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安心を選ぶという、やさしい旅 ―はじめてのインド、旅の余白―

はじめに

― 元気に行って、元気に過ごし、元気に帰るための工夫―

好奇心旺盛で、インドへの興味は尽きない私ですが、HSPであり、INFJ。
刺激で疲れやすく、人よりも気力も体力もありません。

正直なところ、不安と心配のほうがずっと大きくありました。

初めてのインド。
未知の国。
想像の中では、刺激も情報も多すぎて、
自分の心と体がついていけるのか分からなかったのです。

だから今回の旅には、ひとつだけ静かなテーマを決めていました。

「元気に行って、元気に過ごし、元気に帰ってくること。」

あれも見たい、これも感じたい、という気持ちは胸にありましたが、
無理に踏み込まず、深追いせず、
まずは“サラリと触れてみる”ことを大切にしようと思いました。

インドを理解しようとしなくていい。
好きになろうと頑張らなくていい。
ただ、その空気の中に身を置いて、
自分の反応を静かに感じてみる。

それだけで十分だと、自分に言い聞かせていました。

荷物も、予定も、心構えも、
できるだけシンプルに。
安心できるものを選び、余白を残す。
体調を崩さないことを最優先に、
欲張らない旅を心がけました。

旅の前夜、
胸の奥にはやはり緊張がありました。
でもその隣には、
「きっと大丈夫」という、静かな確信も芽生えていました。

この旅は、何かを成し遂げるためのものではありません。
インドという国を通して、
自分の感覚を信じる練習をするような時間。

そう思えたとき、
心は少しだけ、軽くなっていました。

そこで私は、私なりにいくつかの工夫をしてみました。

大袈裟と思われるかもしれませんが、
今回の旅のテーマは、(繰り返しますが)あくまで

「元気に行って、元気に過ごし、元気に帰ってくる」

初めてのインドです。
背伸びはせず、無理もしない。
安心を優先することを、自分に許しました。

実は、インド料理も
これまであまり馴染みがありません。
油やスパイスが多い食事は、胃腸を刺激しやすく、少し苦手です。
衛生面とあわせて、食事をどうするかは、旅の前から悩んでいました。

だからこそ、
事前にできる対策は、できるだけ丁寧に。
心配を減らして、
安心して初めてのインドを味わえるように、
静かに準備を重ねました。

この記事が、
同じようにインドに興味があるけれど
不安も大きいという方へのお役に立てたら嬉しいです。


1.宿泊は、安心できる場所を選ぶ

宿泊先は、シャングリ・ラ ニューデリー。

ホライズンラウンジアクセス付きのお部屋を予約しました。

五つ星ホテルであること、
そしてラウンジが使えることは、
今回の私にとって大きな安心材料でした。

チェックインの際、
帰りの便が夜だったためレイトチェックアウトをお願いしたところ、
シャングリラのアプリ登録だけで、無料で対応していただけました。

お部屋はホテル18階。
そしてホライズンラウンジは最上階の19階。
朝食、ティータイム、そして夕方17時から20時までのハッピーアワーでは、
軽めの食事とアルコールも楽しめます。

冬のデリーは大気汚染の影響で、景色は一面白く霞んでいましたが、
それでも高い場所から街を見下ろす時間は、心を落ち着かせてくれました。

到着した日はハッピーアワーの時間を過ぎていましたが、
スタッフの方が気を利かせてくださり、
ピーナッツやチップス、
そして厨房に相談して用意してくれた
海老のグリルを
ワインと一緒に出してくれました。

その心遣いが、胸にじんわりと沁みました。

滞在中は、このラウンジで過ごす時間が自然と増えていきました。
美味しい紅茶や、安心できる食事を、静かに楽しめる場所。

五つ星のシャングリラを選んで、本当によかったと感じています。

朝には、たくさんの鳥たちが外を飛び交い、
時折、窓辺に遊びに来てくれることもありました。
私の滞在中には、つがいのオウムが姿を見せてくれました。

このラウンジのおかげで
持参していたフリーズドライのお味噌汁やお粥は、
体調が崩れたとき用のお守りでしたが、
幸い使うことはなく、そのまま日本へ持ち帰ることができました。


2.水は、すべてペットボトルで

一流ホテルとはいえ、念には念を、ということで、飲み水だけでなく
洗顔や歯磨きはすべてペットボトルの水を使いました。

シャワーの際も、目や口に水が入らないように意識して。
改めて、水の大切さ、日本のありがたさを感じました。

お部屋にもホテル側が毎日用意してくれるボトルがありましたが

行きの便でご一緒したCAさんが、
「全部気をつけていたのに、バスタブに浸かっただけで体調を崩した」
と話してくれたこともあり、
それ以来、さらに気が引き締まりました。

原因は分かりませんが、
“気をつけすぎるくらいでちょうどいい”
そんな言葉が、心に残っています。


3.体調ケアのための持ちもの

旅行は、楽しい反面、どうしても疲れが出やすいもの。
ましてや、初めてのインドです。

私は、体調ケアのために、いくつかのアイテムを持って行きました。

幸い胃腸薬は使うことがありませんでしたが

特に重宝したのは、梅。
「梅肉エキス」「梅の黒焼き」「梅醤番茶」など

そのほかにも、ヨモギのサプリなど、
自然のもので胃腸をサポートしてくれるものを、朝晩少しずつ取り入れていました。

ホメオパシーのアコナイトや、アルセニカムなども持参しました。

あとはマスクや除菌シートはもちろん、
水に流せるティッシュなども念のために。


4.空港送迎、両替は、事前に手配

到着時と出発時の空港送迎は、あらかじめ手配。
現地で無理に判断しなくていいように、
安心できる流れを作っておきました

実際のところ、
Uberなどを使ってその場で手配する方が、
費用はかなり抑えられるようです。

けれど今回は、
空港での体験談や口コミを読み、
「安心できる」と感じた旅行会社さんに、
空港とホテル間の往復送迎を事前にお願いしました。

騙されたり、
意図しない場所へ連れて行かれたり、
余計なトラブルに巻き込まれないために。

少し大袈裟かもしれませんが、
打てる手は、すべて打つ。
それが今回の私の選択でした。

お願いしたのはキズナインドトラベルズさん。

LINEでのやり取りは驚くほどスムーズで、
しかも日本語。
返信もとても早く、
出発前から、すでに安心感がありました。

デリーの空港に到着し、ゲートを出ると、
名前の書かれたボードを持ったドライバーさんが待っていてくれました。

車に乗ってすぐ、
日本語を話せるスタッフの方から
「無事に乗車されましたか?」と確認の電話。

その一言で、
張りつめていた気持ちが、ふっと緩みました。

事前にお願いしていた両替も、
車内でそのまま対応してもらえたのは、本当に助かりました。

実際、デリーの空港に着いただけでも、
長時間フライトの疲れと、
未知の世界の空気、
そして緊張感で、少し頭がくらくらします。

そんな中、
名前が書かれたボードを持ち
「こちらです」と案内してもらえることの心強さ。

ツアーではなく個人旅行
初めてのインドだからこそ、
この安心は、何よりの贅沢でした。

翌日の午後には、半日のデリー観光もお願いし、
帰りの空港送迎まで含めて、すべて同じ会社に。

どちらもホテルのロビーでドライバーさんと合流し、
流れはとてもスムーズでした。

(ドライバーさんとのやり取りは英語です)

元気があって、旅慣れている方であれば、
地下鉄やトゥクトゥクなどを使って、
もっと自由に、そして安価に動けると思います。

けれど今回は、
「元気に行って、元気に過ごし、元気に帰る」旅。
この選択が、私にはちょうどよかったのだと思います。


5.航空会社は、日系を選ぶ

航空会社は、JALで手配しました。

キャンセル可能な航空券にしていたので、
万が一、急な変更があっても対応できる安心感があります。

行きの便では、
プラス1万円で、足元の広い非常口席を予約。

窓は真横にはありませんが、
足をしっかり伸ばせて、体がとても楽でした。

緊急時の脱出援助することと
離着陸時は、手荷物を頭上の収納棚に入れる必要はありますが、
長時間フライトでは、このスペースの余裕が、思っている以上に効きます。

帰りは通常のエコノミー席でしたが、
行きの快適さを思い出すと、
「あの1万円には、十分価値があったな」と感じました。

日系の航空会社を選んだ理由は、
日本語が通じることも大きな安心でした。

機内では、
和食の機内食が用意されていたり、
細やかな気配りが、いつも通りの温度で差し出されます。

それだけで、
もう日本に帰ってきたような、
ほっとする感覚がありました。

異国へ向かう旅の途中で、
心を緩めてくれる時間があること。
それもまた、体調を守るための大切な要素だと感じます。


6.無理はしない

旅に出ると、
あれもしたい、ここも行ってみたい、と
自然と気持ちは広がっていきます。

けれど、冬のデリーは、
空気の状態がとても厳しい時期でした。

スモッグと濃霧が重なった日は、
ホテルの部屋から外を見ても、
何も見えないほど一面が白く覆われます。

マスクをしていても、
体への負担を完全に防ぐことはできません。

実際、帰りの飛行機では、
咳をしている方の姿が多く見られました。

今回、
デリーから車で片道3〜4時間かかる
アグラやジャイプール、
そして、あの有名なタージ・マハルを見に行くかどうか、
正直、かなり悩みました。

けれど最終的に、
今回はデリーをゆっくり見ることを優先する
という選択をしました。

3泊という短い滞在。
しかも初日は夜の到着です。

ここで無理をすれば、
「元気に過ごす」どころか、
旅そのものが苦しい記憶になってしまうかもしれません。

結果的に、
この判断は、とてもよかったと感じています。

街を急いで巡ることよりも、
ひとつの場所で呼吸を整え、
空気や時間に慣れていくこと。

観光地は、また今度。
そう思える余白を残したことで、
この旅は、私にとってやさしいものになりました。

無理をしない。
欲張らない。
体の声に、静かに耳を澄ませる。

それもまた、
旅を深く味わうための、大切な選択なのだと思います。

7.マインドを整える

旅の前には、
心の状態も、とても大切だと感じています。

不安や心配が大きくなりすぎると、
不思議なことに、
「行かなくてもいい理由」が、
現実の出来事として現れてしまうことがあります。

出発前の怪我や発熱、
突然の体調不良、
乗り遅れや予定外のトラブル。

偶然と言えばそれまでですが、
私はこれまでの経験から、
心が強く拒んでいるときほど、
そうした出来事が起きやすいことを、
何度か体感してきました。

だから今回の旅では、
不安を無理に消そうとするのではなく、
心を静かに整えることを意識しました。

「大丈夫」と言い聞かせるのではなく、
「私は何を感じに行きたいのか」
その問いを、そっと自分に向けてみる。

インドに行ったら、
何を見たいのか。
何を無理せず、何を味わいたいのか。

それを、ざっとノートに書き出しました。

行きの飛行機では、
そのノートを開きながら、
インドの空気や、街の色、
人の表情を、静かに想像してみました。

刺激的な出来事ではなく、
穏やかに過ごしている自分の姿を。

安心して歩いている自分。
深呼吸をしている自分。
「思っていたより、やさしい」と感じている自分。

そうやって、
心を先に旅へ連れていくことで、
不安は少しずつ、穏やかになっていきました。

旅は、
身体だけが移動するものではなく、
意識も一緒に連れていくもの。

心が置き去りにならないように、
マインドを整えることもまた、
私にとっては大切な準備のひとつでした。


旅を終えて

こうして振り返ると、
今回のインド旅は
**「安心を積み重ねる旅」**だったように思います。

旅好きで、国内外いろいろな場所を訪れてきた私にとっても、
インドはやはり「未知」の国でした。

だからこそ、
わざわざ自分から不安やトラブルの渦に近づかないように。
インドにいながらも、できるだけ快適で、心地よい旅を心がけていました。

年末年始という時期にもかかわらず、
宿泊した高級ホテルは、一部屋一泊およそ5万円ほど。

朝食とラウンジでの軽食を含めて考えると、
日本の同クラスのホテルと比べても、
現実的で、安心できる価格に感じられました。

ラウンジには、様々な国の方がいましたが、
みなさん佇まいはとても静かで、品があり、
そこに流れていたのは、
どこかクルーズ客船のラウンジに似た、
ゆったりとした静けさでした。

インドにいながら、
守られた空間の中で、呼吸を整えることができたこと。

それもまた、
この旅をやさしい記憶にしてくれた、大切な要素だったように思います。

怖さをごまかさず、
無理をせず、
自分が安心できる選択を、静かに重ねていく。

それだけで、
旅はずいぶんと、やさしいものになる。

旅から戻ってきてから、
インドのことを、いろいろな方に聞かれるようになりました。

「どうだった?」
「大変じゃなかった?」
「行ってみたい気はするけれど、やっぱり怖くて……」

話を聞いているうちに気づいたのは、
インドという国に、興味を持っている人は想像以上に多いということ。

けれど同時に、
不安や恐れが先に立ち、
その一歩をなかなか踏み出せずにいる方も
とても多いのだということでした。

知らないからこそ、
情報が多すぎるからこそ、
心の中で、そっと立ち止まってしまう。

それは、決して臆病だからではなく、
自分を大切にしようとする、ごく自然な感覚なのだと思います。

私自身も、同じ場所に、長く立っていました。

だからこそ、
今回の旅で感じた
「安心を選びながらでも、旅はできる」という感覚を、
こうして言葉に残しておきたいと思ったのです。

怖さがあるままでいい。
不安を無理に消さなくてもいい。

そのままの自分で、
少しずつ世界に触れていくことも、
ひとつの、やさしい旅のかたちなのだと思います。

もし、
行ってみたいけれど不安で足がすくむ場所があるなら、
無理に勇敢にならなくても大丈夫。

自分を守りながら、
余白を残しながら、
そっと触れてみる旅も、ちゃんと意味があります。

この記録が、
誰かの背中を押すというより、
そっと支えるものになったなら、うれしいです。

あなたの旅も、
どうか元気に行って、元気に帰れますように。

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旅の余白 この場所に心を寄せてくださり、ありがとうございます。 いただいたお気持ちは、次の旅へとつないでいきます。