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お題をもらって書くということ『文フリ東京初参戦記』(前編)

12月1日(日)に行われる文学フリマ東京に「浜松オンライン読書会」のメンバーのひとりとして参戦します。

縁あって加入した読書会ですが、この団体が定期的に編纂しているアンソロジーに短編を寄稿するのは初めてのことでした。

寄稿に当たって主催者から「積読」というお題を示されたのですが、自分の中からは絶対出てこないテーマだったので、創作上いろいろと刺激がありました。今回はその刺激についての話を「前編」として語ります。「後編」は文フリ後の成果報告になる予定です。

なお、私は福岡で実施された文フリには行ったことがありますが、東京は初でして、売る側で参戦するのももちろん初めての経験なので、いまからわくわくしております。

公式サイトはこちら↓
文学フリマ東京39 – 2024/12/1(日) | 文学フリマ

読書会のブースは『てー29』

アンソロジーの中身はこちら↓です。
「積読」をテーマにしたアンソロジーほか、フリーテーマのエッセイなど、本好き19名が寄稿した盛りだくさんの内容です。当日は私も12時~13時で店番に立ちます。おまちしております。

私が寄稿した短編は「戦場のブックデリバリー」です。

戦場になった東京。クリスマスの夜。一台のトラックが最前線へ本を運ぶ。こんな仕事に命をかける価値はあるのか。配達先で兵士が見たものとは。

「積読」というお題を、ふだん商業で書いている得意領域へ引っ張り込んで物語を展開した、いわゆるディストピア系の話です。

私はこれまでに五作を出版しておりますが、編集者から「あれ書いて」とか「ここを舞台に」とか言われたことはなく、テーマもモチーフも常に私が決めてきました。従って人からテーマを与えられて物語を書いたのは初めてでした。

楽でした。そして楽しんで書けました。

21年の自衛隊勤務を経て、上司の無茶ぶりを形にまとめる能力が異様に発達してしまったらしい私は、かみ合わせの悪い掛け算がどうやら得意技のようです。私は幕僚の鑑ですね。

ほかの作家さんのインタビューでよく見るやつに「どうしてこういう話を?」と質問され「担当者から○○を書いてみませんかと提案されて…」と答えるやつ、ありますよね。でも、その○○は、出版社を舞台に、とか、病院物でお願いとか、いわゆるモチーフを提示されるパターンがほとんどで、自己犠牲でお願い、とか、成り上がりでよろしく、とか、テーマを指定されることはあまりないはずです。というか、聞いたことない。

私のふだんの執筆スタイルは、まず興味のある素材(モチーフ)を徹底的に取材して、そこから浮かびあがるメッセージのような物をテーマにするパターンで物語を作っています。ですから、テーマを決めるまでがとてもしんどい。

たとえば「病院物」とモチーフだけ指定されても、外科か小児科か監察医か、業界をリサーチしてテーマを自分で決めなければならないから、やっぱりしんどい。

ヒーロー物が大好きな作家に「自己犠牲で」とテーマを指定した結果、バットマンができあがる。

私が今回経験したパターンはこれです。一番しんどいところを決めてもらえたから楽だったわけです。

一方で、普通、編集者はテーマにまで踏み込んで指定したりしない。テーマにこそ作家性は宿る、というのが暗黙の了解だからでしょう。しかし、いつもいつもそればかりだと血流が悪くなる。たまには外の血を入れてみるのもいいものです。

ちなみに、「積読」という自分からは絶対出てこないテーマで執筆した結果、「戦争×本」というテーマを思いつき、同様のテーマで書かれた本を何冊か読んで軽くプロットを作って担当に話したら、「それは面白い!絶対イケる!」となったことをここに欣然として報告させていただきます。来年あたりにはお披露目できるといいな。

次回『文フリ東京初参戦記』(後編)は文フリ後の成果報告になる予定です。乞うご期待!

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野上大樹@作家 チップではなくて、本を買うのでもよろしくってよ

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