哀愁の燻製
身体中から噴き出す、真っ白の煙。
俺は今、暑い個室で卵、チーズ、ソーセージと一緒に全裸で座っている。
俺の友人は燻製マニアで、哀愁漂う人の煙で燻製を作るとどんな味になるのか試したいと相談され、引き受けた。
俺はなかなか人に心を開かないし、心から笑えないし、いつも一人でいることが多い。
哀愁漂う人として選ばれたのは複雑だが、数少ない友人の頼みとあれば力になりたい……しかし、暑くて意識が朦朧としてきた。
視界がぐにゃりと歪み始めた時、個室のドアが開く。
「お疲れ!もういいぞ!」
友人が終わりを告げに個室へ入ってきた。
俺はよろよろになりながら個室から出る。
身体の水分がほとんど抜け、骨と皮だけになった気分だ。
「さ~て、哀愁の煙で作った燻製の味はっと」
友人はウキウキで出来上がった燻製を次々と食べていく。
「味がなくなってる!?これは失敗作だな」
友人は俺が汗水垂らしながら煙して作った燻製を、全てごみ箱に捨てた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
