【ウルムチ #1】ウイグル人の美しい「青」を見た
2025年の春、中国南方航空による成田トビリシ間の格安航空券を購入して旅に出た。何と往復で55000円弱という破格だった。
さらにこの経路には面白い点がある。
それは、色々と闇が深いかもしれない新疆ウイグル自治区最大の都市、ウルムチ経由であるという点だ。まずは成田から瀋陽を経由し、さらに国内線でウルムチを経てからトビリシに到着するというルートだった。中国なのに中央アジアであり、テュルク系民族のウイグル族が暮らす新疆ウイグル自治区にほぼ丸一日滞在できるという「特典」に釣られて、迷いなくこの航空券を予約した。

瀋陽を経てウルムチへ
南方航空の良さは安さだけではない。
このご時世において、戦時下のロシア上空を飛ぶという面白さがある。
日本から日本海を経て中国東北地方方面に向かうためには、ロシアか北朝鮮を越えなければならない。そこで、西側諸国は飛ばないロシア上空を飛んでくれる。
ロシアの大地は雄大で美しいが、写真を撮り忘れていた、、。
また、南方航空の機内食はとても美味しい。
Beefと言えば出てくる、牛肉ご飯のようなものが特に美味しい。

ウルムチ行きの便が3時間ほど遅刻したが、安さを考慮すれば問題はない。
成田を発ったその日の深夜、ウルムチに到着した。
無料トランジットホテルで休息
南方航空のサービスに、無料トランジットホテルというものがある。一定の条件を満たせば、トランジット時にホテルに無料でアサインしてくれる。

烏魯木斉空港の手荷物受取所を出たところにあるカウンターで受付をする。ウルムチでは予約不要だった。すぐに手配してくれ、送迎車に連れていってくれた。とてもスムーズだ。
ビシュケクに行くという欧米系観光客と同乗になり、ホテルに向かった。
ホテルの部屋は広々としていてとても清潔だ。私の好きなホワイトティーの香りがするバスアメニティが揃っている。中華文化圏の国には、ホワイトティーの香りのアロマやソープ類が多いように感じる。
深夜着の疲れをとり、翌日の観光に備えるため、就寝した。
とりあえず国際大バザールへ
ウルムチはこれといって観光するところが無さそうだ。
数少ない観光地である国際大バザールへ向かう。
宿からは20から30分ほどだったと思う。
道中の景色はただの中国の大都市といった感じだ。
共産感の溢れる同じ形をした建造物群が続く。
中国語に併記されてウイグルの言語で標識がある以外に、ウイグルの面影は感じられない。

国際大バザールというのは、国家観光局が定めるAAAA級に位置付けられた観光地である。
なお、中国国家観光局はA級からAAAAA級までの5段階で観光地を格付けしているらしい。

セキュリティチェックを通り大バザールへ入ると、確かに中国の諸都市とは違った異文化空間が現れる。モスク風の建物や伝統工芸品の数々、中東のような雰囲気が漂っている。

バザール内は漢民族の観光客で賑わい、店舗には多種多様の商品が陳列されている。客引きはまあまあ熱心であり、活気に溢れている。想像していたよりも随分面白い観光地である。


また、そこで働いている人たちは確かに漢民族とは風貌が異なるウイグル族であろう人たちである。



ウイグルと「青」
彼ら彼女らは水色など青系の衣装を着ていることも多いと感じた。
「ウイグル」と「青」といえば、東トルキスタン共和国の旗である「キョック・バイラック」である。
現在、ウイグル独立運動のシンボルであるこの旗は当局によって強く取り締まりを受けている。滞在中に目にすることは無かったし、掲げればもちろん逮捕である。
しかしながら、国際大バザールでは美しい青に出会うことができた。青い衣装に身を包んだウイグルの人々、青い絨毯や青い帽子などなど。
漢化するウルムチの街においても、根底ではウイグルの人々のアイデンティティがしっかりと根付いているのだろう。
