夜行性の黒板消し
黒板にチョークで書く音が鳴り響く教室。
どうして、みんなも先生も気づかないのだろう?
黒板にボクの名前が沢山書いているのに。
先生が黒板消しを使っても、ボクの名前だけは消えなかった。
だれもいなくなった夜の教室。
窓から満月の光が入ってきて、すごく神秘的だ。
チョークを持ち、黒板の前に立つ。
みんなに気づいてもらえるように、もっとボクの名前を書こう。
「君、いつまでここにいるの?」
振り返ると、女の子が立っていた。
「ボクは……」
「君は卒業式当日に交通事故で死んだのよ。君と同じクラスだった子達は何年も前に卒業して、もういない。そろそろ天国へ来てくれないと、私が神様に怒られちゃう」
「そっか、ボクのせいでごめんね。じゃあこれ消さないと」
先生が黒板消しで消せなかったボクの名前は、ボクが消すと消えていく。
「卒業おめでとう」
女の子から祝われ、気持ちが軽くなる。
……ボクが欲しかったのは、この言葉だった。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
