「昔からこうだから」が会社を止めてしまう理由
組織が変わる瞬間は「当たり前」が疑われたとき
ある会社で業務改善のお手伝いをしていたときのことです。
会議では毎月のように、
「忙しい。」
「人が足りない。」
という話が続いていました。
そこで私は、一つ質問をしました。
「その仕事は、本当に毎月やる必要がありますか。」
部屋が静まり返りました。
誰も反対はしません。
しかし、誰も答えられませんでした。
その仕事は、必要だから続いていたのではなく、
「昔からやっているから」続いていただけだったのです。
私は、組織が変わる瞬間とは、このような場面ではないかと思っています。
1.組織には「当たり前」が積み重なっている
どんな会社にも、
「以前からそうしている。」
という仕事があります。
会議の進め方
報告書の書き方
承認の手順
担当者の役割
最近の経営支援している企業であったことです。
ある作業を従業員全員が行っていたのですが
ある時に私が見ていたら、その作業に疑問を頂きました。
「この入力作業って、申請書に同じこと入力してますよね?」
この質問をその企業の幹部に聞いたら
そうですね、でも昔からやっていることですから。
???昔からやっていることだから、意味のない作業を
している!
これをその企業の社長に話したところ
その入力作業は次の週から無くなり
業務の効率化が向上したそうです。
始めた理由を知っている人は、もう会社に残っていないこともあります。
それでも、そのやり方だけは受け継がれていきます。
2.問題は「改善しないこと」ではない
経営相談をしていると、
「社員から改善提案が出ない。」
という相談を受けることがあります。
私は、そのとき必ずこう考えます。
社員に改善する力がないのではなく、「当たり前を疑ってはいけない空気」があるのではないか、と。
前例を変えると面倒になる。
余計なことを言う人と思われる。
そんな雰囲気があれば、人は気づいていても口にしなくなります。
3.変化は大きな改革から始まるわけではない
組織改革というと、大きな制度変更を思い浮かべる人もいます。
しかし、現場で起きる変化の多くは、もっと小さな問いから始まります。
「この資料は誰が読んでいるのだろう。」
「承認は本当に三人必要なのだろう。」
「この会議は何を決める場なのだろう。」
そんな素朴な疑問が、仕事のやり方を大きく変えることがあります。
4.変われる組織は「問い」を歓迎する
成長を続けている会社には、一つ共通点があります。
それは、質問を歓迎することです。
「なぜ、このやり方なのですか。」
そんな問いに対して、
「昔からだから。」
では終わりません。
理由を説明したり、一緒に考えたりします。
そして、理由が見つからなければ、やり方を見直します。
変化に強い組織とは、答えをたくさん持っている組織ではありません。
問いを歓迎できる組織なのです。
まとめ
私は、組織は「新しいことを始めたとき」に変わるのではなく、「今まで当然だと思っていたことを見直したとき」に変わることが多いと感じています。
経営相談でも、大きな改革から始める会社はほとんどありません。
「この会議、本当に必要ですか。」
「この資料は誰のためですか。」
「このルールは今でも意味がありますか。」
そんな一つの問いが、現場の空気を変え、仕事の進め方を変え、やがて組織全体を変えていきます。
もちろん、すべての慣習を否定する必要はありません。
長年続いている仕組みには、それなりの理由があることも少なくありません。
だからこそ大切なのは、「昔から続いているから正しい」と考えるのではなく、「今の会社にとって本当に必要なのか」を考え続けることです。
組織が停滞するときは、答えが固定されていることが多くあります。
一方で、成長を続ける組織は、常に問いを持ち続けています。
組織が変わる瞬間とは、新しい制度が始まる日ではありません。
誰かが勇気を持って、「それは本当に当たり前ですか」と問いかけた、その瞬間から始まるのではないでしょうか。
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