無人島生活福袋|毎週ショートショートnote
――飽きた。
無人島生活10日目にして、もう限界が来た。あと355日もここで過ごさなければならないと思うと、それだけで気が狂いそうになる。
――やっぱりやめておくべきだった。
大きなベッドにダイブして、ため息をつく。
近所のマルカワストアで、福袋が100円で売られていた。衝動買いしたら、中には食器用洗剤、サランラップ、ウェットティッシュ、紙コップなど、言っちゃ悪いがゴミ同然のものばかり。
その中に1つ、気になるものが入っていた。
「無人島生活1年間」
店員に聞くと、「最新型のスマートホームに住み、電気と水とインターネットが使い放題です。必要なものは全てこちらでご用意します。もちろん、携帯電話の電波もちゃんと入りますから」とのことだった。
1日の労働時間が34時間という超ブラック企業に勤めていた俺は2秒で会社を辞め、優雅な無人島生活と洒落込むことにした。
で、結果がこれである。
――散歩でもするか。
外に出て少し歩くと、遠くから何かが聞こえてきた。
――ん? ヘリコプター?
家の前に着陸したヘリからは、迷彩服姿の男が3人降りて、こちらに近づいてくる。口を開けたまま呆然としていると、割と年齢が上そうな、リーダーっぽい男が一歩前に出た。
「君は……日本人か?」
「はい?」
「日本人かと聞いている」
「そうですけど……」
男は驚いたように目を見開き、他の2人の男とひそひそ話を始めた。
「あのー、何でしょうか? 自衛隊の訓練ですか?」
3人は話を中断してこちらを見て、さっきの男がもう一度聞いてきた。
「君はいつからここに?」
「10日前からですが……」
「10日前? 一体いつの話をしている?」
「はぁ。2024年の話ですが……」
俺がことの経緯を説明すると、3人の男は固まった。
「よく聞け。今は2061年だ」
「あのー、ドッキリ企画とかはいいんで、もうそろそろ帰らせてもらえませんか?」
「帰る? どこへ?」
「神奈川ですが」
「ああ、KN19地区か」
「Kの……何ですか?」
さっきから意味不明なことを連発する男に対し、イライラがつのってきた。
「残念だが、もう日本という国はない。かつての日本は『日本自治区』となった」
「なるほど。とにかく、そのヘリコプターに乗せてもらえませんか?」
「いいだろう。2分後に出発する」
――下手な芝居しやがって。
家に戻り、荷物を持って自衛隊(だと思う)のヘリコプターに同乗する。
「神奈川までお願いします」
俺がそう言うと、リーダーらしき男はパイロットに「KN19地区だ」と叫んだ。
神奈川、いや、「KN19地区」に降りた俺はその後、5大陸戦争へと駆り出されることになる。
to be continued…
たらはかにさんの企画「毎週ショートショートnote」に参加しています。
今週のお題は「無人島生活福袋」です。
もう「なんだこりゃ」な内容ですね…。
よるある、主人公が病院で目覚めて、医師が「いいですか? 落ち着いて聞いてください」と前置きするパターンですね。
あ、ちなみに続きません。(゚∀゚)
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