Willがなくても進める!Must→Can→Willで考えるとラクになる話
「あなたのWillは何ですか?」
「将来やりたいことを言ってください」
こう聞かれると、うまく言葉にできない時がある。
もちろん、明確な目標があって、それに向かって進める人は素晴らしい。
でも正直、いつもそんなにきれいに言語化できるわけじゃない。
むしろ私は、先にWillを出そうとすると、少し苦しくなることがある。
まだ輪郭もないのに、面接みたいに “それっぽい立派な答え” を作ろうとしてしまうというか…(あるあるだと思っています)。
最近は、Willを最初に置くよりも、
Must→Can→Will の順番で考えるほうが自然だと感じています。
Must(今の自分に求められていること/やるべき役割)
Can(経験を通して増えていく、できること)
Will(Canをどこでどう活かしたいか、から見えてくる意志)
自分の中でしっくりきているこの考え方を、実体験ベースで言語化してみました。
「やりたいことを先に決めるのが苦手…」という人に届いたらうれしいです。
まずはWillより、Mustから始める
最初にあるのは、たいてい「Must」だと思う。
たとえば、
今やるべき仕事
任された役割
解かなければいけない課題
目の前の人に必要な対応
これは、必ずしも「心の底からやりたいこと」ではないかもしれない。
でも、ここを雑にやるか、丁寧にやるかで、その先はかなり変わる。
同じ仕事でも、取り組み方には差が出る。
ただ終わらせる
どうすればもっと良くできるか考える
再現できる形にする
学びを言語化して残す
この違いが、次に得られるものの違いになる。
だから私は、Willを探しにいく前に、まずは目の前のMustに向き合うことが大事だと思っています。
Mustに向き合うと、Canが増える
目の前の仕事に向き合っていると、少しずつ Can(できること) が増えていく。
たとえば、
進め方の型がわかる
関係者との調整がうまくなる
課題の見つけ方がわかる
うまくいくパターン/失敗しやすいパターンが見える
相手に合わせて伝え方を変えられるようになる
つまり、経験が「ただやった」で終わらず、使える資産になっていく。
このCanが増えると、仕事の見え方が変わる。
前は「難しそう」と感じていたことに対しても、
「完全に初めてではない」
「前にやった経験が使えそう」
と思えるようになる。
自信って、気合いや根性だけで生まれるものじゃなくて、
こういう Canの積み重ね から生まれることが多い気がします。
Canを転用していくと、Willが形になってくる
ここでようやく「Will」が出てくる。
しかも、最初から立派な言葉で出てくるわけじゃない。
これ、別の場面でも活かせそう
この課題、もっと根本から改善したい
自分はこういう役割のときに力を発揮しやすいかも
こういう感覚が少しずつ積み上がって、
あとから振り返ると「あ、これが自分のWillだったのかも」と見えてくる。
私の感覚では、Willは“突然のひらめき”というより、
Mustをやる中で増えたCanを、別の場所でも活かしたくなる気持ち に近いです。
だから、最初からWillがくっきり見えていなくても大丈夫。
むしろそのほうが自然なこともあると思っています。
実例① キャリア支援も、最初からWillがあったわけじゃない
今は「キャリア支援」というテーマで発信したり、実務で活用したりしていますが、
最初から「私はキャリア支援をやりたいです!」と、くっきり見えていたわけではありません。
むしろ最初は、人材紹介の業務に従事する中で、目の前のMustに向き合うところからでした。
たとえば、
求職者の状況を整理する
不安や迷いを言語化する
次の行動につながる関わりを考える
担当者間で情報を共有し、支援の精度を上げる
こうした実務に向き合う中で、
「もっと良い関わり方をしたい」
「この場面、感覚ではなく再現性を持って対応したい」
と感じるようになり、Canを広げるための学びに向かいました。
その流れの中で、キャリアコンサルティングの資格や技能を学び、使い、また現場で試す。
すると少しずつ、点だったものがつながってきて、
「自分は“人のキャリアを言語化して前に進める支援”に強く関心があるのかもしれない」
と、Willの輪郭が見えてきたんです。
そこから言語化して、取捨選択していく中で、
「キャリア支援」というWillへの解像度が上がっていきました。
つまり、Willが先にあったというより、
Mustに向き合ってCanを増やした結果、Willが見えてきた という感覚です。
実例② 発達支援も、Mustから始まってWillになっていった
これは発達支援の領域でも同じでした。
子どもたちと向き合う中で、毎日いろんな課題にぶつかります。
どう伝えたら伝わるか
どこでつまずいているのか
今の関わりは本人に合っているか
この対応で自己効力感を下げていないか
「なんとなく頑張る」だけでは足りなくて、
支援の質や、より的確な対応を考える必要がある。
その中で、Must(やるべき役割)に向き合いながら、ひとつずつCanを増やしていきました。
最初は点だった知識や経験が、
現場で試し、振り返り、また学ぶ中でつながっていく。
点と点がつながって線になり、
線が少しずつ面になっていくような感覚で、
あとから振り返ると、Willが浮かび上がってきました。
そしてその過程で、「発達」という領域の奥深さそのものに惹かれていったのと同時に、
目の前に悩んでいる保護者の方や子どもがいることが、関心を“興味”で終わらせず、
自分の中で大きなテーマへ育ててくれたように思います。
だから、最初に“立派なWill”がなくても大丈夫
この順番で考えるようになってから、気持ちが少しラクになりました。
「やりたいことを今すぐ明確にしなきゃ」と焦るより、
まずは目の前のMustに向き合って、Canを増やす。
そのうえで、増えたCanを見ながら、
「次はどこで活かしたいか」を考える。
するとWillは、無理に絞り出すものではなく、
行動の延長線上で育ってくるもの として見えてくる。
Willがない時期は、止まっている時期ではなくて、
もしかすると Willの土台をつくっている時期 なのかもしれません。
実践するときに意識していること(3つ)
1. 目の前のMustを言語化する
ただ「忙しい」で終わらせずに、今の自分のMustを言葉にしてみる。
何を求められているか
どこまでできれば価値になるか
誰にとっての仕事か
これが見えるだけで、取り組み方が変わります。
2. 毎回「転用できるもの」を1つ残す
仕事をやりっぱなしにしない。
手順
進め方の型
チェックリスト
判断基準
学びのメモ
声かけの具体例
何でもいいので、次に使える形で残しておく。
これがCanの蓄積になります。
3. Willは固定せず、更新していい
Willは、一度決めたら変えちゃいけないものではないと思う。
Canが増えれば、見える景色も変わる。
前は興味がなかったことに惹かれることもあるし、逆に「これは違った」と気づくこともある。
だからWillは、宣言して終わりではなく、
育てて更新していくもの として扱うくらいでちょうどいい。
おわりに
「Willを持て」と言われると、しんどくなる時がある。
でも、Willがないから前に進めないわけじゃない。
まずはMustを丁寧にやる。
その中でCanを増やす。
増えたCanを転用していくうちに、Willが形になってくる。
私は、キャリア支援も発達支援も、この流れで少しずつ輪郭が見えてきました。
焦って正解っぽいWillを作るより、
目の前の人や仕事にちゃんと向き合うこと。
その積み重ねが、あとから振り返ったときに、
自分のWillをいちばん自然な形でつくってくれる気がしています。
もし今、Willが言えなくて焦っている人がいたら、まずは自分を責めずに、目の前のMustを丁寧にやってみてほしいです。
その積み重ねは、ちゃんと未来のWillにつながっていきます。
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