれた瞬間でした。
下山後のゆぴか
縦走ピストンを終えて、ゆぴかへ。
地下1,300mから湧き出す自家源泉。
カルシウム・ナトリウムを豊富に含む塩化物低温泉で、体を芯からじっくり温めてくれ、
登山後の疲れた身体に、これ以上ない癒しを与えてくれます。
温泉に浸かりながら、今日登った山を眺める。
食事をしながら、あの急斜面を思い出す。
身体は疲れていました。
でも心は、不思議なほど軽かった。
山歩のあとの温泉と食事は、それだけで十分なご褒美です。
👉 白雲谷温泉ゆぴか公式サイト


次の山へ
小野アルプスは、私に最初の「本物の恐怖」を与えてくれました。
そしてそれを乗り越える経験も。
あの日がなければ、今の私の山歩はなかったと思います。
山は甘くない。
でも、だからこそ面白い。
それを教えてくれた最初の山に、今も感謝しています。
これからも山を歩きながら
感じたことを書いていきます。
よかったらまた読みにきてください。
次回は播磨アルプス(高御位山)——
私のホームマウンテンの話です。
