感情と向き合うための連載④感情には「安全な場」が必要な理由〜ひとりでは完了しない感情がある〜
少し間が空いてしまいましたが、
この連載をまた、ここから続けていきたいと思います🍀
年末年始に、夫が風邪をひき、そこから私にも移ってしまいました。
喉に違和感がある中でしたが、ちょうど私自身が受けている
ODNJP(オープンダイアローグネットワークジャパン)のトレーニングで
「ファミリー・オブ・オリジン(家族のルーツ)」をたどる課題に
取り組む時期でもありました。
亡くなった母の兄弟のもとを訪ね、
母が病気になった頃のこと、
兄弟や親との関係、
その当時、家族の中で何が起きていたのかを、
ゆっくりと聴かせてもらいました。
語られた話はとても生々しく、
母がメンタルの病気になった当時、
どれほど大変な状況の中にいたのかが、
改めて胸に迫ってくるものでした。
翌日から、突然、まったく声が出なくなりました。
耳鼻咽喉科で診ていただいたところ、
ウイルスが声帯まで感染し、強く腫れていることが分かり、
「時間はかかるけれど、治りますよ」と説明を受けました。
医学的な理由があることは、きちんと理解しています。
それでも同時に、
私は自分の体に、こんな問いを向けていました。
「私の体は、今、何を伝えようとしているのだろう」
感情は、言葉になる前に体に現れることがある
これまでこの連載でお伝えしてきたように、
感情は、必ずしも言葉として自覚される形で
現れるとは限りません。
・喉が詰まる
・胸が苦しくなる
・お腹が重くなる
・体が動かなくなる
そんなふうに、
体の反応として、先にサインが出ることがあります。
それは、「心が弱いから」ではなく、
これ以上ひとりで抱えなくていい、という合図
なのかもしれません。
「声が出ない」という体験から感じたこと
声が出なくなったことに、
明確な意味づけをすることはできません。
ただ、あえて言葉にするなら、
「語りきれていなかったもの」
「まだ誰かと一緒に扱う準備が必要な感情」
が、体を通して表現されたようにも感じています。
ここで大切なのは、
「原因を決めつけないこと」です。
体の反応は、
正解を示すために起きているのではなく、
立ち止まって、自分に耳を澄ませるためのきっかけ
として現れることが多いからです。
ひとりでは完了しない感情がある
第3回では、
日常の中でできる「小さな感じきり」についてお話ししました。
それはとても大切なセルフケアです。
でも同時に、
ひとりでは触れることが難しい感情も、確かに存在します。
特に、
人との関係の中で傷ついた感情
長い間、抑え込んできた思い
語られることなく残ってきた体験は、
誰かと一緒にいることで、
はじめて安全に動き出すことがあります。
「安全な場」があると、感情はほどけていく
ゲシュタルト療法やオープンダイアローグでは、
感情を扱うとき、
**安全な場(セーフティ)**を何より大切にします。
・否定されない
・評価されない
・急がされない
・正解を求められない
そんな場の中で、
人は少しずつ、
自分の感情に触れることができるようになります。
誰かがそばにいて、
そのままを受け取ってくれる。
その体験が、
未完了だった感情を、
静かに完了へと導いてくれます。
私も、ゲシュタルト療法やオープンダイアローグの場で、たくさんのワークを受けて、自分自身の感情と向き合い、少しずつ完了させてきました。
読んでくださっているあなたへ
もし今、
理由はよく分からないけれど、
体の不調や違和感が続いているなら。
それは、
「ちゃんと休んで」
「ひとりで抱えなくていい」
という、体からのメッセージかもしれません。
無理に意味を探さなくて大丈夫です。
大切なのは、
そのサインを無視せず、
やさしく受け取ってあげること。
次回に向けて
次回は、
「感情を受け取ってもらう体験」が、なぜ回復につながるのか
そして、
対話の中で起きる変化について、
もう少し具体的にお話しする予定です。
人との関係の中で傷ついた感情が、
人との関係の中で癒えていくこと。
オープンダイアローグや対話の場が、
なぜ力を持つのか。
そんなテーマにつながっていきます🌿
この連載では、
感情があふれる背景や、
そこから自分とどう付き合っていけばいいのかを、
急がず、やさしく紐解いていきます。
必要なところだけ、
あなたのペースで受け取ってもらえたら嬉しいです。
