プペルを見て気づいた。努力が報われないのは“まだ11時だから”
努力しても、報われないことはある。
それを、私は嫌というほど知りました。
人生をかけて取り組んできたラグビー。
本気で、命を削るように向き合ってきました。
ですが、その道のりは決して順風満帆ではありませんでした。
脳震盪と向き合いながらの5年間。
思うようにプレーができない。
以前ならできていたことが、できなくなる。
それでも続けるしかない。
気づけば、
「頑張ること」が正しいことではなくなっていました。
頑張れば頑張るほど、悪化する。
無理をすればするほど、遠ざかる。
努力しているはずなのに、
前に進めている感覚がない。
努力家だった自分にとって、
それは地獄でした。
それでも、諦めきれなかった。
「まだやれる」
「ここで終わるわけにはいかない」
そう自分に言い聞かせながら、
限界まで続けていました。
ですが最終的に、
ドクターストップ。
ラグビーから離れる決断をすることになりました。
あの瞬間、
自分の中で何かが崩れました。
夢を失い、
居場所を失い、
生きがいを失った。
「ここまでやって、この結果なのか」
「すべて無駄だったのか」
そう思ったとき、
心が一気に落ちていきました。
その後、鬱の状態になりました。
朝、起きることができない。
人と会うこともできない。
何も楽しくない。
未来が何も見えない。
自分には価値がないと、
本気で思っていました。
自分を責め続ける日々。
そして、
これまで理解できなかった感情が、
分かるようになってしまった。
「自ら命を絶つ人の気持ち」が、
分かってしまったのです。
それくらい、追い込まれていました。
あの時間が、
私にとっての「11時」でした。
頑張っても報われない。
何のために生きているのか分からない。
すべてが終わったように感じる時間。
ですが今振り返ると、
あの時間には意味がありました。
少しずつ状態が回復してきた頃、
西野亮廣 のYouTubeを見るようになりました。
そこで見たのは、
常識を疑いながらも、
挑戦し続ける姿。
どれだけ批判されても、
誰かに届けることをやめない覚悟。
そして何より、
圧倒的な行動量。
その姿に、強く心を動かされました。
そして実際に足を運んだのが、
映画えんとつ町のプペル 約束の時計台 でした。
物語の中で描かれる世界。
そして最後の、時計のシーン。
「時計の針は、11時では重ならない。でも必ず12時で重なる。」
その瞬間、
自分の人生と重なりました。
思わず、涙が止まりませんでした。
あの5年間も、
あの苦しみも、
あの鬱の時間も、
すべて、無駄ではなかった。
ただ、まだ“重なる前”だっただけなんだと。
ここでようやく分かりました。
努力が報われないのではない。
まだ途中なだけ。
そしてもう一つ。
私たちは、
「結果が出たときだけを成功」と思い込みすぎている。
だから、
その過程で起きる苦しみや失敗を、
すべて“無駄”だと感じてしまう。
でも本当は違う。
11時の時間があるからこそ、
12時で重なる。
準備があるから、
結果が生まれる。
今の私は、
まだ12時ではありません。
ですが、それでも本当に幸せです。
なぜなら、
もう一度本気で挑戦したいと思えるものに出会えたからです。
HYROX という競技に出会い、
この競技でオリンピック金メダルを獲りたいと、
本気で思うようになりました。
そしてその挑戦を通して、
怪我で苦しむ人や、
鬱で苦しむ人の光になりたい。
そう思うようになりました。
だからこそ、
今も行動し続けています。
一つひとつは、小さな一歩かもしれません。
それでも、その一歩が、
未来につながると信じています。
もし今、
立ち止まりそうになっているなら、
それは終わりではありません。
まだ、11時なだけです。
どうか、自分を諦めないでください。
12時は、
ただ待っていれば訪れるものではありません。
準備を続けた人が、
自ら迎えにいく瞬間です。
その一歩を、やめないでください。
必ず、重なる瞬間が訪れます。
