君の好きな金額を書きたまえ
小切手……実際に見るのは初めてだ。
車を廃車にしたので、自動車税がいくらか還付される。受取方法は銀行振込だとばかり思っていたので、まさか小切手とは驚いた。小切手と言えば、たまにテレビドラマで見る「君の好きな金額を書きたまえ」のイメージ。ご丁寧に「○○銀行・○○支店」と、現金化する場所まで指定してある。面倒だな。銀行、郵便局、役場、平日の午前9時から午後5時までしか開いてない場所など、行きたくない。
11月下旬、車で国道を走行中にエゾシカと衝突した。ライトは割れ、ボンネットは変形して開閉不可。購入して7年、北海道から九州まで、実に12万キロメートル以上を走った相棒との、突然の別れだった。2,000ccのミニバンがエゾシカに負ける。それがオホーツク。
平日の午後2時、さすがに田舎の小さな銀行だけあって、店内にはお客が2人だけ。2分待ち、窓口で小切手を出すと、スタッフさんは数秒間固まった。
「少々お待ちください」
私の小切手を持って後ろに下がり、数人のスタッフさんたちとゴニョゴニョと話している。滅多にお目にかかれないのは、スタッフさんも同じなんだろう。
10分くらい待っただろうか。さすがに不安になる。
「現金化には○○という書類が必要で……」
みたいなことを言い出されたら、私は多分ギブアップする。廃車手続きの際、揃える書類の多さに苦しめられたばかりだ。
免許証を見せて、小切手の裏に住所と名前を書くと、無事に現金が手に入った。結果オーライ。その額、13,200円也。ちょっとリッチになった気分だ。
北海道民の味方、セイコーマートでカツ丼を買って帰ろう。
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