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和解劇場

舞台に照らされる三つのスポットライト。
「あなた、あれは誤解なのよ~」
妻の声が劇場内に響く。
二ヶ月前、偶然街中で妻と劇団員の男性が手を繋いで歩いているのを見かけた。
妻は出掛けることが多くなり、俺達の関係はギクシャクしている。
「あの人とは~学生時代の友達なの~。信じて!あなた~!」
妻は左手を胸に当て、俺に言い寄ってきた。
俺は妻に指をさす。
「そんなこと、しんじ~られるか~!」
妻の声に負けない大きな声で、劇場内を響かせる。
「そんな!あれは遊びだ~った~のか~!」
妻と手を繋いでいた劇団員の男性は、妻に近づき、手を握った。
「おい!汚い手で妻を!触る~な~!」
俺は男性に向かって低い声で叫ぶ。
「ああ!私って、罪な女よ~」
妻は客席に向かって、両手を広げながら言った。
俺達は劇団だからって、客がいない劇場で、わざわざ舞台に立たなくてもいいだろ……。
和解するまでに掛かった公演時間は、三時間だった。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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